災害ゴミ

災害によって生ずるゴミ(災害廃棄物)

災害ごみ(さいがいごみ)とは、災害後に出される不要物のこと。

道端の空き地に集積された災害ごみ(平成21年台風第9号後、兵庫県佐用町
人の身長以上の高さまで集積された災害ごみ(同上)
集積場からの搬出(平成30年7月豪雨後、広島県三原市

概要編集

災害ごみ(災害廃棄物)は、大規模な災害が都市などを直撃した際に、災害の衝撃やそれに伴う家屋の倒壊等によって壊れたものや、動作しなくなったものを廃棄したもので、災害のためのごみということで災害ごみと呼ばれる。災害の強力な破壊力によってもたらされるもので、家具家電などが主になるが、他にも衣類や食品容器などが放棄される。

また、その他に、災害の影響を受けたものの前から不要だったもの、建築廃材や鉄材石材など災害以前に不要であって影響を受けていないもの、外部などから持ち込まれる災害の影響を受けていないものも、災害廃棄物と一緒にされてしまうこともあり(いわゆる便乗ごみ)、復興時の問題になることも多い。

災害後の復興のためには、災害廃棄物を撤去することがまず必要となる。撤去された災害廃棄物を一度に処理することは困難であるため、一時的に仮置き場に集積され、順次処理されることになる。仮置き場に長期間災害ごみを野積みすると、周辺環境を汚染する恐れがあるため、迅速な処理が求められる。このため、災害廃棄物の処理は埋め立てやバッチ式の焼却(細かく破砕せずに処理できる)が大勢となることが多い。

日本編集

日本の環境省では「災害廃棄物」と定義している[1]

具体的な廃棄処理については環境省の管轄下から複数省庁が協力し、必要人員・機材を近隣自治体や都道府県に支援要請しつつ、処理費用の分担や処理完了までの期間見通しについて、県や国で協議を進めることが定められている[2]。また、この支援処理に関しては専門人員支援に特に重点を置いた官民合同のD.Waste-Net(災害廃棄物処理支援ネットワーク)が活用される[2][3]

分類・処理編集

コンクリート類、金属、土砂、津波堆積物などの廃棄物が混合した混合物とした上で、以下のように分類している[1]

可燃系混合物
混合物のうちで可燃性のもの[1]
可燃物の腐敗が進むと火災原因になる恐れがある[1]
不燃性混合物
がれき、陶磁器、ガラス類など[1]
木質系混合物
木造建築物の残骸など[1]
可燃系混合物と同じく可燃性であり、釘・金具など金属部品が付着状態の場合はそのままリサイクル出来ない[1]
コンクリート混合物
鉄筋コンクリート建造物の残骸など[1]
可燃物・鉄筋類が混合しておりリサイクルのためには破砕・分類が必要[1]
金属系混合物
鉄骨、鉄筋、金属サッシ、シャッター、機械類、家電リサイクル品目を除く家電製品など[1]
土砂系混合物
土砂崩れで発生する土砂、および津波、洪水に起因する土砂・砂泥堆積物など[1]
被災地域に応じて生活物質および有害物などが混入する[1]
津波堆積物
津波によって海底から巻き上げられ陸上に堆積するに至った土砂・泥状物[1]
処理困難物と呼ばれる化学物質および有害物を含む[1]

これらは仮置き場に一旦集積された後に、数回の分別・選別処理を経て焼却などの廃棄処理が行われる[1]。また、その廃棄物処理は効率的処理を目的として日本国内で複数市町村が処理ブロックまたは処理区として指定・設定される[1]

歴史編集

環境省資料によれば、1995年(平成7年)1月17日の阪神・淡路大震災における災害廃棄物の発生量は約1,500万トン、そして2011年(平成23年)3月11日の東日本大震災では約3,100万トンと推定している[4]

2015年(平成27年)9月の関東・東北豪雨災害においては茨城県常総市栃木県小山市で災害廃棄物が発生し前述の環境省D.Waste-Net所属技術職員が神奈川県横浜市および愛知県名古屋市より車両計14台と人員計69名が出動、収集・運搬を支援している[3]

今後の予測編集

首都直下地震では約6,500万 - 約1億1,000万トンが、南海トラフ巨大地震では約2億9,000万 - 3億5,000万トンの災害廃棄物が発生すると環境省は試算している[4]

脚注編集

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p "用語集". 環境省. 2019年5月13日閲覧
  2. ^ a b 環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部廃棄物対策課 (2016年3月31日). “災害廃棄物対策の基礎 (PDF)”. 環境省. p. 19. 2019年5月13日閲覧。
  3. ^ a b "D.Waste-Net(災害廃棄物処理支援ネットワーク)". 環境省. 2019年5月13日閲覧
  4. ^ a b 環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部廃棄物対策課 (2016年3月31日). “災害廃棄物対策の基礎 (PDF)”. 環境省. p. 9. 2019年5月13日閲覧。

関連項目編集

外部リンク編集