10年桜

AKB48のメジャー11作目のシングル

10年桜」(じゅうねんざくら)は、日本の女性アイドルグループ・AKB48の楽曲。楽曲は秋元康により作詞、井上ヨシマサにより作曲されている。2009年3月4日にAKB48のメジャー11作目のシングルとしてキングレコードから発売された[注釈 1]。楽曲のセンターポジションは前田敦子松井珠理奈の2人が務めた。「十年桜」は、誤記。

10年桜
AKB48シングル
初出アルバム『神曲たち
A面 10年桜
B面 桜色の空の下で
リリース
規格 マキシシングル
ジャンル J-POP
時間
レーベル You, Be Cool!/KING RECORDS(通常盤)
NEW KING RECORDS(劇場盤)
作詞・作曲 秋元康(作詞)
井上ヨシマサ(作曲)
プロデュース 秋元康
ゴールドディスク
チャート最高順位
  • 週間3位(オリコン
  • 2009年3月度月間7位(オリコン)
  • 2009年度年間54位(オリコン)
  • 13位Billboard Japan Hot 100
  • 7位(Billboard Japan Hot Singles Sales)
  • 37位(Billboard Japan Hot Top Airplay)
  • 63位(Billboard Japan Adult Contemporary Airplay)
  • AKB48 シングル 年表
    大声ダイヤモンド
    (2008年)
    10年桜
    (2009年)
    涙サプライズ!
    (2009年)
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    概要 編集

    前作『大声ダイヤモンド』から約4か月半ぶりのリリースで、2009年のシングル第1弾。

    楽曲は「桜の花びらたち」に続く「桜ソング」のシリーズ第2弾。前作とは異なりアップテンポに仕上がっている。イントロは「仰げば尊し」をアレンジしたものになっている。

    楽曲の選抜メンバーにはAKB48のほか、その姉妹グループ・SKE48からも起用されている。楽曲のセンターポジションは前田敦子松井珠理奈の2人が務めた。

    選抜メンバーは前作と同じ20人で、初選抜は4期生の倉持明日香藤江れいな、そしてSKE48から松井玲奈の3人。4期生の倉持と藤江の2人は5期生より遅い初めての選抜メンバーとなった。松井玲奈はSKE48から2人目の選抜メンバーとなった。選抜復帰のメンバーはゼロで、前作の選抜メンバーのうち、秋元才加佐藤由加理、そして発売直前の2009年2月27日に卒業した川崎希の3人を除く17人が全員引き続き選抜入りした。

    また、発売後の2009年4月に卒業した大島麻衣にとっては、本作が最後のAKB48のシングル選抜入り表題曲となった。

    今回の楽曲の衣装は、ダークブルー青緑の2色を基調としたチェック柄。

    楽曲のシングル盤は「通常盤」と「劇場盤」の2種類があり、それぞれのレーベルはYou, Be Cool!/KING RECORDSNEW KING RECORDSとなっている。「劇場盤」は販路限定盤でサイト「キャラアニ」を通して発売された。「通常盤」のみ楽曲のミュージック・ビデオや特典映像を収録したDVDが付属している。また、特典として「通常盤」(初回プレスのみ)には全国握手会参加券またはプレゼント応募券のいずれか、「劇場盤」には握手会参加券および生写真(チームA・チームK・チームB・研究生・SKE48全員分よりランダムで1枚)が封入されている。

    キャッチコピーは「2019年、僕はどこで 何をしているのだろう?」。ニコニコ動画とのコラボレーションで「AKB48×ニコニコ動画 10年桜踊ってみたコンテスト」が2月18日から3月18日まで開催された[1]

    2013年11月9日に「誰かのために」プロジェクト気仙沼大島を慰問した際、「10年桜」と名前が付けられた桜の苗が、同地の復興を祈って渡辺麻友横山由依、佐々木優佳里、伊豆田莉奈大島涼花森川彩香の訪問した6名のメンバーによって植えられた[2]

    後日譚

    楽曲のリリースからちょうど10年後の2019年3月4日、前田敦子が第1子の出産を報告した(夫の勝地涼が公表)[3][4][5][注釈 2]

    また3月13日には、東京ドームシティラクーアガーデンステージ[注釈 3]で55thシングル『ジワるDAYS』発売記念イベントが開催され、AKB48の選抜メンバー6名が参加したミニライブで同曲も歌唱された[4]

    アートワーク 編集

    ジャケット写真のメンバー
    板野友美 大島麻衣 大島優子 小野恵令奈 河西智美 柏木由紀
    北原里英 倉持明日香 AKB48
    10年桜
    小嶋陽菜 指原莉乃
    篠田麻里子 高橋みなみ 藤江れいな 前田敦子
    松井珠理奈 松井玲奈 峯岸みなみ 宮崎美穂 宮澤佐江 渡辺麻友

    以上は、通常盤『10年桜』におけるジャケット写真のメンバー構成。


    ジャケット写真のメンバー
    通常盤 『10年桜』選抜メンバー全20名
    劇場盤 板野友美、大島麻衣、大島優子、小野恵令奈、小嶋陽菜、篠田麻里子、高橋みなみ、前田敦子、松井珠理奈、渡辺麻友

    チャート成績 編集

    AKB48として初めて、販売枚数が10万枚を超えた。オリコン週間チャートでは「大声ダイヤモンド」と並ぶ最高3位だった。

    前作『大声ダイヤモンド』(2008年10月発売)が3週間で4万枚の販売実績であったことを踏まえて今作は劇場盤の初回プレス3万枚が用意されたが、3月3日の発売から3日間で3万枚を売りあげ、劇場で品切れを起こす結果となった[6]

    ミュージック・ビデオ 編集

    楽曲のミュージック・ビデオの監督は「桜の花びらたち2008」「大声ダイヤモンド」に続き高橋栄樹が務めている。前作「大声ダイヤモンド」のビデオ同様、架空の「松岡女子高等学校」を舞台とするショートドラマ仕立てで、2009年の卒業式の日に、何も言わずスクールバスから去って行った生徒(高橋みなみ)が、別の生徒(前田敦子)宛に書き残した手紙の最後に記した「もし出来るなら、みんなが私のことを覚えていてくれたら、…10年後にまた会いましょう」という言葉に従って、10年後にあたる2019年に母校に集まろうとする数名の卒業生たちの姿を歌の前後に流し、歌の映像に卒業式の日の回顧シーン映像を織り交ぜるという形になっている。

    2019年設定部分の出演者は前述の前田敦子、高橋みなみの他に大島優子板野友美小嶋陽菜、渡辺麻友。演じた高橋自身が、自分の「役どころは謎」と語っているが、高橋監督によれば「やってる本人がちょっとわかんなかったりもする」状態に置くことにより「見てる人が自由に解釈できる」ようにしたという意図的なもので、「正解はない」という[7]

    ビデオは「大声ダイヤモンド」と同じ校名の設定ではあるが、前作とは異なり、静岡県西伊豆町の安良里(あらり)漁港・旧安良里小学校・西天城高原をロケ地に、2008年12月24日・25日の2日間にわたりPV撮影が行われた。メジャー作品としては日本で初めて、一眼レフカメラキヤノン EOS 5D Mark IIが使用された。

    メディアでの使用 編集

    楽曲は以下のメディアで使用されている。

    シングル収録トラック 編集

    通常盤 編集

    CD[8]
    #タイトル作詞作曲編曲時間
    1.10年桜秋元康井上ヨシマサ井上ヨシマサ
    2.桜色の空の下で秋元康上杉洋史野中“まさ”雄一
    3.「10年桜(off vocal ver.)」 井上ヨシマサ井上ヨシマサ
    4.「桜色の空の下で(off vocal ver.)」 上杉洋史野中“まさ”雄一
    合計時間:
    DVD[8]
    #タイトル作詞作曲・編曲監督
    1.「10年桜」  高橋栄樹
    2.「Making of 「10年桜」」   
    3.「特典映像1 永久保存版「キスして」映像」   
    4.「特典映像2 SKE48楽屋盗撮映像」   

    劇場盤 編集

    CD[9]
    #タイトル作詞作曲編曲時間
    1.10年桜秋元康井上ヨシマサ井上ヨシマサ
    2.桜色の空の下で秋元康上杉洋史野中“まさ”雄一
    3.「10年桜(off vocal ver.)」 井上ヨシマサ井上ヨシマサ
    4.「桜色の空の下で(off vocal ver.)」 上杉洋史野中“まさ”雄一
    合計時間:

    選抜メンバー 編集

    収録アルバム 編集

    脚注 編集

    注釈 編集

    1. ^ 配信限定シングル『Baby! Baby! Baby!』を含む。インディーズシングルを含めると通算13作目。
    2. ^ 同曲のミュージック・ビデオの10年後の設定では、前田ではなく大島優子が妊婦の役を務めていた[3]
    3. ^ 2009年3月29日、『10年桜』のリリースイベントが開催されたのと同じ場所である。
    4. ^ a b AKB48の姉妹グループ・SKE48から選抜。

    出典 編集

    1. ^ “AKB48「10年桜」を踊ってニコ動に投稿しよう”. 音楽ナタリー (ナターシャ). (2009年2月18日). https://natalie.mu/music/news/13551 2016年8月5日閲覧。 
    2. ^ AKB48が気仙沼に植えた“10年桜”の成長に感激。「凄く綺麗に育っていました」 Techinsightエンタがビタミン2015年8月24日
    3. ^ a b “前田敦子に「どんだけAKB48なんだよ」出産発表タイミングに大興奮の人々”. J-CASTニュース (ジェイ・キャスト). (2019年3月4日). https://www.j-cast.com/2019/03/04351766.html?p=all 2019年3月13日閲覧。 
    4. ^ a b “AKB48、10年ぶり“約束の地”に帰還 新曲&「10年桜」熱唱”. ORICON NEWS (oricon ME). (2019年3月13日). https://www.oricon.co.jp/news/2131443/full/ 2019年3月13日閲覧。 
    5. ^ “AKB48「10年桜」から“10年” メンバー達はどこで何をしているのだろう?”. モデルプレス (ネットネイティブ). (2019年3月4日). https://mdpr.jp/news/detail/1825451 2019年3月14日閲覧。 
    6. ^ “AKB48「10年桜」劇場盤が発売3日で品切れ”. 音楽ナタリー (ナターシャ). (2009年3月5日). https://natalie.mu/music/news/14074 2023年3月30日閲覧。 
    7. ^ 「Making of 10年桜」
    8. ^ a b AKB48 2009a
    9. ^ AKB48 2009b

    参考文献 編集

    • AKB48『10年桜』(通常盤)キングレコード、2009年3月4日。ASIN B001O9LFS2。KIZM-25/6。 
    • AKB48『10年桜』(劇場盤)キングレコード、2009年3月4日。ASIN B002M3C57O。NMAX-1080。 

    関連項目 編集

    外部リンク 編集