SAR21(Singapore Assault Rifle - 21st Century)は、シンガポールが開発した新世代アサルトライフルである。

SAR21
SAR21のカットモデル
SAR21
種類 軍用小銃
製造国 シンガポールの旗 シンガポール
設計・製造 STエンジニアリング
仕様
種別 アサルトライフル
口径 5.56mm
銃身長 508mm
使用弾薬 5.56x45mm NATO弾
装弾数 30発(箱形弾倉
作動方式 ガス圧利用ピストン方式
全長 805mm
重量 3,820g(弾倉および付属品を除く)
発射速度 最大約650発/分
銃口初速 約970m/秒
有効射程 460m
歴史 
設計年 1996年
製造期間 1999年-
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概要 編集

 
SAR21を手にするシンガポール軍の兵士

1999年シンガポール兵器開発メーカーである、シンガポール・テクノロジーズ・エンジニアリング(STエンジニアリング)社の陸戦歩兵向け兵器開発を専門とするSTキネティックス部門で開発・完成されたブルパップ方式アサルトライフルである。

シンガポール軍を中心に配備され、各国に輸出されている。

特徴 編集

SAR21の全体的なデザインからは、先に開発され成功を収めたステアーAUGの影響が窺える。

外観はAUGに似たポリマー製のストックを装備するが、作動メカニズムはSR-88とほぼ同型のガス圧利用式のロングストロークピストンで、ガス・シリンダーは銃身上方に設定されている。機関部がストックに内蔵されているブルパップ方式アサルトライフルである。ロッキングシステムはターンボルトが組み込まれており、ボルトが回転し銃身とロックする。比較的少ない回転角で銃身とのロッキングや開放が行えるよう、ボルト先端には3個のロッキング・ラグが装備されている。

ストックやマガジン強化プラスチック製で、ハンマー、シアなどの多くの内部部品も強化プラスチックで作られている。そのため、金属プレスでは難しい人間工学を用いた滑らかな曲線のボディを持ち、軽量化にも一役買っている。また、ストックの左側面部の兵士が顔を当てる部分には、チャンバーの破裂事故が起きた際、できる限り被害を抑えるため、防弾繊維(ケブラー材)が貼られている。

標準型のSAR21スタンダード・タイプの銃身上部には、倍率1.5倍の固定式光学スコープが装備されている。オプションとして、3倍のスコープを装備するものも供給されている。固定式スコープはキャリング・ハンドルとしても使用できるように設計されているほか、万が一スコープが破損した場合でも、上面の突起を緊急用サイトとして使用できる。

また、夜間戦闘にも利用できるレーザーサイトが、ストックのハンドガード先端内部に組み込まれた製品も製造されている。他にも、様々な照準器をオプションとして搭載するため、初めから固定式スコープを装備せず、代わりにピカティニー・レールを装備したバージョンも存在する。

銃身下にはM203 グレネードランチャーを取り付けることもできる。

口径5.56x45mmで、アメリカ軍の旧制式弾薬であるM193弾とNATOも採用するSS109弾の2つのオプションがある。M193を使用する銃身は、12インチ1回転のピッチを持つライフリングが施されており、SS109用は7インチ1回転である。

配備先 編集

関連項目 編集

外部リンク 編集