東野治之

日本の歴史学者

東野 治之(とうの はるゆき、1946年12月20日[1] - )は、日本歴史学者。専攻は日本古代史、文化財史料学。奈良大学名誉教授東京国立博物館客員研究員、日本学士院会員博士(文学)東京大学)。紫綬褒章受章。

東野 治之
とうの はるゆき
文化功労者顕彰に際して
公表された肖像写真
生誕 (1946-12-20) 1946年12月20日(77歳)
日本の旗 兵庫県西宮市
居住 日本の旗 日本
国籍 日本の旗 日本
研究分野 歴史学
研究機関 奈良文化財研究所
奈良大学
大阪大学
出身校 大阪市立大学文学部卒業
大阪市立大学大学院
文学研究科修士課程修了
主な業績 漢字文化受容の実態の研究
法隆寺正倉院
銘文の研究
主な受賞歴 浜田青陵賞(1988年
角川源義賞2005年
毎日出版文化賞
(人文・社会部門)
2008年
プロジェクト:人物伝
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経歴

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1946年、兵庫県西宮市で生まれた。甲陽学院中学校・高等学校を卒業(46回卒業生)。甲陽学院中学時代からすでに漢文に親しみ、白文で読むことができたという。大阪市立大学文学部に進学し、1969年に卒業。同大学大学院文学研究科国史学専攻に進み、1971年に修士課程を修了した。

1970年から奈良文化財研究所文部技官として勤務。その後、奈良大学助教授に転じた。1982年、大阪大学教養部助教授に就任。1994年、同文学部教授に昇格。1993年、学位論文『日本古代木簡の研究』を東京大学に提出して文学博士の学位を取得[2][3][4]。1999年、奈良大学文学部文化財学科教授となった。学界では、2010年に日本学士院会員に選出された[5]。2017年に奈良大学を定年退職し、名誉教授となった。

受賞・叙勲歴

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研究内容・業績

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専門は日本古代史で、78世紀(飛鳥・奈良時代)のころを主な研究対象の時代としている。奈良文化財研究所木簡の研究にあたったことからも出土文献資料や古代遺跡に関連する著作も多い。専門のほかに論文「日記にみる藤原頼長の男色関係」のような視点の考察があり、これは五味文彦に先駆けるものである。

家族・親族

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著書

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単著

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  • 正倉院文書と木簡の研究』塙書房 1977
  • 『日本古代木簡の研究』塙書房 1983
    • オンデマンド版 2009年
  • 木簡が語る日本の古代』岩波新書 1983
    • 岩波同時代ライブラリー 1997年
  • 『遣唐使と正倉院』岩波書店 1992
  • 『書の古代史』岩波書店 1994
    • 新装版「岩波人文書セレクション」 2010年
  • 長屋王木簡の研究』塙書房 1996
    • オンデマンド版 2010年
  • 貨幣の日本史』朝日選書 1997
  • 『正倉院』岩波新書 1998
  • 遣唐使船 東アジアのなかで』朝日選書 1999
  • 『日本古代金石文の研究』岩波書店 2004
  • 『日本古代史料学』岩波書店 2005
  • 遣唐使』岩波新書 2007
  • 鑑真』岩波新書 2009
  • 『大和古寺の研究』塙書房 2011
  • 『史料学探訪』岩波書店 2015
  • 『史料学遍歴』雄山閣 2017
  • 聖徳太子 ほんとうの姿を求めて』岩波ジュニア新書 2017
  • 『聖徳太子と法隆寺』岩波書店 2023[9]
  • 『史料学散策』雄山閣 2023

共著・編著

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図録

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外部リンク

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脚注

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  1. ^ a b c d デジタル版 日本人名大辞典+Plus『東野治之』 - コトバンク
  2. ^ CiNii(学位論文)
  3. ^ 『現代日本人名録』日外アソシエーツ、2002年(原著1987年)。 
  4. ^ 東野 治之「日本古代木簡の研究」、東京大学、1993年3月22日、doi:10.11501/3095993NAID 500000109742 
  5. ^ 日本学士院(第1分科会員(文学・史学・哲学))
  6. ^ 『官報』号外第230号、令和2年11月4日
  7. ^ 秋の叙勲4100人 旭日大綬章に仲井真元沖縄知事ら”. 日本経済新聞 (2020年11月3日). 2023年1月17日閲覧。
  8. ^ “学者で平城宮跡保存に尽力、直木孝次郎さん死去”. 読売新聞 (読売新聞社). (2019年2月16日). https://www.yomiuri.co.jp/culture/20190216-OYT1T50290 2019年11月14日閲覧。 
  9. ^ 東野治之名誉教授の新刊2冊が刊行されました!(奈良大学)