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ルイス・アンド・クラーク級貨物弾薬補給艦

補給艦(ほきゅうかん)は、他の艦船に対して燃料武器弾薬を補給するための海軍の艦艇のこと。兵站面において、長期間の艦隊行動を支える艦船である。

目次

概要編集

大量の補給物資を搭載するための大型の艦船であり、物資搭載・移送のためのクレーンなどを装備している。

他の艦船への物資補給には、ハイライン装置、インホール・アウトホール装置やスライディング駆動装置などを、また、洋上給油にはスパンワイヤ装置、サドルワイヤ装置等の補給艦特有の装置を用いて洋上で補給物資の移送を行う。ヘリコプターを用いた貨物移送(VERTical REPlenishment:VERTREP)も重視されつつある。

また、戦闘艦艇に追随するための高い速力を発揮できるものもある。

補給艦と同様に他の艦艇に食料や燃料、弾薬等の物資を補給する艦としては、潜水母艦駆逐艦母艦水雷母艦掃海母艦などの母艦(イギリス英語Depot shipアメリカ英語:Tender)が存在するが、これらの艦種は補給を受ける相手(潜水艦駆逐艦水雷艇高速戦闘艇掃海艇など)の船体の大きさや形状などにより航行しながらの洋上補給が困難な事と、補給相手の艦の乗組員に自艦内部の休養設備を提供するため、波の穏やかな泊地などで補給相手の艦と接舷し停泊状態で補給を行う。

分類編集

以下の表に記載された分類と艦種識別符号は、アメリカ海軍を例とする。
イギリス海軍NATO式のペナント・ナンバーでは、補給艦は全種類がA(Auxiliary ship:補助艦艇)の艦種識別符号を付与される。

艦種識別符号
(米海軍式)
艦種 概要
AC 給炭艦
Collier
石炭を運搬、補給するための艦。民間の石炭船を流用する例も多い。
石炭を燃料とする艦艇の消滅に伴い、給炭艦も消滅した。
AE 給兵艦
Ammunition ship
主に武器弾薬類を運搬、補給するための艦。
AF 給糧艦
Stores ship
主に冷凍・冷蔵品を中心とする食糧を運搬、補給するための艦。
大日本帝国海軍の給糧艦「間宮」「伊良湖」「野崎」「鞍崎」「杵埼型」はいずれも、英語版ウィキペディアではFood supply ship(直訳:食糧供給艦)に分類されている。
AFS 戦闘給糧艦
Combat stores ship
上記の給糧艦(AF)の発展型で、食糧のほかに日用品や各種消耗品、艦艇や航空機の予備部品など、武器弾薬類を除いたドライカーゴ全般を運搬、補給するための艦。
AKE 貨物弾薬補給艦
Advanced Dry Cargo Ship
上記の戦闘給糧艦(AFS)と給兵艦(AE)を統合した艦。弾薬や食料、予備部品、日用品などドライカーゴ全般を運搬、補給可能。
AO 給油艦
Fleet oiler /
Fleet replenishment oiler
石油燃料を運搬、補給するための艦。少量のドライカーゴを運搬・補給することも可能。
民間の石油タンカーを徴用・チャーター・買取によって取得した上で改造する例も多い。
AOE 高速戦闘支援艦
Fast combat support ship
上記の給油艦(AO)、戦闘給糧艦(AFS)、給兵艦(AE)を統合した艦で、全種類の補給物資を1隻で運搬、補給することが可能。
また、大出力の機関を搭載することにより最高25ノットの高速が出せるため、艦隊行動への随伴も容易となっている。
AOR 洋上艦隊給油艦
Replenishment oiler
上記の高速戦闘支援艦(AOE)に近い性格の艦であるが、より低速(最高20ノット)である。

洋上補給の方法編集

洋上補給編集

洋上補給は、ハイラインとも呼ばれている。

ハイラインとは、元来は索につけられた名称であるが、それが転じて洋上で艦同士が航行しながら人員、物資の移送を行う作業をいう。

洋上補給の代表的な方法は次のとおりである。

マニラ・ハイライン法
艦艇間に索を渡し、張った索に人員を乗せた籠や物品を吊り下げて行う方法。比較的容易に人員・補給品の移載ができる。
改ハウスホール法
インホール、アウトホールの2本の索で軽量トロリを吊り下げて補給品移載を行う方法。軽量トロリの移動は補給艦側でインホール又はアウトホールを巻き出し、巻き込みを行う事により行われる。
ストリーム法
改ハウスホール法にハイライン索を追加した方法。ハイライン索をラム・テンショナーにより調定された一定の張力で自動管制し、トロリを補給艦側のウィンチで自動管制する。

洋上給油編集

 
USSジュノー (LPD-10)」に洋上給油を行う「HMASシリウス (O 226)

給油艦と艦船の間に並走しながらパイプを連結し給油するが、その洋上給油にはストリーム法とクローズイン法が有る。

専門の給油艦や補給艦のみならず、広いスペースを利用して原子力空母も僚艦に洋上給油を行なう事がある。強襲揚陸艦ヘリコプター揚陸艦)から機雷戦指揮艦に転じた「インチョン」は、掃海艦艇に洋上給油する能力を備えていた。

なお、洋上給油は民間でも行われている。遠洋漁業におけるマグロ漁船などにおいて、近隣に港が存在しない場合にタンカーからの給油が行なわれる(参考リンク)。生鮮食品の補給なども同時に行われる事が多い。

主な補給艦編集

戦間期~第二次世界大戦編集

  スペイン

  ドイツ国


第二次世界大戦後編集

  アメリカ合衆国

  アルゼンチン

  イギリス

  イタリア

  イラン

  インド

  オーストラリア

  オランダ

  カナダ

  ギリシャ

  サウジアラビア

  スペイン

  大韓民国

  中華人民共和国

  中華民国台湾

  チリ

  ドイツ

  トルコ

  日本

  ニュージーランド

  フィリピン

  ブラジル

  ポルトガル

  フランス

  南アフリカ共和国

  ソビエト連邦/  ロシア


関連項目編集