生きてるだけで、愛。

日本の小説、映画作品

生きてるだけで、愛。』(いきてるだけで、あい)は、本谷有希子による恋愛小説。雑誌『新潮』2006年6月号に掲載、前日譚である短編「あの明け方の」とあわせ同年7月31日新潮社から刊行された。2009年3月1日新潮文庫より文庫化されている。

生きてるだけで、愛。
著者 本谷有希子
発行日 2006年7月31日
発行元 新潮社
ジャンル 長編小説
恋愛小説
日本の旗 日本
言語 日本語
形態 四六判変型
ページ数 142
公式サイト shinchosha.co.jp
コード ISBN 978-4-10-301771-4
ISBN 978-4-10-137171-9文庫判
ウィキポータル 文学
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表題作が第135回芥川龍之介賞候補[1]、単行本が第20回三島由紀夫賞候補になる[2]

2018年に映画化[3]

解説 編集

内容は「恋愛小説らしくない恋愛小説」で、深い読後感が得られると絶賛された[要出典]

躁鬱病を抱え、過眠に悩まされている女の自立への過程も描かれており、“恋愛小説”という感じをあまりさせないが、新しい“愛”の姿が、作品全体で25歳の等身大で描かれている。

ストーリー 編集

生きてるだけで、愛。
「過眠」と「メンヘル」。母親譲りの躁鬱を繰り返す寧子(主人公)は、コンパのなり行きで同棲し始めた津奈木の部屋で暮らしていた。そこへ津奈木の元恋人が現れ、津奈木と別れるように要求され、寧子に“自立”を迫る。
あの明け方の

登場人物 編集

書誌情報 編集

映画 編集

生きてるだけで、愛。
監督 関根光才
脚本 関根光才
原作 本谷有希子『生きてるだけで、愛。』
製作 甲斐真樹
出演者 趣里
菅田将暉
田中哲司
西田尚美
松重豊
石橋静河
織田梨沙
仲里依紗
音楽 世武裕子
撮影 重森豊太郎
編集 田巻源太
制作会社 スタイルジャム
製作会社 『生きてるだけで、愛。』製作委員会
ハピネット
スタイルジャム
配給 クロックワークス
公開 2018年11月9日
上映時間 109分
製作国   日本
言語 日本語
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2018年11月9日公開。主演は趣里。映像ディレクターの関根光才が脚本、監督を担当し、本作が長編劇場映画のデビュー作となる[3][4]

腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』『乱暴と待機』に続き、本谷有希子の小説の3作目の映画化となる[4]

あらすじ 編集

躁鬱病で過眠症の寧子は毎日寝てばかりの引きこもり生活で、3年前に合コンで知り合った津奈木の家で居候のような同棲をしている。姉とのLINEのやり取りが唯一の世間とのつながりで、仕事も家事も出来ない日々を送っている。 一方の津奈木はゴシップ週刊誌の編集者で、元々小説家志望だった彼は仕事に嫌気が差しているが、不満を口にせず黙々と働き、寧子のために夕食の弁当を買って帰る日々である。 そんなある日、寧子の元に津奈木の元カノ・安堂が現れ、津奈木と復縁したいので寧子に別れてくれと言う。その上、寧子の社会復帰のため知り合いのカフェバーでのバイトを押し付けてきた。初めは不安一杯の寧子だったが、仲間の励ましを受け少しずつ周囲に心を開いていく。 同じ頃、多忙な上に仕事に愛想が尽きていた津奈木は、記事を巡る言い争いから会社をクビになってしまう。一方の寧子も、職場の仲間との些細な会話で噛み合わず「自分は皆と違う」そんな思いが爆発につながってしまう。 寧子は津奈木に電話をかけて、店のトイレを壊して外に飛び出し、駆け付けた津奈木の前を服を脱ぎながら全力疾走して、それを津奈木が追いかける。津奈木はマンションの屋上で全裸の寧子を捕まえた。 寧子は「私は他の誰よりも自分自身に疲れている。私は私と別れられないの」と津奈木に感情をぶつける。それに対し津奈木は「自分も気持ちをうまくコントロールできずに、感情を押し殺すことでやり過ごしてきた」と打ち明ける。そして津奈木に強く抱きしめられた寧子は「本当に分かり合えたこの一瞬で生きていける」と心で呟いた。

キャスト 編集

スタッフ 編集

受賞 編集

脚注 編集

  1. ^ 芥川賞-受賞作候補作一覧121-140回”. 芥川賞のすべて・のようなもの. 2018年2月5日閲覧。
  2. ^ 三島由紀夫賞”. 新潮社. 2018年2月5日閲覧。
  3. ^ a b “趣里、菅田将暉、仲里依紗ら出演、本谷有希子の小説「生きてるだけで、愛。」映画化”. 映画ナタリー (ナターシャ). (2018年2月5日). https://natalie.mu/eiga/news/268054 2018年2月5日閲覧。 
  4. ^ a b “趣里×菅田将暉×仲里依紗で本谷有希子の傑作小説映画化 「生きてるだけで、愛。」今秋公開”. 映画.com. (2018年2月5日). http://eiga.com/news/20180205/3/ 2018年2月5日閲覧。 
  5. ^ 高崎映画祭最優秀作品賞は塚本晋也監督「斬、」”. 産経ニュース (2019年1月9日). 2019年1月21日閲覧。
  6. ^ 日本アカデミー賞優秀賞発表 『カメラを止めるな!』『万引き家族』など5作品”. ORICON NEWS (2019年1月15日). 2019年1月21日閲覧。
  7. ^ 2019年受賞者”. おおさかシネマフェスティバル. 2019年3月26日閲覧。
  8. ^ “第73回毎日映画コンクール:日本映画大賞・優秀賞候補作決まる 秀作・力作、目白押し”. 毎日新聞. (2018年12月21日). https://mainichi.jp/articles/20181221/dde/010/200/020000c 2020年7月31日閲覧。 
  9. ^ OB重森豊太郎さんが第63回三浦賞を受賞!”. 日本映画大学 (2020年1月15日). 2021年3月16日閲覧。

外部リンク 編集