美しき人生」 (英語: What Is Life) は、ジョージ・ハリスンが1970年に発表した楽曲。1971年2月15日にシングルカットされた。1970年に発売されたアルバム『オール・シングス・マスト・パス』からの第2弾シングルとしてB面に「アップル・スクラッフス」を収録して1971年2月にアメリカで発売された。イギリスでは既にシングル盤『マイ・スウィート・ロード』のB面として発表されていたため、イギリスではリリースされなかった。

美しき人生
ジョージ・ハリスンシングル
初出アルバム『オール・シングス・マスト・パス
A面 マイ・スウィート・ロード(イギリス盤)
B面 アップル・スクラッフス(イギリス盤を除く)
リリース
規格 7インチシングル
ジャンル
時間
レーベル アップル・レコード
作詞・作曲 ジョージ・ハリスン
プロデュース
チャート最高順位
ジョージ・ハリスン シングル 年表
マイ・スウィート・ロード
(1970年)
美しき人生
(1971年)
バングラ・デッシュ
(1971年)
ミュージックビデオ
「What Is Life」 - YouTube
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ハリスンが短期間で一気に書き上げた楽曲で、当初はビリー・プレストンに提供される予定だった[4]

1972年オリビア・ニュートン=ジョンによってカバーされ、全英シングルチャートで最高位16位を獲得した。

レコーディング編集

本作のレコーディングは、1970年5月下旬にアビー・ロード・スタジオで開始され、同スタジオでから6月上旬まで作業が行われた[5][6]。当時ハリスンはアルバム『オール・シングス・マスト・パス』の制作を行っていたが、当時のアビー・ロード・スタジオでは4トラック・レコーダーしか設置されていなかったことから制作が難航していた。その後8月下旬にトライデント・スタジオへ移り、9月までオーバー・ダビングが行われた[7]ケン・スコットレコーディング・エンジニアとして携わっていて、スコットは「途方もない作業だったけど、ジョージとの仕事はとても楽しかった。音を重ねては没にして、重ねては没にして…そんなことを繰り返してやっと完成した。」と振り返っている[4]。レコーディングには、エリック・クラプトンボビー・ウィットロック英語版カール・レイドル英語版ジム・ゴードン英語版ジム・プライス英語版らが参加した[8]

またピッコロトランペットオーボエも録音されたが、ミキシングの段階で外された。これについてハリスンは「今となっては目新しく聞こえるけど、曲の雰囲気に合わなくて使わなかった。」と語っている[4]2001年に発売された『オール・シングス・マスト・パス〜ニュー・センチュリー・エディション〜』では、この曲のインストゥルメンタル・ヴァージョンがボーナス・トラックとして収録され、そこではピッコロトランペットとオーボエも含まれている。

曲の構成編集

本作は、ジョージによるファズを効かせた下降するギターリフから始まり、カール・レイドル英語版によるベースエリック・クラプトンによるリズムギターの後にジム・ゴードン英語版によるドラムスが加わり、フルバンドのセクションに入るという構成になっている[9][10]。ヴァースでは、ゴードンがモータウンサウンドを彷彿させるビートを刻んでいる[11]

コーラス部分では「私の気持ちをどう言っていいのかわからない/でも愛はいつだってあなたのためにある/教えて、あなたの愛なしの人生って何?/あなたのそばにいない私って誰?」というフレーズを繰り返している。このフレーズについて音楽評論家の間では、「(当時のハリスンの妻である)パティ・ボイドへ向けたもの」と見なす者や[12]、「ロング・ロング・ロング」などハリスンが書いた多数の楽曲に見られるような神への賛歌と見なす者がいた[13]

リリース編集

本作は、1970年11月27日に発売された3枚組LP盤『オール・シングス・マスト・パス』のB面1曲目に収録された[14][9]。この当時よりアップル・レコードのアメリカ事業のマネジメントを担当していたアラン・スティックラーは、「シングルとして発売すれば、ヒットするのでは?」という可能性を示していた[9]

1971年1月15日にイギリスでシングル盤『マイ・スウィート・ロード』にB面曲として収録され、1971年2月15日にアメリカでB面に「アップル・スクラッフス」を収録してシングル・カットされた。アメリカで発売されたシングル盤は、3月末のBillboard Hot 100チャートで最高位10位を獲得し[3]キャッシュボックス誌が発表した音楽チャートでは最高位7位を獲得した[15]

ミュージック・ビデオ編集

2014年にボックス・セット『アップル・イヤーズ 1968-75英語版』を発売するにあたり、ハリスンの未亡人のオリビア・ハリスン英語版とその息子のダーニ・ハリスンは、本作のミュージック・ビデオ・コンテストを開催した。優勝者には5000ドルの賞金が用意され、選出されたミュージック・ビデオは、公式のミュージック・ビデオとしてハリスンのYouTubeチャンネルで公開された。11月にオリビアとダーニの両名により、ジム・ゴードン英語版に在籍するエマ・ルビノウィッツとエステバン・ヘルナンデスによるパフォーマンス映像が優勝作品として選出された[16][17][18]

演奏編集

※出典[9][10]

カバー・バージョン編集

美しき人生
オリビア・ニュートン=ジョンシングル
初出アルバム『オリビア
B面 マイ・オールド・マンズ・ゴット・ア・ガン
リリース
ジャンル 3分21秒
レーベル パイ・インターナショナル
作詞・作曲 ジョージ・ハリスン
プロデュース
チャート最高順位
  • 週間18位(アイルランド、IRMA)[19]
  • 週間16位(イギリス、UK Singles)[20]
オリビア・ニュートン=ジョン シングル 年表
イフ・ノット・フォー・ユー
(1971年)
美しき人生
(1972年)
カントリー・ロード (故郷へ帰りたい)
(1973年)
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1971年にロニー・アルドリッチ英語版がアルバム『Love Story』で、本作をカバーした[21]。同年にはザ・ベンチャーズもカバー・バージョンがアルバム『New Testament』に収録されて発表されたほか[22]ライホ・トリオ英語版のヴェイッコ・ライホとして知られるオリヴァーによるカバー・バージョン「Mikä Saa Ihmisen Elämään」がシングル盤として発表された。

1972年オリビア・ニュートン=ジョンが本作のカバー・バージョンを発表した。オリビア・ニュートン=ジョンによるカバー・バージョンは、1972年3月11日付の全英シングルチャートで初登場47位を獲得した後に[23]、4月8日付の同チャートで最高位16位を獲得した[20]。後に発表されたコンピレーション・アルバム『オリビア・ニュートン・ジョン・スーパー・ベスト 1971-1992英語版』(1992年)や『[[ オリビア〜ベスト・オブ・オリビア・ニュートン・ジョン]]』(2002年)にも収録された。

1992年ニコラ・シルキス英語版によるカバー・バージョンがアルバム『Dans La Lune ...』に収録されて発表された。

1999年ショーン・マリンズ英語版によるカバー・バージョンがシングル盤として発表され、映画『ビッグ・ダディ』のエンディングテーマとして使用された[24]

2002年に発売されたトリビュート・アルバム『Gentle Guitar Dreams』でザ・コレクターズによってカバーされ、2003年に発売されたトリビュート・アルバム『George Harrison Remembered: A Touch of Class』でジョゼフ・ブレズニカルによってカバーされた。その後、2004年ニール・モーズ2005年レス・フラドキン英語版によってカバーされた。

メディアでの使用編集

映画編集

脚注編集

[脚注の使い方]

出典編集

  1. ^ 45cat - George Harrison - What Is Life / Apple Scruffs - Apple - USA - 1828
  2. ^ Go-Set Australian charts”. Go-Set (1971年5月8日). 2020年4月20日閲覧。
  3. ^ a b The Hot 100 Chart”. Billboard. Prometheus Global Media, LLC. (1971年3月27日). 2020年4月20日閲覧。
  4. ^ a b c “ジョージ・ハリスンの「What Is Life(邦題:美しき人生)」”. uDiscoverJP (ユニバーサルミュージック). (2019年5月27日). https://www.udiscovermusic.jp/stories/george-harrison-asks-big-question 2020年4月20日閲覧。 
  5. ^ Madinger, Chip; Easter, Mark (2000). Eight Arms to Hold You: The Solo Beatles Compendium. Chesterfield, MO: 44.1 Productions. p. 429. ISBN 0-615-11724-4 
  6. ^ Badman, Keith (2001). The Beatles Diary Volume 2: After the Break-Up 1970–2001. London: Omnibus Press. p. 10. ISBN 0-7119-8307-0 
  7. ^ Madinger, Chip; Easter, Mark (2000). Eight Arms to Hold You: The Solo Beatles Compendium. Chesterfield, MO: 44.1 Productions. p. 427, 429. ISBN 0-615-11724-4 
  8. ^ Leng, Simon (2006). While My Guitar Gently Weeps: The Music of George Harrison. Milwaukee, WI: Hal Leonard. p. 95-96, 97-98, 99. ISBN 1-4234-0609-5 
  9. ^ a b c d Spizer, Bruce (2005). The Beatles Solo on Apple Records. New Orleans, LA: 498 Productions. p. 222. ISBN 0-9662649-5-9 
  10. ^ a b Leng, Simon (2006). While My Guitar Gently Weeps: The Music of George Harrison. Milwaukee, WI: Hal Leonard. p. 87. ISBN 1-4234-0609-5 
  11. ^ Leng, Simon (2006). While My Guitar Gently Weeps: The Music of George Harrison. Milwaukee, WI: Hal Leonard. p. 88. ISBN 1-4234-0609-5 
  12. ^ Clayson, Alan (2003). George Harrison. London: Sanctuary. p. 298. ISBN 1-86074-489-3 
  13. ^ Dale C. Allison Jr. (2006). The Love There That's Sleeping: The Art and Spirituality of George Harrison. New York, NY: Continuum. p. 158. ISBN 978-0-8264-1917-0 
  14. ^ Castleman, Harry; Podrazik, Walter J. (1976). All Together Now: The First Complete Beatles Discography 1961–1975. New York, NY: Ballantine Books. p. 94. ISBN 0-345-25680-8 
  15. ^ Spizer, Bruce (2005). The Beatles Solo on Apple Records. New Orleans, LA: 498 Productions. p. 231. ISBN 0-9662649-5-9 
  16. ^ Genero.tv ‘What is Life’ Winner Announced”. georgeharrison.com. 2020年4月20日閲覧。
  17. ^ Dancers in Yellow Frolic Around the Woods in the Official Video for the George Harrison’s ‘What Is Life’”. Laughing Squid. 2020年4月20日閲覧。
  18. ^ George Harrison (2016年11月29日). George Harrison - What Is Life (Official Music Video). https://www.youtube.com/watch?v=fiH9edd25Bc 2020年4月20日閲覧。 
  19. ^ "Search by Artist > Olivia Newton-John", irishcharts.ie (2020年4月20日閲覧).
  20. ^ a b Official Singles Chart Top 50(02 April 1972 - 08 April 1972)”. Official Charts Company (1972年4月8日). 2020年4月20日閲覧。
  21. ^ Love Story/The Way We Were - Ronnie Aldrich|Songs, Reviews, Credits - オールミュージック. 2020年4月20日閲覧。
  22. ^ New Testament - The Ventures|Songs, Reviews, Credits - オールミュージック. 2020年4月20日閲覧。
  23. ^ Official Singles Chart Top 50(05 March 1972 - 11 March 1972)”. Official Charts Company (1972年3月11日). 2020年4月20日閲覧。
  24. ^ Big Daddy - Original Soundtrack|Songs, Reviews, Credits - オールミュージック. 2020年4月20日閲覧。