Y-7 (航空機)
Y-7
Y-7(中国語:运-7)とは、中華人民共和国で製造された多用途ターボプロップ双発旅客機である。
西安飛機工業公司が製造したが、実際には、ソ連・ウクライナのアントノフ設計局(現:ウクライナ・ANTKアントーノウ)の製作したAn-24旅客機(1959年初飛行)をコピー生産(ライセンス生産とする書籍もあり)したものであった。
概要
編集Y-7の設計・製作はソ連から輸入したAn-24をデッドコピーして行われた。そのため、両者の区別はつけにくい。ただし中国の技術水準に合せた改良もなされているとされる。
初期生産型は「Y-7」と呼称され、1970年に原型機が初飛行している。外部に公表されたのは1982年4月であり[1]、1984年から量産が開始された。就航開始は1986年[1]。また、1985年に改修型のY-7-100が開発された[1]。また様々な派生型が生産されており、現在では改良された後継型であるY7-500や民間型のMA60が生産されている。
機体は、高翼配置の主翼を有し、主翼中程にターボプロップエンジンを配置している。尾翼は通常形式であるが、垂直尾翼前方にはドーサルフィンが配置されている。
出発点こそデッドコピーであるが、現在においては原型のAn-24から発展して独自の改良が行われている機体であるといえる。
派生型
編集- Y-7
- 初期生産型。
- Y-7-100
- ウィングレットを装着し、客室装備や操縦系統を近代化した改修型。
- Y-7-100C1
- 機材の変更を行い5人運用としたもの[2]。
- Y-7-100C2
- 機材の変更を行い5人運用としたもの[2]。
- Y-7-100C3
- 機材の変更を行い5人運用としたもの[2]。
- Y-7-200A
- エンジンをプラット・アンド・ホイットニー・カナダPW127に換装し、操縦系統をアメリカ製に換装し胴体を1m延長した改良型。1993年初飛行[1]。ウィングレットはない。
- Y-7-200B
- エンジンは中国製のWJ-5A-1Gとして、操縦系統をアメリカ製の機器に更新し、胴体を74cm延長した改良型。1990年初飛行[1]。
- Y-7E
- 高温・高地向けバリエーションで1994年7月に初飛行[2]。それは、ソ連のAn-24の設計に基づいている[3]。
- Y-7G
- 中国空軍向け[2]。
- Y-7H-500
- 貨物機型。
- Y-7-500
- 現在生産中の最新型。
- HYJ-7
- H-6の訓練型。HM-1A照準機、レーダー、TNL-7880航法システムを搭載[2]。
- JZY-01
- 早期警戒機の実証機(验证机)[4]。6枚プロペラを採用し、WJ-6Cエンジンへ換装、垂直尾翼を4枚に増やしている。艦上型を目指したテストベッドと目されるが、航空母艦運用のためのカタパルト射出用ローンチバーやアレスティング・フックの装備は確認されていない。
- MA60
- Y-7-MA60とも、西側諸国向けの改良を施したもの。
機体性能(Y7-100)
編集脚注
編集参考文献
編集- 「世界航空機カタログ2000-2001年版」 イカロス出版
関連項目
編集- Y-8 (航空機) - An-12のライセンス生産機
- Y-10 (航空機) - ボーイング707のデッドコピー生産機
外部リンク
編集- メーカーによるY-7-500の紹介(中国語簡体字表記)