富士吉田都市圏(ふじよしだとしけん)は、山梨県富士吉田市を中心とする都市圏である。

概要 編集

郡内地方では唯一、山梨県全体で2つある都市圏の1つである(他は国中地方にある甲府都市圏。かつては都留都市圏が存在していたが、現在は消滅している。なお、他にある郡内地方の市のうち、上野原市東京都市雇用圏大月市関東大都市圏に含まれ、元々独自の都市圏を有していない)。

古くから富士信仰による富士山登山が活発な地域であり、1951年(昭和26年)による市町村合併により富士吉田市が誕生するとそこを中心にした都市圏が形成された。また、甲府都市圏より早く中央自動車道が開通し、また中央線快速の列車も早朝と夜間に富士急行線を介して乗り入れており、高速バス中央高速バスが1時間に1 - 2本間隔で運行していることなど東京方面への往来が容易な地域である。一方、同じ県内の甲府都市圏へは鉄道では大月駅での乗り換えを強いられるほか、富士急バスによる路線バスも1時間に1 - 2本程度と多くなく、所要時間や運賃も富士山駅河口湖駅から甲府駅甲府駅バスターミナル)と新宿駅バスタ新宿)とであまり差がない。道路も甲府都市圏と富士吉田都市圏の間に御坂山地があり、昔は峠越えを強いられてきたが近年では御坂峠にある新御坂トンネルや若彦トンネルの開通により所要時間が大幅に短縮されている。

富士山や富士五湖があることから富士吉田都市圏に本社を置く富士急行富士観光開発によるリゾート開発が活発であり、富士急ハイランドをはじめスキー場ゴルフ場などが多く、またリゾート系の宿泊施設や別荘も多く点在する。ファナックの本社も都市圏内の忍野村にあり、地域経済に寄与している。

中心部である富士吉田市はかつて山梨県第2の都市であったが、国中地方の平成の大合併により現在は甲府市、甲斐市南アルプス市笛吹市に次ぐ5番目の都市となっている。富士吉田自体は1990年代より人口が減少に転じているが、都市圏に含まれる忍野村、富士河口湖町山中湖村鳴沢村は人口増加地帯であり、2010年の国勢調査で減少に転じた甲府都市圏に対し、富士吉田都市圏は現在も増え続けている。

定義 編集

一般的な都市圏の定義については都市圏を参照。

「10% 都市圏」(通勤圏) 編集

都市雇用圏(10% 通勤圏)の変遷
自治体
('80)
1980年[1] 1990年[1] 1995年[1] 2000年[1] 2005年[1] 2010年 自治体
(現在)
甲府市 甲府 都市圏 甲府 都市圏 甲府 都市圏 甲府 都市圏 甲府 都市圏 甲府 都市圏 甲府市
中道町
上九一色村 - - - -
富士吉田 都市圏
98253人
富士吉田 都市圏
97554人
富士河口湖町
勝山村 - - - -
足和田村 - 富士吉田 都市圏
89350人
富士吉田 都市圏
91834人
-
河口湖町 富士吉田 都市圏
81454人
富士吉田 都市圏
92790人
富士吉田市 富士吉田市
鳴沢村 鳴沢村
忍野村 忍野村
西桂町 西桂町
山中湖村 - - - - - 山中湖村

脚注 編集

  1. ^ a b c d e 都市雇用圏を参照

関連項目 編集