第1回コニカカップ
第1回コニカカップ・チャレンジ'92選手権大会は、1990年10月3日から11月23日まで開かれた日本サッカーリーグの大会である。優勝チームは読売サッカークラブ。
概要
編集日本サッカーリーグ(JSL)、天皇杯、JSLカップに続く「第4の大会」として創設されたコニカカップは、リーグ戦と並行して週2回の試合を行うことで日本サッカーの強化を図り、かつ1993年のJリーグ開幕を見据えて週2回の試合ペースに慣れることを目的としていた。
また、JSL1部の強豪と公式戦による試合を重ねることで各年代別日本代表チームの競技力向上を図ることも狙っていた。しかし、学生が主体のチームのため学校行事や所属チームの試合と重なるなど思うように選手を招集できず、交代選手不足はいつものことであった。なかでも、10月13日の五輪代表の試合と翌14日のユース代表の試合では、名良橋晃(フジタ)、木山隆之(筑波大)、上野良治(武南高)、京谷和幸(古河)の4選手が2日続けて試合出場する事態となった。結局、ユース代表はコニカカップでの準備不足もあって、試合運びのまずさによりアジアユースでB組3位に終わり、ワールドユース出場はならなかった。五輪代表は、アジア1次予選F組を首位で突破した。
大会名称
編集「チャレンジ'92」には、1992年に予定されていたプロ化(Jリーグ)や日本代表各カテゴリーの大会(アジアカップ、バルセロナ五輪等)への挑戦の意味が込められている。
レギュレーション
編集- JSL1部に所属する全12チームに、バルセロナ五輪出場を目指す五輪代表チーム(監督:山口芳忠)と1990年のアジアユースに出場するユース代表チーム(監督:永井良和)を加えた14チームを2グループに分け、1回戦総当たりの予選リーグを行う。
- 予選リーグでは、引き分けを廃止し、同点の場合は「5人方式」のPK戦により決着をつける。
- 勝ち点は、勝:3点、敗:0点とする。ただし、0対0のスコアによるPK勝ちは勝ち点2点とする。また、1試合につき2得点ごとにボーナス勝ち点1点を与える。
- 各グループの上位2チームが準決勝に進出する。
- 準決勝および決勝は1試合のみ。
グループリーグ
編集- 順位表の(B)はボーナス勝ち点、(※)は0-0からのPK合戦による勝利数
Aグループ
編集順位 | チーム名 | 勝点 | (B) | (※) | 勝 | 負 | 得点 | 失点 | 差 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | ヤマハ | 18 | 3 | 0 | 5 | 1 | 11 | 4 | 7 |
2 | 読売 | 16 | 4 | 0 | 4 | 2 | 12 | 3 | 9 |
3 | 松下 | 15 | 3 | 0 | 4 | 2 | 8 | 7 | 1 |
4 | 古河 | 12 | 1 | 1 | 4 | 2 | 6 | 4 | 2 |
5 | NKK | 9 | 1 | 1 | 3 | 3 | 4 | 6 | -2 |
6 | トヨタ | 4 | 1 | 0 | 1 | 5 | 5 | 8 | -3 |
7 | ユース代表 | 0 | 0 | 0 | 0 | 6 | 3 | 17 | -14 |
1990年10月3日 | ||||
NKK | 1-0 | ユース | 夜間 | 西が丘サッカー場 |
松下 | 2-1 | トヨタ | 夜間 | 神戸市立中央球技場 |
1990年10月7日 | ||||
読売 | 5-0 | ユース | 夜間 | 町田市立陸上競技場 |
トヨタ | 1-3 | ヤマハ | 夜間 | トヨタ東富士球技場 |
古河 | 0-0 (PK4-3) |
松下 | 夜間 | 秋津サッカー場 |
1990年10月10日 | ||||
トヨタ | 2-1 | ユース | 夜間 | トヨタ東富士球技場 |
ヤマハ | 0-0 (PK12-11) |
読売 | 夜間 | ヤマハ東山サッカー場 |
古河 | 1-0 | NKK | 夜間 | 西が丘サッカー場 |
1990年10月14日 | ||||
ヤマハ | 1-1 (PK3-2) |
古河 | 夜間 | ヤマハ東山サッカー場 |
NKK | 0-3 | 読売 | 夜間 | 香川県営サッカー場 |
松下 | 3-1 | ユース | 夜間 | 靱蹴球場 |
1990年10月17日 | ||||
古河 | 2-0 | ユース | 夜間 | 西が丘サッカー場 |
読売 | 1-0 | トヨタ | 夜間 | 西が丘サッカー場 |
松下 | 1-1 (PK4-2) |
ヤマハ | 夜間 | 神戸市立中央球技場 |
1990年10月20日 | ||||
NKK | 3-0 | 松下 | 夜間 | 綾瀬市民スポーツセンター |
1990年10月21日 | ||||
読売 | 2-1 | 古河 | 夜間 | 秋津サッカー場 |
ヤマハ | 4-1 | ユース | 夜間 | ヤマハ東山サッカー場 |
1990年10月24日 | ||||
読売 | 1-2 | 松下 | 夜間 | 西が丘サッカー場 |
トヨタ | 0-0 (PK4-5) |
NKK | 夜間 | トヨタ東富士球技場 |
1990年10月31日 | ||||
古河 | 1-1 (PK3-0) |
トヨタ | 夜間 | 秋津サッカー場 |
ヤマハ | 2-0 | NKK | 夜間 | 草薙総合公園球技場 |
Bグループ
編集順位 | チーム名 | 勝点 | (B) | (※) | 勝 | 負 | 得点 | 失点 | 差 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 全日空 | 20 | 5 | 0 | 5 | 1 | 10 | 4 | 6 |
2 | 東芝 | 16 | 4 | 0 | 4 | 2 | 11 | 9 | 2 |
3 | 三菱 | 13 | 1 | 0 | 4 | 2 | 6 | 4 | 2 |
4 | 日産 | 12 | 3 | 0 | 3 | 3 | 9 | 6 | 3 |
5 | 本田 | 8 | 1 | 2 | 3 | 3 | 4 | 5 | -1 |
6 | ヤンマー | 6 | 0 | 0 | 2 | 4 | 4 | 9 | -5 |
7 | 五輪代表 | 2 | 2 | 0 | 0 | 6 | 6 | 13 | -7 |
1990年10月3日 | ||||
三菱 | 2-0 | 五輪 | 夜間 | 西が丘サッカー場 |
ヤンマー | 0-0 (PK 1-3) |
本田 | 夜間 | 神戸市立中央球技場 |
全日空 | 2-1 | 東芝 | 夜間 | 三ツ沢球技場 |
1990年10月6日 | ||||
東芝 | 0-1 | 三菱 | 夜間 | 等々力緑地陸上競技場 |
1990年10月10日 | ||||
本田 | 2-2 (PK5-4) |
五輪 | 本田技研都田サッカー場 | |
ヤンマー | 0-2 | 全日空 | 水口スポーツの森サッカー場 | |
1990年10月13日 | ||||
東芝 | 4-3 | 五輪 | 綾瀬市民スポーツセンター | |
1990年10月14日 | ||||
本田 | 0-0 (PK2-4) |
三菱 | 遠州灘海浜公園球技場 | |
日産 | 2-0 | 全日空 | 長崎県営総合運動公園陸上競技場 | |
1990年10月17日 | ||||
全日空 | 2-0 | 三菱 | 夜間 | 三ツ沢球技場 |
日産 | 3-1 | ヤンマー | 夜間 | 三ツ沢球技場 |
本田 | 1-1 (PK1-3) |
東芝 | 本田技研都田サッカー場 | |
1990年10月20日 | ||||
ヤンマー | 1-1 (PK4-3) |
三菱 | 岡山県陸上競技場 | |
日産 | 0-0 (PK2-3) |
本田 | 三ツ沢球技場 | |
1990年10月21日 | ||||
全日空 | 2-0 | 五輪 | 町田市立陸上競技場 | |
1990年10月24日 | ||||
全日空 | 2-1 | 本田 | 夜間 | 西が丘サッカー場 |
三菱 | 2-1 | 日産 | 夜間 | 三ツ沢球技場 |
1990年10月31日 | ||||
東芝 | 3-1 | ヤンマー | 夜間 | 三ツ沢球技場 |
日産 | 2-1 | 五輪 | 夜間 | 平塚競技場 |
1990年11月7日 | ||||
東芝 | 2-1 | 日産 | 夜間 | 平塚競技場 |
ヤンマー | 1-0 | 五輪 | 夜間 | 神戸総合運動公園ユニバー記念競技場 |
準決勝
編集1990年11月14日 | ||||
読売 | 5-0 | 全日空 | 夜間 | 草薙総合公園球技場 |
ヤマハ | 2-1 | 東芝 | 夜間 | 西が丘サッカー場 |
決勝
編集表彰
編集- 優勝:賞金3000万円
- 準優勝:賞金1000万円
- 3位:1チームにつき賞金500万円
- フェアプレー賞
- 最優秀選手賞
表彰名 | 選手名 | 所属チーム |
---|---|---|
最優秀選手賞 | ラモス瑠偉 | 読売 |
大会得点王 | 中山雅史(6得点) | ヤマハ |
- フェアプレー賞
- 東芝
参考文献
編集- 1991-1992JSLイヤーブック(日本サッカーリーグ、1991年)ISBN 4-523-31033-5
- 日本サッカーリーグ全史(日本サッカーリーグ、1993年)