日日の背信』(にちにちのはいしん)は、丹羽文雄による小説、及びそれを原作とした映画ドラマ化作品である。

日日の背信
著者 丹羽文雄
発行日 1957年
発行元 毎日新聞社
日本の旗 日本
言語 日本語
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概要 編集

1956年5月14日から1957年3月12日まで、毎日新聞朝刊に301回に亘り、連載された新聞連載小説

1957年、毎日新聞社から単行本が刊行。1958年に新潮文庫が刊行。

あらすじ 編集

経済雑誌を発行している出版会社「経済と事業」社の社長である主人公:土居広之には、約2年間病床にある妻:土居知子がおり、これまでは浮気もせずに彼女のことを愛していたが、東京から車で東海道を通って2時間余のところにある、孟宗竹の木立に囲まれた湯河原温泉宿でふとした行きずりに屋代幾子と出会う。幾子は未亡人となって満州から日本に引揚げてきたが、生活苦になり、苦境を銀座にある宝石貴金属商店・春日堂の社長:六角庫吉に救われて、今は彼のになっている。広之は病身の妻を愛しているとはいえ、日陰の人生に愛情を求めて足掻く情熱の女・幾子と出会ったことで、これまで無意識であった大人の男として奥底に潜んでいた愛の欲望ゆえに、彼女との恋愛に身を焦がす様になる。こうして広之の妻・知子に対する「日日の背信」が始まった...。

映画 編集

日日の背信
監督 中村登
製作 深沢猛
出演者
音楽 黛敏郎
撮影 長岡博之
編集 浜村義康
配給 松竹
公開 1958年2月16日
製作国   日本
言語 日本語
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1958年2月16日公開。松竹(大船撮影所)配給。

キャスト 編集

スタッフ 編集

  • 監督:中村登
  • 製作:深沢猛
  • 脚色:斎藤良輔
  • 撮影:長岡博之
  • 音楽:黛敏郎
  • 美術:熊谷正雄
  • 編集:浜村義康
  • 録音:大村三郎
  • 照明:小泉喜代司
  • スチル:堺謙一

テレビドラマ 編集

1960年版 編集

日日の背信
脚本 浅川清道
出演者
ナレーター 矢島正明
音楽 宮内國郎
国・地域   日本
言語 日本語
話数 全13話
放送
放送チャンネルフジテレビ
放送期間1960年7月4日 - 9月26日
放送時間月曜13:00 - 13:30
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1960年7月4日 - 9月26日フジテレビにて放送された。放送時間(JST)は毎週月曜13:00 - 13:30。全13回。高視聴率を獲得し、昼メロ全盛への嚆矢となった。

主役は新東宝池内淳子と、NHKの『事件記者』で人気のあった原保美[1]。制作費は当時としては破格の80万円くらいだった[1]。週1回の30分番組で平日午後の放送であるため、放送前、フジ社内では不安視する声も聞かれたが、電化時代で余暇のできた主婦層を釘付けにして、視聴率もアッという間に25%と跳ね上がった[1]

岡田太郎演出は、とかく引き画の多かった劇映画に比べて、小画面を生かしたアップの映像をふんだんに使っていて、彼はこれで「アップの太郎」の異名をとった[1]。そしてこの岡田演出の技法は、その後のテレビドラマの演出に大きな影響を与えた[1]

『日日の背信』は、よろめきドラマというあだ名をつけられた[1]。新東宝で清純派といわれてきた池内は、その後、この時間枠で『飢える魂』、『波の塔』、『夜の見た炎』に連続出演して「よろめき女優」と呼ばれたが、一躍テレビスターとなって、のちにはホームドラマでも活躍した[1]

キャスト 編集

スタッフ 編集

  • 演出:岡田太郎
  • 脚本:浅川清道
  • 音楽:宮内国郎
フジテレビ 月曜13時台前半枠
前番組 番組名 次番組
日日の背信
(1960年版)

1967年版 編集

義務と演技
脚本 砂田量爾 
出演者
音楽 山下毅雄
国・地域   日本
言語 日本語
話数 全65話
製作
制作 東海テレビ
放送
放送チャンネルフジテレビ系列
放送国・地域  日本
放送期間1967年1月30日 - 4月28日
放送枠昼ドラマ
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1967年1月30日 - 4月28日東海テレビ制作の15分昼ドラマ枠にて放送された。全65回。白黒作品。

キャスト 編集

スタッフ 編集

脚注 編集

  1. ^ a b c d e f g 村上 2005, p. 66.

参考文献 編集

  • 村上七郎『ロングラン マスコミ漂流50年の軌跡』扶桑社、2005年6月。ISBN 978-4594049478 
東海テレビ制作 昼ドラマ
前番組 番組名 次番組
体の中を風が吹く
(1966.10.31 - 1967.1.27)
日日の背信
(1967.1.30 - 1967.4.28)
燃える
(1967.5.1 - 1967.7.28)

外部リンク 編集