戸塚カントリー倶楽部(とつかカントリーくらぶ)は、神奈川県横浜市旭区大池町に広がるゴルフ場である。

戸塚カントリー倶楽部
Totsuka Country Club
戸塚カントリー倶楽部
戸塚カントリー俱楽部の空中写真。
北東側に隣接するゴルフ場は横浜カントリークラブ
2019年6月17日撮影の6枚を合成作成。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成。 地図
所在地 日本の旗 日本
神奈川県横浜市旭区大池町26番地
座標: 北緯35度26分35.79秒 東経139度32分14.79秒 / 北緯35.4432750度 東経139.5374417度 / 35.4432750; 139.5374417
概要
開業 1961年昭和36年)12月20日
運営 メンバーシップコース
設計 東コース 間野 貞吉
西コース 井上 誠一
運営者 神奈川開発観光株式会社
トーナメント1975年-1982年
第1回-第8回 日本プロゴルフマッチプレー選手権大会
1986年
第51回 日本オープンゴルフ選手権競技大会
2005年
第38回 日本女子オープンゴルフ選手権競技大会(西コース)
コース
東コース
East Course

OUT IN
HOLE PAR YARD HOLE PAR YARD
1 4 420 1 4 451
2 5 498 2 4 377
3 4 368 3 3 221
4 3 165 4 4 429
5 5 501 5 3 177
6 3 213 6 5 535
7 4 420 7 5 545
8 4 351 8 4 317
9 4 353 9 4 408
36 3289 36 3460
西コース
West Course

OUT IN
HOLE PAR YARD HOLE PAR YARD
1 4 447 10 4 402
2 5 534 11 3 230
3 4 391 12 4 333
4 4 384 13 5 540
5 3 196 14 3 200
6 4 450 15 4 465
7 5 549 16 5 634
8 3 228 17 4 417
9 4 435 18 4 426
36 3614 36 3647

その他
公式サイト 戸塚カントリー倶楽部
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戸塚カントリー倶楽部クラブハウス

概要 編集

戸塚カントリー倶楽部が広がる旭区は、八王子市高尾山から連なる多摩丘陵に位置し標高は63.5mである。中央を帷子川が縦断し、西部は上瀬谷通信施設跡地の広大な草原地帯が広がり、市街化調整地域が設定された生産緑地、公園、山林となっており、区内には川井矢指、今井大池名瀬、三保新治の3つの風致地区があるため、横浜市内では緑被率が2番目に高い。

1958年昭和33年)代、旧制七高生たちが言い出した「新幹線が通ったら戸塚辺りに駅ができる」、「東西財界の交流も多くなるが、「霞ヶ関カンツリー倶楽部」では遠すぎる」といって、「戸塚にゴルフ場を造ろう」と言い出したことに始まる[1]

株式会社三和銀行(現・株式会社株式会社三菱UFJ銀行)・渡辺忠雄、株式会社電通吉田秀雄らで財界人が集まった[1]1958年(昭和33年)11月19日、新たなゴルフ場の建設に向けて「神奈川開発観光株式会社」を設立、社長に三輪眞吉が就任したが、すぐ健康を害して吉田に交代した[1]

ゴルフ場の建設用地は、神奈川県横浜市相模武蔵の界で、九十九谷戸である[1]。ところが、を植えるには不向きな土壌で「こりゃダメだ」と、コース設計の井上誠一が言ったが、吉田は「悪いコースでもいいから造る」と言った[1]。だが、用地の買収が進まなかった、36ホール全ての設計を井上誠一に依頼するはずだったが、買収のまとまりの早い川上コース(アベレージコース)の設計を間野貞吉に依頼し、名瀬コース(チャンピオンコース)は纏まった段階で設計を井上誠一に依頼することにした[1]

1959年(昭和34年)10月7日、コース施工の地鎮祭が執り行われた[1]1961年(昭和36年)12月20日、川上コース(現・東コース、設計・間野貞吉)18ホールが完成し、開場した[1]1962年(昭和37年)10月11日、名瀬コース(現・西コース、設計・井上誠一)18ホールが完成し、開場した[1]。クラブハウスの設計は丹下健三、建物の巨大さと奇抜さで世間を驚かせた[1]。コースは丘陵コースで、アップダウンは大きくないが、うねりのあるフェアウェイが難易度を高めている。

2020年令和2年)4月10日、新型コロナウイルス感染拡大の予防、来場者の健康と安全を考慮して、4月14日よりクローズを決定した。4月22日、クローズ期間を5月7日迄とした。政府発表によっては、クローズ期間延長の可能性もある。5月5日、クローズ期間を延長し5月14日迄とし、5月15日より、会員及び会員登録家族のみの営業とした。5月21日、6月2日より営業緩和された[2]

所在地 編集

〒241-0834 神奈川県横浜市旭区大池町26番地

コース情報 編集

  • 開場日 - 1961年12月20日
  • 設計者 - 東コース 間野貞吉[3]・西コース 井上誠一[4]
  • コース施工 - 株式会社大林組
  • 面積 - 1,320,000m2(約39.9万坪)
  • コースタイプ - 丘陵コース
  • コース - 36ホールズ、パー144、14,010ヤード、コースレート 東コース72.5、西コース74.5
  • グリーン - 東コース1グリーン(ペンクロス)、西コースベント2グリーン(ペンクロス)
  • プレースタイル - 乗用カート、キャディ付き
  • 練習場 - 22打席 235ヤード
  • 休場日 - 毎週月曜日、12月31日、1月1日(月曜日が祝日の場合は翌日の火曜日)[5][6]

クラブ情報 編集

  • ハウス面積 - 7,645m2(2,312.6坪)
  • ハウス設計 - 株式会社安井建築設計事務所
  • ハウス施工 - 株式会社大林組
  • 所属プロ - 山本 信弘、小袋 秀人、久志岡 俊海、石川 忠太郎、和田 奈々[7][6][5]

ギャラリー 編集

交通アクセス 編集

鉄道

道路

メジャー選手権 編集

エピソード 編集

  • 東コースを設計した間野貞吉は、「戸塚カントリー倶楽部」での設計が初めてだったが、後に、ゴルフコースの設計で日本で初めて博士号を取得した[12]
  • 初期のクラブハウスは丹下健三が設計したが、を縦に真二つに割った切断面を大屋根にしており、面積1,520坪の巨大な奇抜な建物である。建設費用も、予算は1億6千万円だったが2億円も超過した[12]
  • 宮里藍が優勝した2005年の第38回日本女子オープンゴルフ選手権競技を当倶楽部西コースで開催した際には、4日間で48,677人、特に最終日に21,018人の観衆が観戦した[13]

高所作業事故 編集

  • 2021年令和3年)6月9日午前8時頃、「戸塚カントリー倶楽部」で、高所作業車のゴンドラに乗って樹木の伐採していた男性作業員2名が、JR東日本所有の高圧送電線に接触し感電した可能性があり死亡した[14]。この事故により、JR東日本横浜支社によると、送電の停止で横浜線が約2時間、全線で運転を見合わせ、約1万1千人に影響した[14]

脚注 編集

  1. ^ a b c d e f g h i j 『美しい日本のゴルフコース BEAUTIFUL GOLF CULTURE IN JAPAN 日本のゴルフ110年記念 ゴルフは日本の新しい伝統文化である』、「ゴルフダイジェスト社「美しい日本のゴルフコース」編纂委員会編」、東京 ゴルフダイジェスト社、2013年12月、2021年2月16日閲覧
  2. ^ 「新型コロナウイルス感染拡大防止強化の為、 4月14日よりクローズ」、お知らせ、2020年7月11日閲覧
  3. ^ 「戸塚カントリー倶楽部」、間野貞吉、2020年7月日閲覧
  4. ^ 「戸塚カントリー倶楽部」、井上誠一、2020年7月11日閲覧
  5. ^ a b 「戸塚カントリー倶楽部」、ゴルフ場詳細、2020年7月11日閲覧
  6. ^ a b 「戸塚カントリー倶楽部」、ゴルフホトライン、2020年7月11日閲覧
  7. ^ 「戸塚カントリー倶楽部」、所属プロ案内、2020年7月11日閲覧
  8. ^ 「戸塚カントリー倶楽部」、アクセス、2020年7月11日閲覧
  9. ^ a b c d e f g h 「日本プロゴルフマッチプレー選手権」、日本プロゴルフ協会、2021年8月15日閲覧
  10. ^ 「日本オープンゴルフ選手権」、日本ゴルフ協会、2021年8月15日閲覧
  11. ^ 「日本女子オープンゴルフ選手権」、日本ゴルフ協会、2021年9月14日閲覧
  12. ^ a b 『美しい日本のゴルフコース BEAUTIFUL GOLF CULTURE IN JAPAN 日本のゴルフ110年記念 ゴルフは日本の新しい伝統文化である』、「ゴルフダイジェスト社「美しい日本のゴルフコース」編纂委員会編」、東京 ゴルフダイジェスト社、2013年12月、2021年2月7日閲覧
  13. ^ 古屋雅章「「平成のヒロイン」宮里藍の優しさが、日本のゴルフ界を劇的に変えた」『sportiva』、集英社、2019年5月2日。 
  14. ^ a b 『高所作業車感電 男性2人が死亡 横浜、高圧線接触』、読売新聞 朝刊、社会、28頁、2021年6月10日閲覧

関連文献 編集

  • 『戸塚カントリー倶楽部30年史』、戸塚カントリー倶楽部30年史編集委員会 企画 編集、横浜 戸塚カントリー倶楽部、1991年11月、2020年7月11日閲覧
  • 『月刊ゴルフマネジメント 11月20(183) 』、「戸塚カントリー倶楽部」、東京 一季出版、1999年11月、2020年7月11日閲覧
  • 『月刊ゴルフマネジメント』、「ゴルフ倶楽部を考える(224)戸塚カントリー倶楽部の創設」、井上勝純著、東京 一季出版、2004年12月、2020年7月11日閲覧
  • 『月刊ゴルフマネジメント』、「ゴルフ倶楽部を考える(225)戸塚カントリー倶楽部36ホールに」、井上勝純著、東京 一季出版、2005年1月、2020年7月11日閲覧
  • 『ゴルフ場ガイド 東版』2006-2007、「戸塚カントリー倶楽部(神奈川県)」、東京 ゴルフダイジェスト社、2006年5月、2020年7月11日閲覧
  • 『美しい日本のゴルフコース BEAUTIFUL GOLF CULTURE IN JAPAN 日本のゴルフ110年記念 ゴルフは日本の新しい伝統文化である』、「ゴルフダイジェスト社「美しい日本のゴルフコース」編纂委員会編」、東京 ゴルフダイジェスト社、2013年12月、2020年7月11日閲覧

関連項目 編集

外部リンク 編集