木村哲也 (競馬)
木村 哲也(きむら てつや、1972年11月16日 - )は、日本中央競馬会(JRA)・美浦トレーニングセンターに所属する調教師である。神奈川県出身[1]。愛称は「キムテツ」。
木村哲也 | |
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第35回マイルチャンピオンシップ表彰式 (2018年11月18日) | |
基本情報 | |
国籍 | 日本 |
出身地 | 神奈川県 |
生年月日 | 1972年11月16日(51歳) |
所属団体 | JRA |
初免許年 | 2011年 |
経歴 | |
所属 | 美浦T.C. |
来歴
編集2000年にJRA競馬学校厩務員課程に入学。同年、美浦・佐藤征助厩舎の厩務員となる。以降、高橋裕厩舎の調教助手、勢司和浩厩舎の調教助手と厩務員、中川公成厩舎の調教助手を経て[2]、2010年12月に調教師試験に合格した[1]。
2011年6月に秋山雅一調教師の勇退に伴い厩舎を開業[3]。同年8月13日の新潟8レースでレッドプラネットが1着となり、JRA初勝利を挙げた[4]。
2015年3月のフラワーカップ(GIII)をアルビアーノで制し、重賞初制覇を飾った[5]。同年に飛躍的に成績を伸ばし前年の倍以上となる31勝を挙げると、翌2016年は37勝を挙げ、全国リーディングで9位に入った[6]。
2016年8月14日、札幌4Rでラカリフォルニーが1着となり、現役149人目となるJRA通算100勝を達成した[7]。
2018年のマイルチャンピオンシップをステルヴィオで制し、開業以来通算16度目の挑戦で待望のGI初制覇を果たし、ノーザンファーム代表の吉田勝己から検量室前で祝福を受けて人目もはばからず号泣した[8]。同年は自己最多の48勝(全国7位)を記録し、JRA賞最高勝率調教師(.215)、JRA賞優秀技術調教師をダブル受賞した[9]。
2019年4月7日、中山12Rでリモンディが1着となり、現役104人目となるJRA通算200勝を達成した[10]。
2021年、自厩舎所属の大塚海渡に暴言・暴行等のパワーハラスメントを働いたとして提訴された[11]。2月19日に書類送検され[12]、6月30日に土浦区検察庁により略式起訴された。7月12日付で土浦簡易裁判所は木村に罰金10万円の略式命令を下した[13]。JRAは7月28日、「本会の調教師として重大な非行があったものと認められる」ため、日本中央競馬会競馬施行規程第148条第4項により2021年7月29日から裁定委員会の議定があるまで、木村を調教停止処分とした[14][15]。これに伴い、木村厩舎の管理馬67頭は同月29日付で馬房の臨時貸付を受けた岩戸孝樹厩舎に転厩した。この転厩には春のGI競走で好走していたファインルージュやデビュー前のイクイノックスなども含まれている[16]。その後、同年8月18日に行われた第2回裁定委員会で「日本中央競馬会競馬施行規程第147条第20号に該当する」として2021年7月29日から10月31日までの調教停止処分が決定した[17]。その後、木村の調教停止期間満了をもって岩戸への馬房臨時貸付期間が終了し、翌11月1日付で62頭が再び木村厩舎へ転厩した[18]。
2022年4月17日、中山12RのサンシャインSで管理するパラダイスリーフが1着となり、現役67人目となるJRA通算300勝を2294戦目で達成した[19]。同年のJRA賞優秀技術調教師を受賞[20]。
2023年にJRA賞最高勝率とJRA賞優秀技術の2冠を獲得した[21]。
2024年10月6日、東京12Rでボールドゾーンが1着となり、現役39人目となるJRA通算400勝を2796戦目で達成した[22]。
厩舎の特徴
編集管理馬はノーザンファーム関係馬の割合が高く、外厩であるノーザンファーム天栄の関係者とは頻繁に連絡を取り合って調整を行っている[23]。
外国人騎手を多く起用することで知られ、クリストフ・ルメール騎手を始め、短期免許で来日したウィリアム・ビュイックやフランク・ブロンデルらの身元引受調教師も率先して引き受けている。
調教師成績
編集概要
編集日付 | 競馬場・開催 | 競走名 | 馬名 | 頭数 | 人気 | 着順 | |
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初出走 | 2011年7月10日 | 3回中山8日2R | 3歳未勝利 | スターリーベイ | 16頭 | 13 | 14着 |
初勝利 | 2011年8月13日 | 4回新潟1日8R | 3歳上500万下 | レッドプラネット | 13頭 | 2 | 1着 |
重賞初出走 | 2011年10月1日 | 2回札幌7日11R | 札幌2歳S | クールスター | 13頭 | 12 | 9着 |
重賞初勝利 | 2015年3月21日 | 2回中山7日11R | フラワーC | アルビアーノ | 16頭 | 1 | 1着 |
GI初出走 | 2013年11月10日 | 5回京都4日11R | エリザベス女王杯 | トーセンアルニカ | 18頭 | 13 | 4着 |
GI初勝利 | 2018年11月18日 | 5回京都6日11R | マイルチャンピオンシップ | ステルヴィオ | 18頭 | 5 | 1着 |
年度別成績
編集- 木村哲也の年度別成績(netkeiba.com)を参照
主な管理馬
編集※括弧内は当該馬の優勝重賞競走、太字はGI級競走。
- アルビアーノ(2015年フラワーカップ、スワンステークス)
- ゼーヴィント(2016年ラジオNIKKEI賞、2017年七夕賞)
- プリモシーン(2018年フェアリーステークス、関屋記念、2020年東京新聞杯)
- ステルヴィオ(2018年スプリングステークス、マイルチャンピオンシップ)
- ダーリントンホール(2020年共同通信杯)
- オーソリティ(2020年青葉賞、アルゼンチン共和国杯、2021年アルゼンチン共和国杯、2022年 ネオムターフカップ)
- ファインルージュ(2021年フェアリーステークス)
- ヴァイスメテオール(2021年ラジオNIKKEI賞)
- イクイノックス(2021年東京スポーツ杯2歳ステークス、2022年・2023年天皇賞(秋)連覇、有馬記念、2023年 ドバイシーマクラシック、宝塚記念、ジャパンカップ)[24]
- プレサージュリフト(2022年クイーンカップ)
- ジオグリフ(2022年皐月賞)
- スキルヴィング(2023年青葉賞)[25]
- アヴェラーレ(2023年関屋記念)[26]
- ノッキングポイント(2023年新潟記念)[27]
- チェルヴィニア (2023年アルテミスステークス 、2024年優駿牝馬、秋華賞)[28]
- レガレイラ(2023年ホープフルステークス)
厩舎所属者
編集脚注
編集- ^ a b 小野次郎ら7人が23年度調教師試験に合格. スポーツニッポン(2010年12月10日付). 2018年7月22日閲覧
- ^ JRAホームページ「調教師名鑑」(2018年7月22日閲覧)
- ^ 秋山雅一調教師が勇退、木村哲也調教師が開業へ. 競馬ブック(2011年4月29日付). 2018年7月22日閲覧
- ^ 木村哲也調教師 JRA初勝利 [News]. ラジオNIKKEI(2011年8月13日付). 2018年7月22日閲覧
- ^ 【フラワーC】アルビアーノ逃走3連勝で重賞初制覇. サンケイスポーツ(2015年3月22日付). 2018年7月22日閲覧
- ^ 木村哲也の年度別成績|競馬データベース. netkeiba.com. 2018年7月22日閲覧
- ^ “木村哲也調教師がJRA通算100勝達成 | 競馬ニュース”. netkeiba. 2024年10月6日閲覧。
- ^ 【マイルCS】木村調教師16回目のJRA・G1挑戦で悲願「重かった扉が開きました」. スポーツ報知(2018年11月18日付). 2019年1月13日閲覧
- ^ 「2018年度JRA賞」調教師および騎手部門・受賞者が決定. JRA(2019年1月4日付). 2019年1月13日閲覧
- ^ “木村哲也調教師、JRA通算200勝達成 | 競馬ニュース”. netkeiba. 2024年10月6日閲覧。
- ^ “大塚海渡騎手、木村哲也調教師をパワハラ提訴 度重なる暴言、暴行受け…損害賠償求める”. www.sponichi.co.jp. 2021年1月12日閲覧。
- ^ “木村哲也調教師、大塚海渡騎手へのパワハラ問題で書類送検されていた”. スポーツ報知 (2021年2月25日). 2021年2月25日閲覧。
- ^ 木村哲也師に罰金10万円の略式命令 大塚海渡騎手への暴行罪で - 日刊スポーツ(極ウマ・プレミアム)2021年7月21日
- ^ 調教師 木村 哲也の調教停止 - 日本中央競馬会(JRAニュース)2021年7月28日
- ^ 木村師が調教停止に - 競馬ブック 2021年7月28日
- ^ 木村 哲也調教師(美浦)の調教停止に伴う管理馬の転厩 - 日本中央競馬会(JRAニュース)2021年7月28日
- ^ 「調教師 木村 哲也の暴行事案」に関する処分決定 - 日本中央競馬会(JRAニュース)2021年8月18日
- ^ 岩戸 孝樹調教師(美浦)の管理馬の転厩 - 日本中央競馬会(JRAニュース)2021年10月31日
- ^ “木村哲也調教師がJRA通算300勝 中山12Rのパラダイスリーフで達成”. スポーツ報知 (2022年4月17日). 2024年10月6日閲覧。
- ^ “2022年度JRA賞 調教師・騎手部門 受賞者決定|競馬実況web|競馬|ラジオNIKKEI”. ラジオNIKKEI. 2024年10月6日閲覧。
- ^ “2023年度JRA賞・調教師&騎手部門発表 松山弘平がMVJ 最多勝利調教師に杉山晴師/うま屋/デイリースポーツ online”. デイリースポーツ online (2024年1月5日). 2024年1月8日閲覧。
- ^ “木村哲也師 JRA通算400勝「開業時を考えれば、信じられないような数字」 - スポニチ Sponichi Annex ギャンブル”. スポニチ Sponichi Annex. 2024年10月6日閲覧。
- ^ 2018年08月12日 関屋記念 G3. 競走馬のふるさと案内所. 2019年1月13日閲覧
- ^ “イクイノックス”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2023年10月29日閲覧。
- ^ “スキルヴィング”. JBISサーチ. 公益財団法人日本軽種馬協会. 2023年4月29日閲覧。
- ^ アヴェラーレJBISサーチ、2023年8月13日閲覧
- ^ “ノッキングポイント”. JBISサーチ. 公益財団法人日本軽種馬協会. 2023年9月3日閲覧。
- ^ “チェルヴィニア”. JBISサーチ. 公益財団法人日本軽種馬協会. 2023年10月28日閲覧。
- ^ “第6回模擬レースは大塚海渡君が2度目の勝利”. サンケイスポーツ. (2018年12月14日) 2019年9月26日閲覧。
関連項目
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