滷肉飯、またルーローハンローバプンは、台湾の代表的なかけご飯。

滷肉飯
Lurou fan(Taiwanese cuisine).jpg
各種表記
繁体字 滷肉飯
簡体字 卤肉饭
拼音 lǔròu fàn
注音符号 ㄌㄨˇ ㄖㄡˋ ㄈㄢˋ
ラテン字 Lurou fan
発音: :ルーローファン
:ローバープン、
台湾語白話字 ló·-bah-pn̄g
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名称編集

本来の表記は「滷肉飯」であり、塩辛いにがりを指す「滷」の字の通り、醤油で煮込んだ豚肉のかけご飯を指す。

日本での「魯肉飯」という表記は中華街に伝わった際に、常用漢字に合ってなかったからという。そして中国語で全く同じ発音の「魯」を「滷」の宛字として扱われていた。しかしこの誤用は本場の台湾にも逆輸入され、特に人気夜市では日本人の観光客を招くためにわざと日本流の「魯肉飯」と表記する場合も多い[1]

定義編集

台湾北部と南部の方言差により、同じ「滷肉飯」と呼んでもやや異なる料理を指す。

高雄などの南部地域では、「滷肉飯」が角煮を細かく刻まずに、大きな肉塊のままで白飯に乗せる料理である。この料理は北部で「焢肉飯」「爌肉飯」「炕肉飯」と呼ばれる。一方、北部では「滷肉飯」が角煮を細かく刻んだものか、最初から煮込んだそぼろ肉を用いた料理である。この料理は南部では「肉燥飯」と呼ばれる[2]

特徴編集

 
鬍鬚張台北八德店

本来バラ肉など脂身を多く含んだ豚肉に、台湾式醤油米酒砂糖エシャロット・干しエビ八角などを材料として甘辛く煮込み、煮汁ごと台湾米と混ぜ込んだかけご飯である。

日本の牛丼親子丼のような単品の主食として食べる丼物では無く、日本の食堂のライスのように他の複数の惣菜と共に食べることが前提となっており、量的にも日本のより小ぶりなご飯茶碗で供される。台湾では庶民から親しまれており、ほとんどの食堂で提供されている料理である。

台湾の食文化を代表する料理として、政治的メッセージに使われることもある。「守護滷肉飯」(魯肉飯を守れ)は2018年、家畜伝染病ASF(アフリカ豚熱)の予防のために台湾政府が掲げた標語である[3]。もともとは大陸からの食肉類の持ち込み禁止を呼びかけるものであったが、総統蔡英文民進党はこれを「中国共産党の台湾への干渉を許すな」という意味合いのスローガンとして選挙などで用いるようになった[4]

作り方編集

レシピはさまざまで、一般的には醤油ベースで香辛料などを用いたタレに漬け込み、よく煮込んでゼラチン質を出した豚の角煮の細かいみじん切り、あるいは賽の目切りにした具を白飯にかける。

肉と共に、刻んだ高菜のような野菜シイタケ・八角・味付け玉子・肉味噌・モヤシ炒めなどの具材を共に添える。

店や各家庭によっては「秘伝のタレ」などとも呼ばれるタレに肉をつけ込んでから長時間煮込むことで、肉から溶け出たゼラチンコラーゲン)が独特な風味を生み、この風味が特徴となっている。作っては足して煮込み続け、何年も釜(鍋)を洗わないことを宣伝する店もある。

日本での発展編集

丼の情報発信サイト『うなぎ_STYLE』編集部主催の日本流行丼大賞選考委員会が選考を行い、2020年の『日本流行丼大賞』グランプリに「魯肉飯(ルーロウハン:台湾風豚角煮丼)」が選ばれた[5]

滷肉飯を看板料理に掲げる台湾の「鬍鬚張魯肉飯」は台湾の有名チェーン店。日本でも複数の店舗を一時期展開していたが、現在では石川県野々市市でのみ2店営業中。小売店や観光客向けの土産で缶詰やレトルトなどの商品も製造・販売されている。

日本においては上記店舗の他、ほか弁チェーン店や各社コンビニ弁当でのキャンペーン販売や具材レトルト商品として陳列販売されている。

似た料理編集

ルーローハンに似てる料理については、豚肉ではなく鶏肉を用いた「雞肉飯」や七面鳥の肉を用いた「火雞肉飯」など。

具材を飯の代わりに麺にかけたものを滷肉麺(ルーローミェン、ローバーミー)と呼ぶ。

台湾北部で「滷肉飯」と呼ばれる肉燥飯(バーソープン)はラードを含まない部位の肉で作ったそぼろ肉の煮込み「肉燥」を飯にかけた料理である。この肉燥は担仔麺などさまざまな料理にも乗っている。

大豆をひき肉に見立てたベジタリアン向け(素食)の滷肉飯もある。

脚注編集