炎のロックンロール
「炎のロックンロール」(Keep Yourself Alive)は、イギリスのロックバンドクイーンの楽曲である。作詞・作曲はブライアン・メイ[1]。
「炎のロックンロール」 | ||||||||
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クイーン の シングル | ||||||||
初出アルバム『戦慄の王女』 | ||||||||
A面 |
炎のロックンロール ショウ・マスト・ゴー・オン(1991年盤) | |||||||
B面 |
サン・アンド・ドーター 谷間のゆり ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン 炎のロックンロール(1991年盤) | |||||||
リリース | ||||||||
規格 | 7インチシングル | |||||||
ジャンル | ハードロック | |||||||
時間 | ||||||||
レーベル |
EMI エレクトラ ワーナー・パイオニア/エレクトラ | |||||||
作詞・作曲 | ブライアン・メイ | |||||||
プロデュース |
ジョン・アンソニー ロイ・トーマス・ベイカー クイーン | |||||||
クイーン シングル 年表 | ||||||||
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EMIレコードは1973年7月6日に、エレクトラ・レコードはその3ヶ月後にデビューシングルとしてリリースした[2]。しかし、本作はほとんどラジオで放送されることなく、英米共にチャートインすることはなかった[3]。
2008年にローリング・ストーン誌が発表した「The 100 Greatest Guitar Songs of All Time」の31曲目に、本作が挙げられている[4]。
曲の制作
編集ジョン・ディーコンの加入前の1970年にインペリアル・カレッジ・ロンドンやフェリー・ロードの庭園で行なわれたリハーサルで、ブライアン・メイがアコースティック・ギターを弾きながら書いた曲である[5]。アルバム『世界に捧ぐ』リリース時のラジオの特別番組でメイが語ったところによると、彼らの考えを皮肉っぽく、からかい半分に書いた歌詞が、フレディ・マーキュリーの歌唱によって完成されたという。
1971年の夏にレコーディングが始まり、最初はディ・レーン・リー・スタジオで行われた。これはルイ・オースティンのプロデュースで、イントロはメイがアコースティック・ギターを弾いた。バースでのマーキュリーの受け答えするボーカル、ブレークでのテイラーとマーキュリーの呼応といった、曲の全体的要素はすでに出来ていた。このデモ・ヴァージョンは、メイのお気に入りテイクとなっている。
その後、トライデント・スタジオでの本番テイクにあたって、「魔法を取り戻す」様々な試みがなされた。その中でマイク・ストーンによるミックスが唯一受け入れられ、シングルに使用された。
この曲では、マーキュリーがすべてのコーラスを一人で(多重録音で)行っている。また、"Do you think you're better every day? - 日々進歩していると感じているかい"というフレーズをテイラー、 "No I just think I'm two steps nearer to my grave - いや、単に自分の墓に2歩近づいただけさ" というフレーズをメイが歌っている(初期ヴァージョンやライヴではマーキュリーが歌う部分である)。なお、このレコーディングでは、アコースティック・ギターは使用していない。EMIの歌詞カードには7本のエレクトリック・ギターのパートが挙げられており、そのうちの1本にはフェイズ・エフェクトがかけられている。
ライヴ・パフォーマンス
編集ディーコンを加えたクイーンは直ちにこの曲をライヴのセットリストに加えた。マーキュリーはこの曲を「当時のクイーンを語るのにぴったりの曲」だと語っている[6]。
1980年と1981年のツアーのセットリストに入り、この曲の前に即興のジャムを入れ、ドラム・ソロの後にはテイラーのティンパニ・ソロからメイのエコーのかかったギター・ソロへと移り、「ブライトン・ロック」のフィナーレかフラッシュ・ゴードンメドレー[注釈 1]へと続く。
その後、1984年の『ザ・ワークス』ツアーで古い曲のメドレー[注釈 2]の一部として使うまでは、この曲は演奏しなかった。
収録曲
編集オリジナル盤
編集- 炎のロックンロール - Keep Yourself Alive (May)
- サン・アンド・ドーター - Son and Daughter (May)
1975年盤(アメリカのみ)
編集- 炎のロックンロール - Keep Yourself Alive (May)
- 谷間のゆり - Lily of the Valley (Mercury)
- ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン - God Save the Queen (Arranged by May)
演奏
編集- フレディ・マーキュリー - リード・ボーカル、バッキング・ボーカル
- ブライアン・メイ - エレクトリック・ギター、リード・ボーカル(ミドルエイト)、バッキング・ボーカル
- ロジャー・テイラー - ドラムス、パーカッション、タンブリン、カウベル、リード・ボーカル(ミドルエイト)、バッキング・ボーカル
- ジョン・ディーコン - ベース
他者の使用
編集- イングヴェイ・マルムスティーンは1997年にカヴァーし、これはクイーンのトリビュートアルバム『クイーン・トリビュート〜ドラゴン・アタック〜』に収録された。
- イギリスのヘヴィ・メタルバンド、アイアン・メイデンはライヴでの「聖地へ」(アルバム『鋼鉄の処女』に収録)の間奏に、この曲のギターリフを使用している。
メディアでの起用
編集2016年から、トヨタ自動車のクロスオーバーSUV「C-HR」のCMソングに起用されており、キャッチフレーズもこの曲のタイトルにちなんだ、「KEEP YOURSELF ALIVE 走るなら、自分の道を。」となっている。
2018年に公開された映画『ボヘミアン・ラプソディ』では、フレディとジョンを迎えた初のライブでのシーンで使われている[7]。このシーンで使われた音源は、1974年3月31日にレインボー・シアターで行なったライヴの音源[注釈 3]で、フレディが「But if I crossed a million rivers, And I rode a million miles」というフレーズを「But if I rode a million rivers, And I crossed a million miles」と歌い間違っているように編集されている。
収録アルバム
編集脚注
編集注釈
編集- ^ 「宇宙戦争のテーマ」、「フラッシュのテーマ」、「ザ・ヒーロー」
- ^ 「愛にすべてを」、「キラー・クイーン」、「輝ける7つの海」、「ライアー」
- ^ ライブ・アルバム『ライヴ・アット・ザ・レインボー‘74』に収録。映画のサウンドトラック盤『ボヘミアン・ラプソディ (オリジナル・サウンドトラック)』にも収録されている。
出典
編集- ^ “クイーン、必聴の10曲はこれ 異論歓迎、記者が選んだ [ボヘミアン・ラプソディ特集”]. 朝日新聞デジタル (朝日新聞社) 2019年3月23日閲覧。
- ^ "QOL History—Queen". QueenOnline. Retrieved on 29 June 2009.
- ^ Rivadavia, Eduardo. "Keep Yourself Alive" song review. Allmusic. Retrieved on 29 June 2009.
- ^ “The top 100 guitar songs of all time”. Express.co.uk (Northern and Shell Media). (2008年6月8日) 2018年12月19日閲覧。
- ^ Hodkinson, Mark (2004). Queen: The Early Years (3rd edition ed.). Omnibus Press. ISBN 1-84449-012-2
- ^ RAM, 21 May 1976, p 17
- ^ “これが分かったら『ボヘミアン・ラプソディ』通!難問クイズを出演者が出題”. フロントロウ (株式会社オウトグラフ プロダクション). (2018年12月25日) 2019年3月23日閲覧。