長谷部鋭吉

建築家 (1885-1960)

長谷部 鋭吉(はせべ えいきち、1885年10月7日 - 1960年10月24日)は日本の建築家実業家泉屋博古館住友銀行本店などを手掛ける。

長谷部鋭吉
生誕 1885年(明治18年)10月7日
日本の旗 日本 北海道札幌県(出身地は東京都
死没 (1960-10-24) 1960年10月24日(75歳没)
国籍 日本の旗 日本
出身校 東京帝国大学工学部
職業 建築家
受賞 黄綬褒章(1958年)
勲五等瑞宝章(1960年)
所属 長谷部竹腰建築事務所
建築物 泉屋博古館(旧館)
住友ビルディング

東京都出身[1]北海道生まれ)。住友総本店出身で、日建設計の母体の長谷部竹腰建築事務所竹腰健造と共に創業者の1人である[1]。大阪市北浜の住友ビルディング(旧住友銀行本店・現三井住友銀行大阪本店)や千代田区の日本神学校(現東京ルーテルセンター教会)などが代表作として知られている[1]

住友ビルディング(大阪市)
神戸住友ビル
日本生命本社ビル(大阪市)
神戸銀行協会(神戸市)
東京ルーテルセンター教会(千代田区)
芦屋カトリック教会(芦屋市)
大阪カテドラル聖マリア大聖堂(大阪市)

略歴

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  • 1885年10月7日 - 北海道札幌に生まれる。父・長谷部辰連は旧福井藩士で、新政府の開拓使大書記を務めていた。母・可禰(かね)は、大阪の坐摩神社の社司(宮司)・渡邉資政の三女。翌年1月元老院議官となった父に従い北海道を去る。その後山形県を経て東京で育つ[2][3]
  • 1903年 - 東京市立第一中学校卒業。
  • 1906年 - 第一高等学校卒業。
  • 1909年 - 東京帝国大学工学部建築学科卒業。住友総本店に入社。
  • 1915年 - 住友銀行兵庫支店竣工 大阪倶楽部竣工(設計は野口孫市と共同。大正11年7月焼失)。
  • 1930年 - 住友ビルディング竣工。
  • 1933年 - 住友合資から5万円の出資と29名の移籍を得て(株)長谷部竹腰建築事務所を設立し、竹腰健造と共に常務取締役に就任。
  • 1944年 - 大阪北港(株)と(株)住友ビルディングが合併し、住友土地工務(株)と改称。住友土地工(株)に営業譲渡し,竹腰健造が専務取締役、鋭吉が取締役に就任。
  • 1945年 - 敗戦により住友土地工務を日本建設産業(株)と改称し、新たに商事部門を増置(現在の住友商事の前身)し竹腰健造が社長、鋭吉が取締役に就任。
  • 1947年 - 竹腰健造が公職追放。鋭吉は平取締役であったため難を逃れる。
  • 1950年 - 同社建築部は分離独立して、日建設計工務株式会社が発足、顧問に就任。
  • 1958年 黄綬褒章受章。
  • 1960年10月24日 - 逝去。
  • 1963年 - 大阪カテドラル聖マリア大聖堂竣工。
  • 1970年 - 社名が株式会社日建設計と改称される。

主な作品

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名称 所在地 状態 備考
/住友家京都衣笠別邸 1920年大正9年) 26京都市北区 現存せず。現在は聖ヨゼフ修道院。門と門衛所(門の家)は住友別邸の遺構
/住友銀行船場支店新館 1929年昭和4年) 27大阪市中央区 現存せず
/泉屋博古館(旧館) 1929年昭和4年) 26京都市左京区
/住友ビルディング 1930年昭和4年) 27大阪市中央区
/神戸住友ビル 1934年昭和9年) 28兵庫県神戸市 現存せず
/日本生命保険本社 1934年昭和9年) 27大阪市中央区
/和田邸 1936年昭和11年) 26京都市左京区
/泉屋博古館 1936年昭和11年) 26京都市左京区
/住友倶楽部 1936年昭和11年) 38愛媛県新居浜市
/宇治電ビルディング 1937年昭和12年) 27大阪市北区 現存せず
/住友銀行京都支店 1937年昭和12年) 26京都市中京区 現存せず
/日本神学校 1937年昭和12年) 13東京都千代田区 現在は東京ルーテルセンター教会。
/芳泉堂 1940年昭和15年) 26京都市左京区
/陽明文庫 1942年昭和17年) 26京都市右京区
/大和藤兵衛邸 1943年昭和18年) 26京都市右京区 村野藤吾協力
/神戸銀行協会 1951年昭和26年) 28兵庫県神戸市
/銀座松坂屋 1952年昭和27年) 13東京都中央区 現存せず
/カトリック芦屋教会 1953年昭和28年) 28兵庫県芦屋市
/伊予銀行本店 1953年昭和28年) 38愛媛県松山市
/名鉄ビル 1957年昭和32年) 23愛知県名古屋市
/大阪カテドラル聖マリア大聖堂 1963年昭和38年) 27大阪市中央区

関与した主な作品

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著作

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  • 『白雲 長谷部鋭吉先生画集』双星会「白雲」刊行委員会編 日建設計 1977年

参考文献

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  • 「長谷部銑吉特集」『建築と社会』1961年3月号
  • 神代雄一郎「大阪-その黎明期の建築家たち」『近代建築の黎明』美術出版 1963年
  • 森井健介『師と友建築をめぐる人びと』鹿島研究所出版会 1967年
  • 坂本勝比古『日本の建築明治大正昭和』5 三省堂 1980年
  • 石田潤一郎「近代日本、建築家の足蹄長谷部鋭吉」『建築文化』l990年9月号

脚注

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  1. ^ a b c 「【都市を生きる建築】(66)住友ビルディング 大阪を象徴するマンモスビル」産経新聞、2016年6月4日 大阪朝刊 23頁 第4社会
  2. ^ 長谷部鋭吉の世界/年譜”. 2012年7月24日閲覧。
  3. ^ 長谷部鋭吉の世界/評伝・第1章 北海道で生まれ、山形、東京で育つ”. 2012年7月24日閲覧。

外部リンク

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