計呂地駅
計呂地駅(けろちえき)は、かつて北海道(網走支庁)紋別郡湧別町字計呂地に設置されていた、日本国有鉄道(国鉄)湧網線の駅(廃駅)である。電報略号はケロ。事務管理コードは▲122402[3]。
計呂地駅 | |
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旧・計呂地駅舎(2009年5月) | |
けろち Kerochi | |
◄志撫子仮乗降場 (1.2 km) (2.7 km) 浜床丹仮乗降場► | |
所在地 | 北海道紋別郡湧別町字計呂地 |
所属事業者 | 日本国有鉄道(国鉄) |
所属路線 | 湧網線 |
キロ程 | 16.5 km(中湧別起点) |
電報略号 | ケロ |
駅構造 | 地上駅 |
ホーム | 1面2線 |
開業年月日 | 1935年(昭和10年)10月20日[1] |
廃止年月日 | 1987年(昭和62年)3月20日[1] |
備考 |
湧網線廃線に伴い廃駅 仮乗降場との距離は実キロ |
歴史
編集- 1935年(昭和10年)10月20日:鉄道省湧網西線、中湧別駅 - 当駅間の開通に伴い、開業[1]。一般駅[1]。
- 1936年(昭和11年)10月17日:当駅 - 中佐呂間駅(後の佐呂間駅)間の延伸開通に伴い、中間駅となる。
- 1949年(昭和24年)6月1日:公共企業体である日本国有鉄道に移管。
- 1953年(昭和28年)10月22日:中湧別駅 - 網走駅間全通により路線名を湧網線に改称、それに伴い同線の駅となる。
- 1958年(昭和33年)11月30日:駅舎改築[4]。
- 1972年(昭和47年)2月8日:貨物・荷物の取り扱いを廃止[5][4]。
- 1977年(昭和52年)10月4日:副本線である4番線を撤去[4]。
- 1987年(昭和62年)3月20日:湧網線の全線廃止に伴い、廃駅となる[1]。
駅名の由来
編集当駅が所在していた地名より。地名は、アイヌ語の「ケイ・ラツ」(サケの皮で作った靴を忘れた所)、「ケレオチ」(非常に削られた所)など、由来には諸説ある[6]。
駅構造
編集廃止時点で、1面2線の島式ホームを有する地上駅で、列車交換が可能な交換駅であった[7]。駅舎側(東側)が下り線、外側(西側)が上り線となっていた(番線表示なし)。そのほか、上り線の外側に側線(副本線)を1線有していた[7]。
国鉄末期の営業近代化において、当駅は営業成績的には無人化の対象であったが、当駅での行き違いを行う都合から職員配置駅となっており[4]、駅舎は構内の南東側に位置しホーム南側とを結ぶ構内踏切で連絡した[7]。ホームは砂利敷きであった[7]。
利用状況
編集乗車人員の推移は以下のとおり。年間の値のみ判明している年については、当該年度の日数で除した値を括弧書きで1日平均欄に示す。乗降人員のみが判明している場合は、1/2した値を括弧書きで記した。
年度 | 乗車人員 | 出典 | 備考 | |
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年間 | 1日平均 | |||
1978年(昭和53年) | 43 | [4] |
駅周辺
編集駅跡
編集旧駅構内は1989年(平成元年)5月から、湧別町により「湧別町計呂地交通公園」として整備された[10]。駅舎、レール、ホームが保存され、ホームに横付けする形でC58形蒸気機関車C58 139号機と[11]、それに連結して国鉄の旧型客車であるスハ45形スハ45 6、オハ62形客車オハ62 91が静態保存・展示されている[12]。車輌は1999年(平成11年)時点では野ざらしだったが[12]、2010年(平成22年)時点では車輌が保存されている部分には屋根が設けられており[13]、保存状態は良い[14]。スハ45は車内がカーペットが敷きに改装され、宿泊施設となっている[10]。
駅舎は現役当時のまま[10]で、鉄道資料室及び公園管理棟となっている。舎内に駅名標、行先標、閉塞器、通標、備品、乗車券、時刻表などの湧網線関連資料が保存・展示されている[10]。駅横には湧網線開通の経緯が記載された「鉄道記念碑」が建立されている[14]。なお、敷地内には現役当時は存在しなかった跨線橋が設置されている[10]。
以上は2010年(平成22年)時点[13]、2011年(平成23年)時点でも同様の状況であった[14]。
また、2011年(平成23年)時点では当駅跡から浜床丹仮乗降場方の、計呂地川までの線路跡には土留め用にレールや枕木が再利用されていた築堤が残存していた[14]。
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C58 139
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スハ45 17(文献にはスハ45 6と記載)
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オハ62 91
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全景
隣の駅
編集脚注
編集- ^ a b c d e 石野哲 編『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 II』(初版)JTB、1998年10月1日、915頁。ISBN 978-4-533-02980-6。
- ^ 1948年撮影航空写真(国土地理院 地図・空中写真閲覧サービス)
- ^ 日本国有鉄道営業局総務課 編『停車場一覧 昭和41年3月現在』日本国有鉄道、1966年、243頁。doi:10.11501/1873236 。2023年3月21日閲覧。
- ^ a b c d e 藤田, 稔 編『国鉄全駅大事典』藤田書店、1980年4月30日、909頁。doi:10.11501/12065814 。
- ^ “日本国有鉄道公示第570号”. 官報. (1972年2月8日)
- ^ 太田幸夫『北海道の駅878ものがたり 駅名のルーツ探究』富士コンテム、2004年2月、168頁。ISBN 978-4893915498。
- ^ a b c d e f g 宮脇俊三 編『国鉄全線各駅停車1 北海道690駅』原田勝正、小学館、1983年7月、160頁。ISBN 978-4093951012。
- ^ 工藤裕之『北海道廃止ローカル線写真集 追憶の鉄路』北海道新聞社、2011年12月、163頁。ISBN 978-4894536197。
- ^ a b c d 『北海道道路地図 改訂版』地勢堂、1980年3月、19頁。
- ^ a b c d e 白川淳 編『全国保存鉄道III 東日本編』JTBパブリッシング〈JTBキャンブックス〉、1998年10月、56頁。ISBN 978-4533030963。
- ^ 日比政昭『蒸気機関車完全名鑑』 166巻(ビジュアル改訂版)、廣済堂出版〈廣済堂ベストムック〉、2011年1月、42頁。ISBN 978-4331801697。
- ^ a b 宮脇俊三 編『鉄道廃線跡を歩くVI』JTBパブリッシング〈JTBキャンブックス〉、1999年3月、31-32頁。ISBN 978-4533031502。
- ^ a b 今尾恵介 編『新 鉄道廃線跡を歩く1 北海道・北東北編』JTBパブリッシング、2010年3月、52-53頁。ISBN 978-4533078583。
- ^ a b c d 本久公洋『北海道の鉄道廃線跡』北海道新聞社、2011年9月、100頁。ISBN 978-4894536128。
関連項目
編集外部リンク
編集- 計呂地交通公園|施設情報|湧別町 - 湧別町による紹介ページ。
- 計呂地交通公園|湧別町観光協会 - 湧別町観光協会による紹介ページ。