2001年のインディ・レーシング・リーグ・シリーズ

2001年のインディ・レーシング・リーグ・シリーズ
前年: 2000 翌年: 2002

2001年のインディ・レーシング・リーグ・シリーズは、インディカー・シリーズの6年目のシーズンとなる。

CART有力チームのインディ500参戦がこの年も増え、チーム・ペンスキーチーム・グリーン(この年はマイケル・アンドレッティのみ)が新たに参戦(ペンスキーは開幕戦フェニックスにもテスト参戦)。またチップ・ガナッシ・レーシングは当時CARTルーキーで経験という壁があったブルーノ・ジュンケイラニコラス・ミナシアンのCARTレギュラーに加え、前年でチームを離れたジミー・バッサーNASCARに転向していたトニー・スチュワートをスポット起用し4台体制でインディ500に臨んだ。

結果、この年もCARTからの参戦組であるペンスキーのエリオ・カストロネベスがインディ500デビューウィンを果たした。しかし、ホームステッド/マイアミやゲートウェイなどCARTで開催されていたオーバルコースがこの年からIRLで開催されるようになるなど、変化を見せ始めた勢力図を察知したペンスキーは翌シーズンからチームのCART撤退とIRLフル参戦を発表したのだった。

その他のトピックとしては、

  • 服部茂章が日本人初のIRLフル参戦を果たしたが、上位にはなかなか上がれず、インディ500では予選落ちを喫した
  • 女性ドライバーのサラ・フィッシャーが第2戦のホームステッド/マイアミで2位に入る健闘を見せるが、こちらもそれ以外では上位にあがることはなかった
  • 前々シーズンチャンピオンのグレッグ・レイは1勝をあげるがそれ以外のレースは服部やフィッシャーにも及ばない結果となり、シーズン途中でチームを解雇された
  • そのレイの代わりにメナードのドライバーとなったジャック・ラジアーが第12戦シカゴランドで初勝利。兄のバディ・ラジアーと共に兄弟での優勝者誕生となった。
  • オールズモビル・オーロラブランドで参戦していたGMは、オールズモビルのブランド名消滅が決定したことにより翌年からシボレーブランドでの参戦となった

2001年の開催スケジュールと結果 編集

Rd レース サーキット 開催地 開催日 優勝者 チーム シャシー/エンジン
1   Pennzoil Copper World Indy 200 フェニックス・インターナショナル・レースウェイ アリゾナ州フェニックス 3月18日 サム・ホーニッシュJr. パンサー ダラーラ/オーロラ
2   Infiniti Grand Prix of Miami ホームステッド=マイアミ・スピードウェイ フロリダ州ホームステッド 4月8日 サム・ホーニッシュJr. パンサー ダラーラ/オーロラ
3   zMax 500 アトランタ・モーター・スピードウェイ ジョージア州ハンプトン 4月29日 グレッグ・レイ メナード ダラーラ/オーロラ
4   85th Indianapolis 500 インディアナポリス・モーター・スピードウェイ インディアナ州スピードウェイ 5月27日 エリオ・カストロネベス ペンスキー ダラーラ/オーロラ
5   Casino Magic 500 テキサス・モーター・スピードウェイ テキサス州フォートワース 6月9日 スコット・シャープ ケリー ダラーラ/オーロラ
6   Radisson Indy 200 パイクス・ピーク・インターナショナル・レースウェイ コロラド州ファウンテン 6月17日 バディ・ラジアー ヘメルガーン ダラーラ/オーロラ
7   SunTrust Indy Challenge リッチモンド・インターナショナル・レースウェイ バージニア州リッチモンド 6月30日 バディ・ラジアー ヘメルガーン ダラーラ/オーロラ
8   Ameristar Casino Indy 200 カンザス・スピードウェイ カンザス州カンザスシティ 7月8日 エディ・チーバー チーバー ダラーラ/インフィニティ
9   Harrah's 200 ナッシュビル・スーパースピードウェイ テネシー州レバノン 7月21日 バディ・ラジアー ヘメルガーン ダラーラ/オーロラ
10   Belterra Resort Indy 300 ケンタッキー・スピードウェイ ケンタッキー州スパータ 8月12日 バディ・ラジアー ヘメルガーン ダラーラ/オーロラ
11   Gateway Indy 250 ゲートウェイ・インターナショナル・レースウェイ イリノイ州マディソン 8月26日 アル・アンサーJr. ガレス Gフォース/オーロラ
12   Delphi Indy 300 シカゴランド・スピードウェイ イリノイ州ジョリエット 9月2日 ジャック・ラジアー メナード ダラーラ/オーロラ
13   Chevy 500 テキサス・モーター・スピードウェイ テキサス州フォートワース 10月6日 サム・ホーニッシュJr. パンサー ダラーラ/オーロラ
  オーバル
  市街地/特設コース
  ロード

2001年の参戦チーム・ドライバー 編集

チーム シャシー エンジン タイヤ No ドライバー 出場ラウンド
  A.J.フォイト・レーシング ダラーラ ニッサン・インフィニティ F 11   グレッグ・レイ 13
オールズモビル・オーロラ   ドニー・ビーチラー 7-12
41 4
14   エリセオ・サラザール 全戦
84   ロビー・ゴードン 4-6
  ベック・モータースポーツ ダラーラ オールズモビル・オーロラ F 98   ビリー・ボート 全戦
  ブループリント・レーシング Gフォース オールズモビル・オーロラ F 27   ジョン・ホランズワースJr. 2
  ジム・ガスリー 4
  ブラッドレー・モータースポーツ ダラーラ オールズモビル・オーロラ F 12   バズ・カルキンズ 全戦
  ブレイトン・エンジニアリング ダラーラ オールズモビル・オーロラ F 37   ミーモ・ギドリー 4
61   スティーヴ・ナップ 4
  バード・モータースポーツ Gフォース オールズモビル・オーロラ F 77   ジャック・ラジアー 4
  カーヒル・レーシング ダラーラ オールズモビル・オーロラ F 10   ロビー・マギー 1-5, 8-13
11   ジャック・ミラー 3
  チーバー・レーシング ダラーラ ニッサン・インフィニティ F 32   スコット・グッドイヤー 4
51   エディ・チーバー 全戦
  ディック・サイモン・レーシング ダラーラ オールズモビル・オーロラ F 7   ステファン・グレゴリー 1-3
07   ロベルト・ゲレーロ 4
Gフォース 90   リン・セント・ジェームズ 4
  ドレイヤー&レインボールド・レーシング Gフォース ニッサン・インフィニティ F 24   ロビー・ブール 全戦
  ガレス・レーシング Gフォース オールズモビル・オーロラ F 3   アル・アンサーJr. 全戦
25   ケイシー・メアーズ (R) 4
31 1-4
32   ディディエ・アンドレ (R) 全戦
  ガナッシ・レーシング Gフォース オールズモビル・オーロラ F 33   トニー・スチュワート 4
44   ジミー・バッサー 4
49   ニコラ・ミナシアン 4
50   ブルーノ・ジュンケイラ 4
  ヘメルガーン・レーシング ダラーラ オールズモビル・オーロラ F 91   バディ・ラジアー 全戦
92   クリス・メニンガ (R) 11-13
  スタン・ワットルズ 1-3
94 4
  ヘリテージ・モータースポーツ Gフォース ニッサン・インフィニティ F 35   ジェフ・ワード 13
オールズモビル・オーロラ 1-7, 9-12
36   ステファン・グレゴリー 4
  インディ・レージェンシー・レーシング Gフォース オールズモビル・オーロラ F 16   コリー・ウィザーリル (R) 3-4
  ケリー・レーシング ダラーラ オールズモビル・オーロラ F 8   スコット・シャープ 全戦
28   マーク・ディスモア 全戦
  マコーマック・モータースポーツ Gフォース オールズモビル・オーロラ F 30   ブランドン・アーウィン (R) 1-3, 5
  ジミー・カイト 4
  Mi・ジャック・コンクエスト・レーシング ダラーラ オールズモビル・オーロラ F 34   ローレン・レドン (R) 12-13
  パンサー・レーシング ダラーラ オールズモビル・オーロラ F 4   サム・ホーニッシュJr. 全戦
  PDMレーシング ダラーラ オールズモビル・オーロラ F 6   ジェレット・シュローダー 5, 7
9 1-4, 8
  ペンスキー・レーシング ダラーラ オールズモビル・オーロラ F 66   ジル・ド・フェラン 1, 4
68   エリオ・カストロネベス 1, 4
  レーシング・プロフェッショナルズ Gフォース オールズモビル・オーロラ F 18   ジョン・ハーブ (R) 12-13
  サム・シュミット・レーシング Gフォース オールズモビル・オーロラ F 44   アンソニー・ラザロ (R) 11
99 13
ダラーラ   デイヴィー・ハミルトン 1-5
  リッチー・ハーン 6, 12
  ジャック・ラジアー 7-10
  アレックス・バロン 11
  チーム・クール・グリーン ダラーラ オールズモビル・オーロラ F 18   マイケル・アンドレッティ 4
  チーム・メナード ダラーラ オールズモビル・オーロラ F 2   グレッグ・レイ 1-10
  ジャック・ラジアー 11-13
  チーム・エクストリーム・レーシング Gフォース オールズモビル・オーロラ F 77   ジャック・ラジアー 5-6
88   アイルトン・ダーレ 全戦
  トレッドウェイ・ハバード・レーシング Gフォース オールズモビル・オーロラ F 5   アリー・ルイエンダイク 4
  リック・トレッドウェイ (R) 10, 12-13
21   フェリペ・ジアフォーネ (R) 全戦
  ラウル・ボーセル 4
  トライ・スター・モータースポーツ ダラーラ オールズモビル・オーロラ F 6   ジョン・ハーブ (R) 2-4, 8
  タイス・カールソン 10, 12-13
60 4
  ヴァーテックス・カニンガム・レーシング Gフォース オールズモビル・オーロラ F 55   服部茂章 全戦
  ウォーカー・レーシング ダラーラ オールズモビル・オーロラ F 15   サラ・フィッシャー 全戦
  ザリ・レーシング Gフォース オールズモビル・オーロラ F 81   ビリー・ロウ 5-13
  ジョン・ポールJr. 4
  全戦出場ドライバー
  スポット参戦ドライバー
  ランキング対象外

ポイントランキング 編集

トップチームのパンサーに抜擢されたホーニッシュJr.が開幕2連勝のあとは安定して上位に入り、勝利数では上回ったバディ・ラジアーをも大差で引き離し、チャンピオンに輝いた。

順位 ドライバー PHO
 
HOM
 
ATL
 
IND
 
TX1
 
COL
 
RIC
 
KAN
 
NAS
 
KEN
 
GAT
 
CHI
 
TX2
 
ポイント
1   サム・ホーニッシュJr. 1 1 4 14 3 2 2 2 6 3 3 2 1 503
2   バディ・ラジアー 3 20 6 18 4 1 1 5 1 1 13 11 17 398
3   スコット・シャープ 4 8 2 33 1 8 5 17 5 2 8 25 2 355
4   ビリー・ボート 5 13 14 9 5 4 18 9 2 6 6 12 12 313
5   エリセオ・サラザール 2 3 5 7 7 14 12 7 11 15 17 18 4 308
6   フェリペ・ジアフォーネ 6 4 10 10[1] 2 7 11 4 8 8 20 10 21 304
7   アル・アンサーJr. 23 6 17 30 8 11 3 20 14 4 1 8 6 287
8   エディ・チーバー 19 9 24 26 12 6 13 1 15 21 4 3 18 261
9   バズ・カルキンズ 9 16 3 12 15 15 10 13 9 16 22 9 10 242
10   アイルトン・ダーレ 13 23 9 8 19 5 15 6 17 20 9 19 7 239
11   ジェフ・ワード 7 5 7 24 16 12 8 Wth 20 10 7 4 24 238
12   ロビー・ブール 11 24 20 15 21 3 9 21 13 9 5 22 3 237
13   服部茂章 13 15 8 NQ 10 NL 14 8 7 7 15 21 16 215
14   マーク・ディスモア 25 7 26 16 10 13 6 11 16 22 2 17 23 205
15   ドニー・ビーチラー 25 6 16 7 3 10 5 14 5 204
16   ロビー・マギー 8 12 21 11 14 10 4 18 10 20 14 196
17   ジャック・ラジアー 22 9 17 19 18 3 12 16 1 20 195
18   グレッグ・レイ 22 21 1 17 11 18 NL 14 18 13 8 193
19   サラ・フィッシャー 17 2 11 31 18 10 17 12 19 19 11 24 25 188
  ディディエ・アンドレ 27 10 13 NQ 17 19 4 16 21 11 12 13 15 188
21   ビリー・ロウ 13 20 20 22 12 14 23 23 22 101
22   ジェレット・シュローダー 26 14 19 20 23 16 15 77
23   ジョン・ハーブ 25 16 27 19 15 9 70
24   エリオ・カストロネベス 18 1 64
25   リック・トレッドウェイ 17 14 5 59
26   デイヴィー・ハミルトン 12 19 17 23 24 54
27   リッチー・ハーン NQ 9 6 50
28   ジル・ド・フェラン 24 2 46
29   ローレン・レドン 7 11 45
30   ブランドン・アーウィン 14 17 27 NQ 22 40
31   ケイシー・メアーズ 20 11 23 NQ 36
  スタン・ワットルズ 16 26 12 NQ 36
  クリス・メニンガ 19 16 19 36
34   マイケル・アンドレッティ 3 35
35   ステファン・グレゴリー 21 22 15 28 34
36   ジミー・バッサー 4 32
37   ブルーノ・ジュンケイラ 5 30
38   アンソニー・ラザロ 18 13 29
39   トニー・スチュワート 6 28
40   コリー・ウィザーリル 22 19 19
41   アリー・ルイエンダイク 13 17
42   タイス・カールソン 15 NQ 15
43   ジョン・ホランズワースJr. 18 12
44   アレックス・バロン 21 9
  ロビー・ゴードン 21 9
46   ジャック・ミラー 25 5
47   ニコラ・ミナシアン 29 1
  スコット・グッドイヤー 32 1
-   ラウル・ボーセル NL[1] 0
-   ミーモ・ギドリー NQ 0
-   ロベルト・ゲレーロ NQ 0
-   ジム・ガスリー NQ 0
-   ジミー・カイト NQ 0
-   スティーヴ・ナップ NQ 0
-   ジョン・ポールJr. NQ 0
-   リン・セント・ジェームズ NQ[2] 0
順位 ドライバー PHO
 
HOM
 
ATL
 
IND
 
TX1
 
COL
 
RIC
 
KAN
 
NAS
 
KEN
 
GAT
 
CHI
 
TX2
 
ポイント
結果
金色 優勝
銀色 2位
銅色 3位
4位・5位
水色 6位-10位
青灰色 完走
(11位以下)
リタイヤ
(Ret)
予選落ち
(DNQ)
茶色 撤退
(Wth)
失格
(DSQ)
スタートせず
(DNS)
空欄 欠場
(DNP)
エントリーせず
注釈など
太字 ポールポジション
斜字 ファステストラップ
* 最多リードラップ
(3ポイント)
ルーキーオブザイヤー
ルーキー

優勝から10位までは順に50-40-35-32-30-28-26-24-22-20のポイントが与えられ、それ以下は1ポイントずつ減少し(29位以下はすべて1ポイント)、最多リードラップに2ポイントのボーナスポイントを総合しタイトルが争われた。

順位 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 VL
ポイント 50 40 35 32 30 28 26 24 22 20 19 18 17 16 15 14 13 12 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 1 1 1 1 2

参照 編集

  1. ^ a b Indianapolis 500-Mile Race”. Rauzulu's Street - Racing Database. 2011年7月21日閲覧。

関連項目 編集

外部リンク 編集