AN/SPS-67
AN/SPS-67は、アメリカ合衆国のノルデン(現在のノースロップ・グラマン)社が開発した2次元レーダー。アメリカ海軍において対水上捜索用レーダーとして広く配備されており、高精度の水上捜索能力を持つほか、限定的ながら低空警戒/目標追尾能力を有する。
「ポール・ハミルトン」搭載のAN/SPS-67(V)3 | |
種別 | 2次元レーダー |
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目的 | 捜索・捕捉 |
開発・運用史 | |
開発国 | アメリカ合衆国 |
就役年 | 1984年 |
送信機 | |
形式 | マグネトロン |
周波数 | Cバンド(5.45〜5.825 GHz) |
パルス幅 | 0.25/1.3マイクロ秒 |
パルス繰返数 | 750, 1,200, 2,400 pps |
送信尖頭電力 | 280 kW |
アンテナ | |
形式 | リニアアレイ型 ※(V)2以降 |
アンテナ利得 | 30 dB |
ビーム幅 | 1.5×12° |
走査速度 | 19 rpm |
方位角 | 全周無制限 |
仰俯角 |
12°(-67(V)1) 31°(-67(V)2, (V)3) |
探知性能 | |
探知距離 | 104 km (56 nmi) |
AN/SPS-67は、AN/SPS-10の後継として開発されており、いわばそのソリッドステート版となっているため、初期型では共通のアンテナを使用していた。マグネトロンはAN/SPS-55と共通化されている。本機は、将来レーダー用として策定された共通電子モジュール(SEM)を導入した初のレーダーであり、平均故障間隔(MTBF)は、SPS-10の150時間から600時間に延伸された[1]。
雨天や海面の波への電波反射(sea clutter)に対しても高い精度を発揮し、海面に浮くブイも探知可能である。
派生型
編集- AN/SPS-67(V)1
- 初期型。AN/SPS-10の後継として開発され、AN/SPS-10のアンテナを流用する。
- AN/SPS-67(V)2
- アンテナをリニアアレイ型の棒状アンテナに換装し、索敵・標的捕捉時の精度を向上させた型。
- AN/SPS-67(V)3
- デジタル式自動標的検出(ATD:Automatic Target Detection)機能や捜索中追尾(TWS)機能、移動目標識別(MTI)機能を追加された改良型。
- アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦にのみ装備される。
- AN/SPS-67(V)4
- 詳細不明。
- AN/SPS-67(V)5
- -67(V)3の改良型。
- 商用オフザシェルフ(COTS:Commercial-Off-The-Shelf)を取り入れ、従来型のシンセサイザー拡張モジュールを排して、VME(Versa Module Eurocard)ベースのCOTS方式新型プロセッサーを搭載した、シグナルプロセッサーユニットに換装する[2]。