柳川範之
柳川 範之(やながわ のりゆき、1963年4月23日[2] - )は、日本の経済学者。専門は金融契約、法と経済学。学位は、博士(経済学)(東京大学)。東京大学大学院経済学研究科教授。オリックス社外取締役[2]。
生誕 |
1963年4月23日(61歳) 埼玉県 |
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国籍 | 日本 |
研究機関 | 東京大学 |
研究分野 |
金融契約 法と経済学 |
母校 |
慶應義塾大学経済学部卒業 東京大学大学院経済学研究科修了 |
学位 |
博士(経済学)(東京大学) 経済学修士(東京大学) 経済学士 |
博士課程 指導教員 | 伊藤元重[1] |
他の指導教員 | 奥野正寛[1] |
受賞 | 第50回日経・経済図書文化賞(2007年) |
人物
編集埼玉県出身[3]。小学校4年から中学1年まで銀行員であった父親の都合によりシンガポールの日本人学校で学ぶ[4]。日本の公立中学校を卒業後、父親の転勤によりブラジルへ渡る[4]。ブラジルでは高校には通わず、日本から参考書や教科書を大量に買い込み独学で勉強をする[4]。日本へ帰国後、大学入学資格検定(大検)を受験[4]。後に父親の転勤により再びシンガポールへ渡り、慶應義塾大学経済学部の通信教育課程を現地で受講し[4]、学者になるという異色の経歴を持つ[5]。
『法と企業行動の経済分析』で日経・経済図書文化賞受賞[6]。
40歳定年制の提言
編集2012年、政府の国家戦略会議(議長は野田佳彦首相)の「フロンティア分科会」報告書で東京大学の柳川範之教授は、「40歳定年制」を提案した[8]。超少子高齢社会のもと労働力人口はさらに減少し、このままでは日本経済は縮小均衡すらままならない。経済再生・成長のためには、労働人口減少の抑制が最重要課題とし、その解決策として、「40歳定年制」を提言したという。
詳しくは、「日本成長戦略 40歳定年制」(柳川範之、著、さくら舎、2013年4月)を参照。
経歴
編集学歴
編集- 1983年 大学入学資格検定試験合格
- 1988年 慶應義塾大学経済学部通信教育課程卒業[9]
- 1991年 東京大学大学院経済学研究科修士課程修了
- 1993年 東京大学大学院経済学研究科博士課程修了(博士論文:「Economic Growth and International Trade」)
職歴
編集- 1993年 慶應義塾大学経済学部専任講師
- 1996年 東京大学大学院経済学研究科助教授
- 2007年 制度変更により東京大学大学院経済学研究科准教授
- 2011年 東京大学大学院経済学研究科教授
- 2022年 オリックス株式会社社外取締役
学会活動
編集- 2003年 法と経済学会 理事
- 2006年 日本応用経済学会 理事
- 2007年 総合研究開発機構 理事
- 事業再生実務家協会 常務理事
学外活動
編集著書
編集単著
編集- 『戦略的貿易政策-ゲーム理論の政策への応用』(有斐閣、1998)
- 『契約と組織の経済学』(東洋経済新報社、2000)
- 『法と企業行動の経済分析』(日本経済新聞出版社、2006)
- 『これからの金融がわかる本』(東洋経済新報社、2007)
- 『独学という道もある』(ちくまプリマ―新書、2009)
- 『元気と勇気が湧いてくる経済の考え方』(日本経済新聞出版社、2011)
- 『日本成長戦略 40歳定年制 経済と雇用の心配がなくなる日』(さくら舎、2013)
- 『40歳からの会社に頼らない働き方』(文芸春秋、2013)
- 『東大教授が教える独学勉強法』(草思社、2014)
- 『東大教授が教える独学勉強』(草思社文庫、2017)
- 『東大柳川ゼミで経済と人生を学ぶ (日経ビジネス人文庫) 』(日本経済新聞出版社、2015)
- 『東大教授が教える知的に考える練習』(草思社、2018)
- 『東大教授が教える知的に考える練習』(草思社文庫、2021)
- 『インフラを科学する―波及効果のエビデンス』(中央経済社、2018)
共著
編集- 『会社法の経済学』(東京大学出版会、1998 三輪芳朗、神田秀樹と共編著)
- 『ゲーム―駆け引きの世界 (東京大学公開講座)』(東京大学出版会、1999 蓮實重彦著者代表)
- 『不良債権って何だろう?』(東洋経済新報社、2002 柳川研究室と共編著)
- 『流動性の経済学―金融市場への新たな視点』(東洋経済新報社、2002 齋藤誠と共編著)
- 『ゲーム産業の経済分析―コンテンツ産業発展の構造と戦略』(東洋経済新報社、2003 新宅純二郎、田中辰雄と共編著)
- 『平成不況の論点 検証・失われた十年』(東洋経済新報社、2004 大竹文雄と共編著)
- 『経済学の進路―地球時代の経済分析』(慶應義塾大学出版会、2004 嘉治佐保子、白井義昌、津曲正俊と共編著)
- 『事業再生って何だろう?』(東洋経済新報社、2005 柳川研究室と共編著)
- 『経済の考え方がわかる本』(岩波ジュニア新書、2005 新井明、新井紀子、e-教室と共編著)
- 『フリーコピーの経済学―デジタル化とコンテンツ・ビジネスの未来―』(日本経済新聞出版社、2008 新宅純二郎と共著)
- 『公開会社法を問う』(日本経済新聞出版社、2010 宍戸善一、大崎貞和と共著)
- 『決断という技術』(日本経済新聞出版社、2012 水野弘道、為末大と共著)
- 『もし営業の桜庭が、経済学を学んだら』(日本経済新聞出版社、2013 原案・監修)
- 『別冊アステイオン 「災後」の文明』(CCCメディアハウス、2014 御厨貴、飯尾潤責任編集)
- 『ビジネスゲームセオリー 経営戦略をゲーム理論で考える』(日本評論社、2014 御立尚資と共著)
- 『現役東大生が教科書よりも役に立った100冊』(宝島社、2015 監修)
- 『東大教授が考えるあたらしい教養』(幻冬舎、2019 藤垣裕子と共著)
- 『管理職失格 新世代リーダーへの条件』(日本経済新聞出版、2020 木村尚敬と共著)
受賞
編集- 2007年 第50回日経・経済図書文化賞 『法と企業行動の経済分析』
脚注
編集- ^ a b 柳川範之1963-「Economic growth, international trade. / 経済成長と国際貿易」東京大学 学位論文 (経済学)、 甲第09822号、1993年、doi:10.11501/3095343、NAID 500000108828、NDLJP:3095343。
- ^ a b c “柳川 範之 - オリックス株式会社”. 2023年5月11日閲覧。
- ^ 『読売年鑑 2016年版』(読売新聞東京本社、2016年)p.349
- ^ a b c d e 柳川範之(日本語)『東大教授が教える独学勉強法』草思社、2014年、5-6頁。ISBN 978-4-7942-2064-6。
- ^ “中高年:社内失業ふせぐ 独学の時代がやってきた” (日本語). 毎日新聞 (毎日新聞社). (2015年1月13日). オリジナルの2015年1月13日時点におけるアーカイブ。 2016年1月16日閲覧。
- ^ “『日経・経済図書文化賞』受賞図書一覧” (PDF) (日本語). 過去の受賞図書. 日本経済研究センター. p. 1 (2010年11月3日). 2016年1月16日閲覧。
- ^ “オリックス - 異動ニュース” (日本語). 異動ニュース. (2022年6月24日) 2023年5月11日閲覧。
- ^ “ニューノーマル時代の「上司力」(23) もし「45歳定年」だったらあなたはどう働く? 部下をどう育てる?”. マイナビニュース (2022年3月16日). 2023年10月4日閲覧。
- ^ 東京大学大学院経済学研究科・経済学部の教員紹介より。柳川範之のウェブサイトのプロフィールでは「慶應義塾大学経済学部 通信教育課程卒業」と記載。なお、慶應義塾大学が発行する卒業証明書には「本塾大学経済学部を卒業」と記載されている。
- ^ 経済財政諮問会議の有識者議員等について
関連項目
編集外部リンク
編集- 柳川範之 - 東京大学大学院経済学研究科・経済学部
- 柳川範之のウェブサイト - 個人Webサイト
- 柳川範之のプロフィール - LIBERARY(リベラリー)
- 柳川範之 (@noriyanagawa) - X(旧Twitter)
- 柳川範之 (noriyuki.yanagawa.10) - Facebook
- 独学力―慶應通信から東大教授へ - 慶應義塾大学通信教育課程
- 東京大学大学院 柳川範之 「40歳でキャリアを見直せ」 早期定年制度の導入は是か非か 容認派 - 東洋経済オンライン(2021年12月03日)
- 柳川範之・東京大学教授がかつて掲げた「40歳定年制」の真の狙いとは?【朝倉祐介インタビュー】 - ダイヤモンドオンライン(2022年12月6日)
- 「40歳定年制」注目されて11年 「現状は当時より心配」と提唱者 - 朝日新聞デジタル(2023年8月2日)