Golf Club: Wasteland』(ゴルフクラブ ウェイストランド)は、セルビアインディーゲームスタジオDemagog Studioが開発し2018年6月20日に発売されたゲームソフト。タイトルは、「:」の無い『Golf Club Wasteland』とも表記される。2023年7月には、タイトルが『Golf Club Nostalgia』(ゴルフクラブ ノスタルジア)に変更された[1]

Golf Club: Wasteland
Golf Club Nostalgia
対応機種 iOS
Android
Microsoft Windows
Xbox One
PlayStation 4
Nintendo Switch
開発元 Demagog Studio
発売元 iOS, Android
Demagog Studio
Win, Xbox One
Untold Tales
PS4, Switch
アメリカ合衆国の旗欧州連合の旗 Untold Tales
日本の旗 Beep
ディレクター Igor Simić
音楽 Shane Berry
人数 1人
発売日 iOS
2018年6月20日
Android
2018年12月24日
Win, Xbox One
2021年9月3日
PS4, Switch
アメリカ合衆国の旗欧州連合の旗 2021年9月3日
日本の旗 2021年12月23日
対象年齢 CEROB(12才以上対象)
IARC:16+
ESRBT(13歳以上)
PEGI16
USK6(6歳未満提供禁止)
コンテンツ
アイコン
CERO:薬物、暴力
IARC:激しい言葉づかい
ESRB:Drug Reference, Sexual Themes
PEGI:Strong Language
エンジン Unity
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概要 編集

大災害により人類が廃退した地球を舞台とするゴルフゲーム。火星に移住し生き延びた富裕層の人々はチャーター機で地球を訪れ、廃墟をコースに見立てて危険を顧みずゴルフを行う娯楽に興じているが、かつて人類を救う任務を担うパイロットだった主人公のチャーリー(Charlie)もまた、防護服とジェットパックを身に着けゴルフをしながら廃墟を巡っていく。

ゲーム内のBGMとして、火星の人々が地球での思い出を語るとともにDJがノスタルジックな音楽をかけるラジオ番組「火星ラジオ・ノスタルジア(Radio Nostalgia from Mars)」が流れており、チャーリーはこれを聴きながらプレーしているという設定になっている。

システム 編集

サイドビューで描写された35のホールを順番にプレーする。ボールを打つ角度と強弱を決定してボールを飛ばしカップインを目指す[2]。ホールによっては、エレベーターエスカレーター、ボールをスイッチに当てて開くシャッターなど特殊な仕掛けもある[3]。各ホールには規定打数が設定されており、この打数以内でホールを終えるとチャーリーの日記の一部が閲覧できるようになる。

以下の3つの難易度がある。「アイアンモード」は「チャレンジモード」のクリア後にアンロックされる。

  • ストーリーモード - 打数に関係なくカップインすればクリアとなるモード。
  • チャレンジモード - 打数が規定打数以内の時のみクリアとなるモード。
  • アイアンモード - 規定打数を超えた時点でリセットされる高難易度モード。

開発 編集

Demagog Studioが手掛ける作品は、風刺を込める作風を特徴としている[4]。ディレクターのIgor Simićは本作のインスピレーションの源として、ゴルフ場のオーナーでもある当時のアメリカ大統領ドナルド・トランプに関する膨大な量のニュースが報じられていたこと、実業家イーロン・マスクジェフ・ベゾスが地球が危機的状況となった際の脱出ルートとして宇宙を見据える野心を語っていた[注 1]こと、アメリカの政治家バーニー・サンダースが当時「1%(の富裕層)」について論じていたこと、2017年にアメリカ・ワシントン州のゴルフ場で大規模な山火事が発生する中でもプレーを続行するゴルファーたちの写真が話題となったことを挙げている[6][7]。また、開発当初には「(ゲームソフトの)『Desert Golfing英語版』と(映画の)『ブレードランナー』の出会い」をコンセプトに掲げていた[6]

音楽を制作したShane Berryはかつて東京でカフェコンビニエンスストア向けの有線ラジオ放送の制作に携わっていた経歴があり[7]、本作の「火星ラジオ・ノスタルジア」におけるDJの声も担当している[6]

評価 編集

  • Unity Awards 2018 「Best mobile game」「Best use for film」ノミネート[8]
  • Indie Arena Booth 2021 「Best "Indie Madness" with Head up」第3位[9]

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ マスクは火星に都市を作ることにより、ベゾスは地球の軌道にコロニーを構築することにより人類を救うとしている[5]

出典 編集

  1. ^ Unexpected Hole - the short story behind the new game title: Golf Club Nostalgia” (英語). Steamニュース (2023年7月26日). 2023年8月16日閲覧。
  2. ^ 火星の金持ちが、滅びた地球の廃墟でゴルフする『Golf Club: Wasteland』レビュー。終末を心で味わう贅沢な雰囲気ゲーム”. GameCast (2018年7月8日). 2022年4月1日閲覧。
  3. ^ Taijiro Yamanaka (2021年8月6日). “人類滅亡後の地球で楽しむゴルフゲーム『Golf Club: Wasteland』9月3日に配信へ、日本語対応。誰もいない廃墟で、ひとりクラブを振る”. AUTOMATON. 2022年4月1日閲覧。
  4. ^ Demagog Studio 制作の『Golf Club: Wasteland』- モバイルゲーム”. Made with Unity. 2022年4月1日閲覧。
  5. ^ Christian Davenport (2021年9月10日). “Elon Musk is dominating the space race. Jeff Bezos is trying to fight back.” (英語). ワシントン・ポスト. 2022年4月1日閲覧。
  6. ^ a b c Oleg Nesterenko (2021年10月27日). “Golf Club: Wasteland creative director Igor Simic: “We create digital content for a generation that will live to witness the end times”” (英語). Game World Observer. 2022年4月1日閲覧。
  7. ^ a b Rebekah Valentine (2021年10月31日). “Golf Club Wasteland Lets You Play Golf in the Ruins of a Climate Apocalypse” (英語). IGN. 2022年4月1日閲覧。
  8. ^ Unity Awards 2018” (英語). 2022年4月1日閲覧。
  9. ^ All Winners and Nominees Indie Arena Booth Award Show 2021 gameccom” (英語). Indie Arena Booth. 2022年4月1日閲覧。

外部リンク 編集