神割崎自然公園

宮城県石巻市の自然公園

神割崎自然公園(かみわりざきしぜんこうえん)は、宮城県石巻市北上町十三浜字石生地内にある自然公園である[1]2005年平成17年)4月1日に石巻市の条例によって設置された[2]。二つに割れて切り立ったである神割崎が所在し、近くには神割崎キャンプ場がある。

神割崎自然公園
Kamiwarizaki Natural Park
神割崎
分類 自然公園
所在地
宮城県石巻市北上町十三浜字石生地内
座標 北緯38度37分49秒 東経141度31分43秒 / 北緯38.63028度 東経141.52861度 / 38.63028; 141.52861座標: 北緯38度37分49秒 東経141度31分43秒 / 北緯38.63028度 東経141.52861度 / 38.63028; 141.52861
開園 2005年
運営者 石巻市
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神割崎 編集

神割崎は石巻市と南三陸町の境界に位置するで、海洋による侵蝕で二つに割れた奇岩の間に、波が入り込んでしぶきを上げる景勝地である[1][3]2月中旬および10月下旬頃の早朝には、二つの岩の間から日の出が見られる[4]日本の白砂青松100選の一つに選ばれている。南三陸金華山国定公園に含まれていた[5]が、2015年に三陸復興国立公園に編入された[6]

神割崎には以下のような伝説がある。

昔、村境を争っていた海岸に巨大なが打ち上げられ、二つの村が所有権を争った夜、地響きと共に岬は二つに割れ、神様が下した裁きだろうと考え、村境の争いが解決した。 —  宮城県のウェブサイト[7]より引用

『安永風土記』と通称される江戸時代の史料にも神割崎とそれにまつわる話が紹介されている。本吉郡長清水浜の御用書出に「神割崎」が登場し、本吉郡十三浜の御用書出には「神割石」が記されている。神割石は神割崎のさらに先にある岩を指していると考えられている[8]。どちらも、神割崎または神割石が互いの浜との境界にあるものとして述べ、村境の論争のさなかに神の力によって大岩が一夜にして割れたという話を紹介している。これには伝説上のクジラは登場しない[8][9][10]。また、『北上町史』によれば江戸時代にこれらの浜の間で境界を巡る争いはなかった[8]

明治時代になると土地の所有権や漁業権の発生から、それまで曖昧だった村の境界を決める必要が生じた。しかし、何度か話し合いの場が持たれたものの境界は決まらず、神割崎周辺は地元の二つの契約講の共同管理地となっていた。ここの境界が画定したのは1989年(平成元年)であり、おおむね江戸時代の風土記に書かれている境界に近いものになった[8]

周辺 編集

脚注 編集

  1. ^ a b 神割崎自然公園”(石巻市)2018年11月22日閲覧。
  2. ^ 石巻市神割崎自然公園条例
  3. ^ 『宮城県の地名』(日本歴史地名大系第4巻)691頁。
  4. ^ 神割崎”(南三陸町観光協会)2018年11月22日閲覧。
  5. ^ 南三陸金華山国定公園”. コトバンク. 2023年5月14日閲覧。
  6. ^ 三陸復興国立公園指定書及び公園計画書” (pdf). 環境省 (2015年3月31日). 2023年5月14日閲覧。
  7. ^ 宮城県
  8. ^ a b c d 『北上町史』通史編、626-629頁。
  9. ^ 十三浜御用書出(『宮城懸史』復刻版26、504頁に収録)
  10. ^ 長清水浜御用書出(『宮城懸史』復刻版26、510頁に収録)

参考文献 編集

  • 北上町史編さん委員会『北上町史』通史編 北上町、2005年。
  • 宮城懸史編纂委員会『宮城懸史』復刻版26(資料篇4)宮城懸史刊行会、1987年。
  • 平凡社地方資料センター『宮城県の地名』(日本歴史地名大系第4巻)平凡社、1987年。

外部リンク 編集