Я, яは、キリル文字のひとつ。鼻母音 Ѧ の筆記体から作られた文字であり、1708年ピョートル1世の文字改革により独立した文字となった。ラテン文字R とは全く関係のない文字である。

キリル文字
А Б В Г Ґ Д Ѓ
Ђ Е Ё Ѐ Є Ж З
Ѕ И І Ї Й Ѝ Ј
К Ќ Л Љ М Н Њ
О П Р С Т Ћ У
Ў Ф Х Ц Ч Џ Ш
Щ Ъ Ы Ь Э Ю Я
非スラヴ系文字
Ӑ Ӓ Ә Ӛ Ӕ Ғ Ӷ
Ҕ Ӗ Ӂ Җ Ӝ Ҙ Ӟ
Ӡ Ӣ Ӥ Ҋ Ҡ Қ Ҟ
Ӄ Ҝ Ӆ Ӎ Ң Ӊ Ӈ
Ҥ Ө Ӧ Ӫ Ҧ Ҏ Ҫ
Ҭ Ҵ Ӳ Ӯ Ү Ұ Ӱ
Ҳ Ӿ Һ Ҷ Ӌ Ҹ Ӵ
Ҩ Ҽ Ҿ Ӹ Ҍ Ӭ Ӏ
初期キリル文字
Ҁ Ѹ Ѡ Ѿ Ѻ Ѣ
Ѥ Ѧ Ѫ Ѩ Ѭ Ѯ Ѱ
Ѳ Ѵ Ѷ Ԁ
キリル文字一覧

呼称 編集

音価 編集

原則として /ja/ を表す。

  • ロシア語モスクワ方言では強勢のない時 /ji/ になる。

アルファベット上の位置 編集

ロシア語の第33字母、ウクライナ語の第33字母、ブルガリア語の第30字母[1]ベラルーシ語の第32字母であり、これらの言語の表記体系における最後の字母である。

Я に関わる諸事項 編集

  • 前述の通りラテン文字R とはほぼ線対称というのみの関係のない文字である(ラテン文字のEと日本語のかな文字のに関連性が無いのと同じ)。
  • ロシア語では、この文字一文字は英語の「I」と同じ意味の語(一人称単数主格)である(英語と異なり、小文字でも表記される)。
  • ロシア語では、常に硬音である ж, ш, ц , 常に軟音である ч, щ, 軟口蓋音の г, к, хの後ろには外来語を除いて来ない(これは цы を除いてЫ, Юも同じ)。しかし、ц と同じ音価を表す тс, тьс の後ろに来たときは/tsə/と発音される。これは再帰動詞化の接尾辞 сят, ть で終わる動詞に結合された場合に現れる。
  • セルビア語マケドニア語では用いられない。
  • 過去に同じ音を持った字には他に がある。
  • ロゴなどで、ラテン文字の R の鏡文字として扱われることがある(偽キリル文字)。三菱RVR のロゴは「ЯVR」と表記されている。また、トイザらスのロゴも「ToysЯus」となっている。
    例 :

符号位置 編集

大文字 Unicode JIS X 0213 文字参照 小文字 Unicode JIS X 0213 文字参照 備考
Я U+042F 1-7-33 Я
Я
я U+044F 1-7-81 я
я

脚注 編集

  1. ^ Ѝを入れると第 31 字母目となる。