さまよえる蒼い弾丸
B'zの24作目のシングル
(Into Free -Dangan-から転送)
「さまよえる蒼い弾丸」(さまよえるあおいだんがん)は、日本の音楽ユニット・B'zの楽曲。1998年4月8日にRooms RECORDSより24作目のシングルとして発売された。
「さまよえる蒼い弾丸」 | ||||||||||||||||
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B'z の シングル | ||||||||||||||||
初出アルバム『B'z The Best "Pleasure"』 | ||||||||||||||||
B面 | Hi | |||||||||||||||
リリース | ||||||||||||||||
規格 | 8cmシングル | |||||||||||||||
ジャンル | ||||||||||||||||
時間 | ||||||||||||||||
レーベル | Rooms RECORDS | |||||||||||||||
作詞 | 稲葉浩志 | |||||||||||||||
作曲 | 松本孝弘 | |||||||||||||||
プロデュース | 松本孝弘 | |||||||||||||||
ゴールドディスク | ||||||||||||||||
チャート最高順位 | ||||||||||||||||
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B'z シングル 年表 | ||||||||||||||||
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概要 編集
ベスト・アルバム『B'z The Best "Pleasure"』発売直前、アルバムツアー『B'z LIVE-GYM '98 "SURVIVE"』開催中に発売された。元々ツアー中の春先にシングルをリリースするつもりだったため、同ツアー中の2月9日から両曲の製作が開始[2]、発売直前にはライブで先行披露された。完成後すぐにタイアップが決まった[2]。
「Hi」の表記が大きめに印字され、「B'z」のロゴが赤のジャケットも存在する(タイアップシールも別)[3]。
オリコンでは『さまよえる蒼い弾丸/Hi』と両A面シングルとして扱われているが[4]、公式では「さまよえる蒼い弾丸」の単独A面である。
収録曲 編集
全作詞: 稲葉浩志、全作曲: 松本孝弘、全編曲: 松本孝弘・稲葉浩志。 | ||
# | タイトル | 時間 |
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1. | 「さまよえる蒼い弾丸」 | |
2. | 「Hi」 | |
合計時間: |
楽曲解説 編集
- さまよえる蒼い弾丸
- エレクトリックシタールとディストーションを効かせたギター、さらにガムラン風のパーカッションにより、エスニックなテイストをもったアレンジになっている[5]。ブレイク部分のギターには、KORG“KAOSS PAD”というエフェクターが使用されている[6]。
- 当初イントロのフレーズはシンセサイザーで演奏だった。松本の「シタールでなぞったら面白いのでは?」という提案によりエレクトリックシタールが使用されることとなった[7]。シタールの他にも、稲葉がスタジオに持ってきたマンドリンを弾く案もあったが、松本曰く「使いこなせかった(笑)弾いたことないから…チューニングはわかるけど…。音色も今ひとつはまらなかったんだよね。」という理由で不採用となった[2]。当時のインタビューで松本は「またの機会に…別の曲で…。でも、少し練習しないとダメだね。」と語っており[2]、後に「今夜月の見える丘に」でマンドリンが使用された[8]。
- 2008年に松本はこの曲について「本当にシンプルなコード進行ながらクオリティの高い楽曲に仕上がったと自負しています。」とコメントしている[9]。
- 稲葉は当時の会報インタビューで「弾丸は普通黒なのに、なぜ"蒼"なんですか?」という質問に対して、「やっぱり"若い"ってことでしょう。"未熟"と言った方がいいかな。」と答えており、完成後にタイアップが決まったため「ポカリスエット」のパッケージカラーに合わせたわけではない[注 1]。
- シングルの歌詞欄によると、英語表記は「WANDERING SAPPHIRE BULLET」である。
- 当初収録予定の無かったベスト・アルバム『B'z The Best "Pleasure"』に急遽収録されたが、翌年に発売された10thアルバム『Brotherhood』には未収録となった。
- ライブ映像やジャケット撮影時の模様で構成されたワンコーラスのみのミュージック・ビデオが存在する[9]が、2013年発売の『B'z The Best XXV 1988-1998』の特典DVDには『B'z LIVE-GYM '98 "SURVIVE"』でのライブ映像が収録された。
- ライブでの演奏頻度も高く、無観客配信ライブ『B'z SHOWCASE 2020 -5 ERAS 8820-』のDay5内で行われた「B'z LIVE演奏回数ランキング」では、2020年時点で第3位を記録した[10][11]。
- 17thアルバム『MAGIC』の特典DVDでは、『B'z SHOWCASE 2009 -B'z In Your Town-』でこの曲を演奏した際の稲葉の失敗談や松本のギターの話が聞ける。
- 2021年に行われた『B'z presents UNITE #01』ではMr.Childrenの桜井和寿とのコラボレーションで披露された[12][13][14]。
- Hi
「さまよえる蒼い弾丸」のバージョン違い 編集
「Into Free -Dangan-」 | |||||||||||||||||||||||||||
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B'zの配信限定シングル | |||||||||||||||||||||||||||
収録アルバム | 『B'z』 | ||||||||||||||||||||||||||
リリース | 2012年4月4日 | ||||||||||||||||||||||||||
規格 | デジタル・ダウンロード | ||||||||||||||||||||||||||
録音 | 2011年 | ||||||||||||||||||||||||||
ジャンル | |||||||||||||||||||||||||||
時間 | 4分44秒 | ||||||||||||||||||||||||||
レーベル | VERMILLION RECORDS | ||||||||||||||||||||||||||
作詞者 | |||||||||||||||||||||||||||
作曲者 | 松本孝弘 | ||||||||||||||||||||||||||
プロデュース | 松本孝弘 | ||||||||||||||||||||||||||
チャート順位 | |||||||||||||||||||||||||||
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- Dangan
- 海外限定配信のミニアルバム『B'z』に収録。生音重視のアレンジとなっており、近年ライブで演奏されている形に近い。歌詞は変更されていない。
- ちなみに、ベスト・アルバム『B'z The Best "Pleasure II"』発売時(2005年)に、iTunes Music Storeにて一時ダウンロード可能な状態になっていたことがある。
- さまよえる蒼い弾丸 (E)
- 2011年に行われた北米ツアー『B'z LIVE-GYM 2011 -long time no see-』でオープニング・ナンバーとして披露された[17]。
- タイトルの「(E)」はEnglishの頭文字で、歌詞が英語になったバージョン。アレンジは「Dangan」に近い。
- B'z公式YouTubeチャンネルでは「Dangan」の呼称が使われたが、B'zのファンクラブの会報誌『be with!』91号にて、上記のタイトルで紹介されている。
- Into Free -Dangan-
- 過去曲の再アレンジ作品だが、公式に「新曲」として扱われている。2012年4月4日よりiTunesにて配信限定でリリースされ[18]、同年リリースの配信限定アルバム『B'z』にも収録された。
- 2012年5月にワールドワイドリリースとなったアクションゲーム『ドラゴンズドグマ』の為に、新たに英語詞を書き下ろして再レコーディングしたもの[19][注 2]。B'zがゲーム作品に楽曲提供を行なうのは、『バーンアウト ドミネーター』に使用された「FRICTION」以来4年半ぶりとなる[20]。
- タイアップ先のカプコンサイドからは「オープニングにゆったりしたパートを追加してほしい」「歌詞に"Dragon"というフレーズを使用してほしい」などのリクエストがあったという。それに応えるため、「さまよえる蒼い弾丸 (E)」から歌詞が一部変更され、イントロにピアノとストリングスのパートが追加されている。また、2番サビとギターソロとのブリッジ部分や、原曲で特徴的だったシタール音は削除され、全編にゲームミュージックの要素を取り入れている。
- 先述の北米ツアーで披露された英語バージョンの曲は、「Brotherhood」を除き後にレコーディングされリリースされているが、それらの楽曲の中で唯一原曲とは全く異なる大幅なアレンジが加えられている。また、B'zの再録曲の中では数少ない改題(バージョン名付加を除く)が施された楽曲でもある[注 3]。
- 通常B'zの楽曲の作詞は全て稲葉のみの担当であるが、本曲の作詞クレジットはサポートメンバーのシェーン・ガラースと稲葉との連名になっている[19]。本曲の作詞は、稲葉がシェーンに原曲の歌詞のコンセプトを説明しそれにシェーンが稲葉と調整しながら英詞を当てはめていくという手法を取っている。稲葉は「細かい表現はシェーンに任せている」と語っており、当のシェーンは「(作詞の)インスピレーションは、東日本大震災の後の経験から得た[21]」と語っている。
タイアップ 編集
- 大塚製薬「ポカリスエット」CMソング、『J-ROCK ARTIST COUNT DOWN 50』エンディングテーマ(#1)
- フジテレビ系『フォーミュラ・ニッポン』テーマソング(#2)
参加ミュージシャン 編集
収録アルバム 編集
さまよえる蒼い弾丸
- B'z The Best "Pleasure"
- B'z The Best "ULTRA Pleasure"
- B'z The Best XXV 1988-1998
- B'z (2007年のアルバム)(再録バージョン「Dangan」)
- B'z (2012年のアルバム)(英語詞バージョン「Into Free -Dangan-」)
Hi
ライブ映像作品 編集
さまよえる蒼い弾丸
- once upon a time in 横浜 〜B'z LIVE GYM'99 "Brotherhood"〜
- a BEAUTIFUL REEL. B'z LIVE-GYM 2002 GREEN 〜GO★FIGHT★WIN〜
- B'z The Best "ULTRA Pleasure"(特典DVD)
- B'z LIVE-GYM Hidden Pleasure 〜Typhoon No.20〜
- B'z LIVE-GYM 2011 -C'mon-
- B'z LIVE-GYM 2008 -ACTION-
- B'z LIVE-GYM 2001 -ELEVEN-
- B'z LIVE-GYM Pleasure 2013 ENDLESS SUMMER -XXV BEST-
- EPIC DAY(特典DVD/英語詞バージョン「Into Free -Dangan-」)
- B'z COMPLETE SINGLE BOX(特典DVD)
- DINOSAUR(特典DVD・Blu-ray Disc)
- B'z LIVE-GYM 2019 -Whole Lotta NEW LOVE-
- B'z SHOWCASE 2020 -5 ERAS 8820- Day1〜5
- B'z LIVE-GYM 2022 -Highway X-
脚注 編集
注釈 編集
出典 編集
- ^ a b 「GOLD ALBUM他 認定作品 1998年6月度(98年5月21日〜98年6月20日)」『The Record』第465号、日本レコード協会、1998年6月、9頁。
- ^ a b c d e f 『be with!』第37巻、B'z Party、1998年3月。
- ^ “MUSIC FREAK MAGAZINE - B'z Dictionary(「限定」の項)”. エムアールエム. 2019年11月24日閲覧。
- ^ “B'zのCDシングルランキング”. ORICON NEWS. オリコン. 2013年7月24日閲覧。
- ^ 『Treasure : B'z Chronicle 1988〜1998 10th anniversary special issue』ROOMS RECORDS、1998年9月20日、89頁。
- ^ “MUSIC FREAK MAGAZINE - B'z Dictionary(「エフェクター」「effects」の項)”. エムアールエム. 2019年11月24日閲覧。
- ^ 『music freak magazine & Es Flash Back B'z XXV Memories I』エムアールエム、2013年、219頁。
- ^ 『be with!』第45巻、B'z Party、2000年3月。
- ^ a b 『be with!』第78巻、B'z Party、2008年6月。
- ^ “「B'z SHOWCASE 2020 -5 ERAS 8820- Day5」ライブレポートが到着!”. 株式会社Zeppホールネットワーク (2020年12月9日). 2021年2月2日閲覧。
- ^ “B'z無観客配信ライブ「B'z SHOWCASE 2020 -5 ERAS 8820- Day5」レポート”. ローソンチケット. 株式会社ローソンエンタテインメント. 2021年2月2日閲覧。
- ^ “B'zがMr.Children、GLAYとコラボ繰り広げた「UNITE」熱い競演を配信でも”. BARKS (ジャパンミュージックネットワーク株式会社). (2021年9月30日) 2021年9月30日閲覧。
- ^ “B'z、主催『UNITE #01』全公演終了!配信ライブのスタートも間近”. OKMusic (ジャパンミュージックネットワーク株式会社). (2021年9月30日) 2021年9月30日閲覧。
- ^ “B'zがMr.Children、GLAYとコラボ繰り広げた「UNITE」熱い競演を配信でも”. 音楽ナタリー (株式会社ナターシャ). (2021年9月30日) 2021年9月30日閲覧。
- ^ a b 佐伯明『B'z ウルトラクロニクル』ソニー・マガジンズ、2003年、293頁。
- ^ “Billboard Japan Hot 100 | Charts”. Billboard JAPAN. 阪神コンテンツリンク (2012年4月16日). 2022年7月8日閲覧。
- ^ “ヒット曲連発!B'z北米ツアー大盛況のうちに終了”. 音楽ナタリー (株式会社ナターシャ). (2011年7月26日) 2019年9月23日閲覧。
- ^ “B'z、初の配信限定作品「Into Free -Dangan-」リリース開始”. BARKS (ジャパンミュージックネットワーク株式会社). (2012年4月4日) 2019年9月23日閲覧。
- ^ a b “B'zの新曲「Into Free -Dangan-」、ゲーム『ドラゴンズドグマ』主題歌に”. BARKS (ジャパンミュージックネットワーク株式会社). (2012年2月1日) 2019年9月23日閲覧。
- ^ “B'z、4年半ぶりゲームに楽曲提供 『ドラゴンズドグマ』主題歌”. ORICON NEWS (オリコン). (2012年2月1日) 2019年9月23日閲覧。
- ^ バンクーバー新報 2012年8月16日発売 第33号 P14
外部リンク 編集