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智頭急行HOT7000系気動車

智頭急行が開業時より保有する特急形気動車

智頭急行HOT7000系気動車(ちずきゅうこうHOT7000けいきどうしゃ)は、智頭急行特急形気動車である。

智頭急行HOT7000系気動車
因美線に乗り入れるスーパーはくと (2009年4月 国英 - 河原間)
因美線に乗り入れるスーパーはくと
(2009年4月 国英 - 河原間)
基本情報
製造所 富士重工業
製造年 1994年 - 2003年
製造数 34両
運用開始 1994年12月3日
投入先智頭急行智頭線
西日本旅客鉄道東海道本線山陽本線因美線山陰本線
主要諸元
編成 (基本編成)5両編成(中間車増結時は6両編成)
最高運転速度 130(曲線通過+30km/h) km/h
車両定員 44(HOT7000・HOT7010)
49(HOT7020)
60(HOT7030)
58(HOT7040)
42(HOT7050)
自重 40.0t
全長 20,800 mm
全幅 2,845 mm
全高 3,440 mm
車体 ステンレス
台車 制御付自然振子装置組込円錐積層ゴム式ボルスタレス台車(ヨーダンパ付
FU46AD・FU46BD
機関 SA6D125H
機関出力 355ps
変速段 変速1段・直結2段
搭載数 2基 / 両
駆動方式 液体式
編成出力 3,550ps
4,260ps(6両編成時)
制動装置 機関排気ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ
保安装置 ATS-SW・ATS-P
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概要編集

中国山地を通過する智頭急行智頭線および西日本旅客鉄道(JR西日本)因美線は、山岳路線ゆえに急勾配・急カーブが続く区間がある。本系列は、この高速運転に不利な条件を克服するため開発された、制御付自然振り子機構を採用した高速気動車である。

形式称号のHOTとは、智頭線沿線の3県・兵庫県 (Hyogo)、岡山県 (Okayama)、鳥取県 (Tottori)のローマ字表記の頭文字を英語の"Hot"(「熱い」の意味)にかけたものに由来し、番号の7000は1両あたりの機関出力が約700PSであることに由来する。

構造編集

車体・主要機器編集

気動車における振り子機構は気動車の機構的な性質から困難と考えられてきたが、先んじてJR四国鉄道総研と共同開発した2000系気動車によって問題解決され、同時に「制御付自然振り子方式」が開発された(詳細は2000系の当該箇所を参照)。当形式はそうした2000系の振り子機構、エンジン、台車、車体構造の多くを踏襲している。

車体は軽量ステンレス製で[1]、2000系同様連続窓とプラグドアを採用しているが、客用扉は片側1箇所となっている。先頭車の運転台部分は普通鋼製である。

エンジンはコマツ製SA6D125H-1A形 (355PS/2,000rpm)を各車に2基搭載する[1]。2000系と同型だが出力が若干向上している。液体変速機は変速1段・直結2段式である。現行の営業最高速度は130km/hである[1]

なお、当形式で改良された技術がN2000系にフィードバックされている。

車内編集

デビュー当時から先頭車両前部にテレビカメラを設置し、客室の前後端にあるビデオモニターに前面展望映像を映し出している。

このほか、全列車・全車両の車内LED表示器で文字放送(ニュース・天気予報)サービスを2008年11月から開始した。表示区間は「通常の案内表示をしない区間」で、8 - 13箇所(列車による)で表示する。4号車に「文字放送受信機」を設置している[2]

リニューアル編集

2009年までに全編成に「なごみの空間」をテーマにした、シートや内装、トイレなどのリニューアル工事を施工。リニューアルにより全車両禁煙となり1・5号車に喫煙ルーム(2009年6月に廃止)が設置された[3]。HOT7010形とHOT7020形車両の携帯電話コーナーは撤去され飲料の自動販売機が設置された。このリニューアルにより2008年度グッドデザイン賞「身体の移動 領域部門」を受賞した。

リニューアル車の展示会などは以下の日程で実施された。

  • 2007年8月5日 - 展示会を鳥取駅2番のりばで実施。リニューアル車が公開された。
  • 2008年8月2日 - 展示会を倉吉駅3番のりばで実施。また、試乗会を鳥取 - 智頭間(片道)と智頭 - 大原間を往復する区間で実施。
  • 2008年8月3日 - 展示会を神戸駅1番のりば、京都駅7番のりばで実施。

再リニューアル編集

2016年春に再びリニューアル工事を施工。デッキ部に大型荷物置き場の設置(1・5号車)、多目的室の設置(5号車)、窓側座席にモバイルコンセントの設置、温水洗浄便座の設置・小便器の取り替え(2 - 4号車)が行われた。車体および車内のLED案内装置(次駅案内、観光案内など)も3色LEDからフルカラーLEDに更新。

編成・形式編集

以下の6形式がある。HOT7050形はグリーン普通合造車、そのほかは普通車である。先頭車にはトイレは設置されていない。当初は普通車のみであったが、1997年にグリーン・普通合造車のHOT7050形が登場、2003年までに6形式・計34両が富士重工業で製造された。

HOT7000形 (Mc1)
京都方の非貫通型先頭普通車で、7001 - 7005の5両が在籍。多目的室と荷物置き場を設置。定員44名(一部の車両は43名)[4]
HOT7010形 (Mc1')
鳥取・倉吉方の非貫通型先頭普通車で、7011 - 7015の5両が在籍。飲料の自動販売機と荷物置き場を設置。定員44名[4]
HOT7020形 (Mc2)
貫通型先頭普通車で、方向転換することができる。7021 - 7023の3両が在籍。運転室直後の区画にコンパートメントを設置。定員49名。
HOT7030形 (M1)
中間普通車で、7031 - 7037の7両が在籍。小便所および温水洗浄便座つき洋式トイレを設置。定員60名[4]
HOT7040形 (M2)
中間普通車で、7041 - 7048の8両が在籍。バリアフリー対応温水洗浄便座つき洋式トイレを設置。定員58名[4]
HOT7050形 (Mhs)
中間グリーン・普通合造車で、7051 - 7056の6両が在籍。バリアフリー対応温水洗浄便座つき洋式トイレを設置。定員グリーン18名・普通24名[4]

通常は、下表の5両編成を組成する。なお、Mc1・Mc1'・M1の代わりにMc2が組み込まれることがある。多客時は2号車と3号車の間に増2号車としてMc2・M1・M2のいずれかが組み込まれて6両編成で運転されている。初期は7両編成で走ることもあったが、郡家駅のホーム有効長の関係で現在は行われていない。

← 倉吉・鳥取
京都 →
HOT
7010形
HOT
7030形
HOT
7040形
HOT
7050形
HOT
7000形
推移

1994年12月3日より5両編成2本と増結・予備用の3両を含む13両で「スーパーはくと」としてデビュー[1]

← 倉吉・鳥取
新大阪 →
5両編成
2本
HOT
7010形
HOT
7030形
HOT
7030形
HOT
7040形
HOT
7000形
増結用
3両
HOT
7020形
HOT
7020形
HOT
7040形

車両配置と運用線区編集

 
鶴田駅で見られたHOT7000系の輸送

1994年12月3日に智頭急行線が開業し特急スーパーはくと」で運用されている。

智頭急行の大原基地所属だが、JR西日本米子支社鳥取鉄道部西鳥取車両支部に常駐しており、管理もJR西日本に委託されている。

運用開始まで編集

1994年10月30日に大阪駅神戸駅で、11月3日に大阪駅で車両展示会が行われた[5]。その後11月20日には大阪 - 大原間で試乗会を開催[5]

阪神・淡路大震災の影響編集

1995年1月17日阪神・淡路大震災が発生し、東海道・山陽本線は神戸市内で不通となった。この時HOT7000系は姫路 - 和田山間のノンストップ快速で使用された(夜間滞泊のため回送列車として和田山 - 福知山間も走行)。

1月23日からは姫路 - 鳥取間で、4月1日から新大阪 - 鳥取間で「スーパーはくと」の運転を再開している[6]

脚注編集

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  1. ^ a b c d 『鉄道ファン』通巻608号、p.110
  2. ^ 「スーパーはくと」FM文字放送の開始について (PDF) - 智頭急行プレスリリース 2008年10月25日
  3. ^ 「スーパーはくと」の喫煙ルーム完成に伴う全席禁煙化について (PDF) - 智頭急行プレスリリース
  4. ^ a b c d e スーパーはくと号 車両基本編成表 (PDF) - 智頭急行ウェブサイト、2018年10月2日参照
  5. ^ a b 『JR気動車客車編成表』'95年版 ジェー・アール・アール 1995年 ISBN 4-88283-116-3
  6. ^ 『鉄道ファン』通巻608号、p.109

参考文献編集

  • 寺田裕一「新世代第三セクター鉄道 3」『鉄道ファン』第608号、交友社、2011年12月、 106 - 111頁。

外部リンク編集