親学推進協会(おやがくすいしんきょうかい)は、日本一般財団法人高橋史朗が唱える「親学」[3][4]

親学推進協会
団体種類 一般財団法人
設立 2006年12月21日[1]
所在地 日本の旗 日本東京都港区南青山2丁目2番15号 ウィン青山1403
北緯35度40分18秒 東経139度43分26秒 / 北緯35.67167度 東経139.72389度 / 35.67167; 139.72389座標: 北緯35度40分18秒 東経139度43分26秒 / 北緯35.67167度 東経139.72389度 / 35.67167; 139.72389
法人番号 3010005013811 ウィキデータを編集
主要人物 理事長高橋史朗
活動内容 親学基礎講座・親学アドバイザー認定講座の開催[2]
親学講演会の開催[2]
保護者対象勉強会への親学アドバイザー派遣[2]
親学研修会の開催[2]
ウェブサイト http://www.oyagaku.org/
解散 2022年
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親学はそもそもPHPの教育改革の中で「親学アドバイザー」の配置という形で提唱されたものであり、また親学の関連書の多くがPHP研究所から出版されていることから、PHPとの関係が強い[5]。その内容は非科学的で復古主義的な情緒主義が強いとの指摘もある。

なお、 高橋の主張・造語とは別の系列で「親学」という発想、名称が同時発生的に存在しており、自治体でいえば愛知・大分・大阪・奈良などは高橋氏が活動を始める前から「親学」の名前を出していたという[6]


2022年に解散[7]

役員 編集

現時点での構成は、当該法人のウェブページで確認することができる。[8] [9]

会長 編集

理事長 編集

理事・監事 編集

顧問 編集

評議員 編集

特別委員 編集

影響 編集

大阪市における騒動
大阪市において大阪維新の会が、「家庭教育支援条例」案を提出した際に高橋の助言を受けて条文を検討、作成した事があった[10][11]。この条例案は、医師や発達障害児の保護者から、内容が「学術的根拠がない」「偏見を増幅する」[11][12]との批判を受け、維新の会代表である大阪市長橋下徹も、批判に同調しつつ条例案に否定的なコメントを述べたため、維新の会大阪市議団はいったん謝罪[13]、その後、この条例案を撤回した[11]
埼玉県教育委員会への影響
埼玉県では、2017年に選ばれた教育委員5名のうち2名を「親学推進協会」関係者が占めた[14]

批判 編集

  • 東京新聞は、非科学的であり、障害者への差別・誤解を生むとする批判があると報じた[15]。また、親学を一つの思想的運動体と見るならば、親学の実践やプログラムは、ある意味で寄せ集めと指摘される[5]
  • 左巻健男の書籍「学校に入り込むニセ科学」によれば下記の批判が記述されている。

親学でもっとも問題なのは、脳科学にもとづいているとして提唱する次の考えである。 (1)発達障害は親の養育の失敗で発生する障害である (2)伝統的子育てにより発達障害は予防できる この親学の考えは、脳科学評論家としてマスコミで活躍している澤口俊之が唱える「発達障害の発現は後天的なものであり予防治療が可能だ」という、「発達障害は先天的なものだ」という標準的な医学とはまったく反対の考えをもとにしている。[16]

脚注 編集

  1. ^ 歩み”. 一般財団法人 親学推進協会. 2017年9月7日閲覧。
  2. ^ a b c d 事業内容”. 一般財団法人 親学推進協会. 2017年9月7日閲覧。
  3. ^ 親学について - 親学推進協会について:親学推進協会-親が変われば、子どもも変わる-
  4. ^ 菅野 完「日本会議の研究」第212巻、昭和女子大学近代文化研究所、2016年5月。 
  5. ^ a b 友野清文「「親学」と「誕生学」をめぐって」『学苑』第943巻、扶桑社新書、2019年5月、1-14頁。 
  6. ^ 今更聞けない「親学(おやがく)」~画一化を尊び多様性を卑下する名古屋市教育委員会の「親学」について調べてみたらわかったこと
  7. ^ 一般財団法人親学推進協会の解散に関するご報告とお詫び、親学推進協会、2022年。
  8. ^ 評議員、会長、理事・監事 - 親学推進協会について:親学推進協会-親が変われば、子どもも変わる-”. oyagaku.org. 2021年4月17日閲覧。
  9. ^ 顧問・特別委員 - 親学推進協会について:親学推進協会-親が変われば、子どもも変わる-”. oyagaku.org. 2021年4月17日閲覧。
  10. ^ 林由紀子 (2010年5月2日). “家庭教育支援条例案:虐待防止狙い 維新の会、提案へ”. 毎日新聞. http://mainichi.jp/area/news/20120502ddn041010009000c.html 2012年5月8日閲覧。 
  11. ^ a b c “維新の会、条例案提出を撤回 「偏見助長」など批判受け”. 朝日新聞. (2012年5月7日). http://www.asahi.com/national/update/0507/OSK201205070092.html 2012年5月7日閲覧。 
  12. ^ 林由紀子 (2010年5月7日). “大阪維新の会:家庭教育支援条例案に批判続々”. 毎日新聞. http://mainichi.jp/select/news/20120507k0000e010106000c.html 2012年5月7日閲覧。 
  13. ^ 「親の愛情不足で発達障害」 維新市議団が条例案文面を謝罪 ジェイ・キャスト2012年5月7日
  14. ^ 埼玉県立高の男女別学、広島市出身の教育長「びっくり」、朝日新聞、2017年7月13日
  15. ^ 東京新聞 「『親学』考 非科学と時代錯誤の家族観 推進議連に閣僚ずらり」2014年9月6日
  16. ^ 左巻健男「学校に入り込むニセ科学」(平凡社新書0925)”. 2019年11月15日閲覧。

関連項目 編集

外部リンク 編集