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ひげを剃る。そして女子高生を拾う。

ひげを剃る。そして女子高生を拾う。』(ひげをそる そしてじょしこうせいをひろう)は、しめさばによる日本ライトノベル。20歳代のサラリーマンと、家出した女子高生が出会い、共同生活を送るさまを描く。

ひげを剃る。そして女子高生を拾う。
ジャンル ラブコメディ
小説
著者 しめさば
イラスト ぶーた
出版社 KADOKAWA
掲載サイト カクヨム
レーベル 角川スニーカー文庫
刊行期間 2018年2月1日 -
巻数 既刊3巻(2019年1月1日現在)
漫画
原作・原案など しめさば
作画 足立いまる
出版社 KADOKAWA
掲載誌 月刊少年エース
レーベル 角川コミックス・エース
発表号 2019年1月号 -
発表期間 2018年11月26日[1] -
巻数 既刊1巻(2019年5月25日現在)
テンプレート - ノート
プロジェクト ライトノベル漫画
ポータル 文学漫画

本作は、小説投稿サイトの「カクヨム」から誕生した小説である[2]2017年に「カクヨム」での連載がスタートし、2018年に書籍化された。書籍版は角川スニーカー文庫 (KADOKAWA) から刊行されており、イラストぶーたが担当している。

また、2018年11月から『月刊少年エース』 (KADOKAWA) にてコミカライズされている[1]

あらすじ編集

IT企業に勤めるサラリーマン・吉田は、上司の後藤愛依梨にフラれた夜、荻原沙優という家出少女と出会う。沙優は性交と引き換えに宿を提供するよう吉田に要求するが、吉田はこれを拒否した上で、働くことを条件に彼女を居候させる。

吉田と暮らすうちに、沙優は吉田の優しさに触れ、彼に捨てられたくないと思うようになる。沙優から思いの丈をぶつけられた吉田は、沙優がいることで自宅の居心地が良くなったと打ち明ける。その上で、吉田は改めて沙優に共同生活を送ることを提案し、沙優もこれを受け入れる。一方、愛依梨は、吉田が家出少女と暮らしていることを知る。愛依梨は沙優に会い、今後のことを考えるよう諭す。

吉田と暮らし始めてから2ヶ月後、沙優はアルバイト先で、かつて宿を提供してもらった男と再会する。男は沙優と性交しようとするが吉田に阻まれる。その際、吉田は男から、沙優との生活をずっと続けることはできない、と指摘される。

季節は巡り、夏、吉田の職場に神田蒼という女性が加わる。蒼は吉田の元恋人であり、そのことを知った沙優はもやもやとした気持ちを抱く。一方、吉田は、一度は沙優が実家に戻れるよう手助けすることを決意するものの、既に沙優がいない生活を想像することができなくなっていた。そんな折、沙優の兄が、妹を引き取るために吉田宅を訪れる。

登場人物編集

吉田(よしだ)
本作の主人公。IT企業に勤めるサラリーマンで、年齢は26歳。東京都にある自宅で一人暮らしをしていたが、沙優と出会ってからは彼女と共に暮らしている。
優しく[3]、まっすぐな性格の持ち主[4]。作中では複数の女性から好意を寄せられているが、本人は「巨乳で年上の女性」が好みで、加えて自身に向けられる好意には鈍感なところがある。
荻原 沙優(おぎわら さゆ)
本作のヒロイン。北海道の高校に在籍している女子高生。家出先の東京で吉田と出会い、彼の住まいで共同生活を送っている。
吉田と出会う前は仮の宿を得るために男と性交することを繰り返していたが[5]、吉田からは「働く」ことを条件に同居を許可されており、吉田宅の家事をしたり、吉田宅から程近いコンビニエンスストアでアルバイトしたりして生活している。
後藤 愛依梨(ごとう あいり)
吉田の職場の上司。吉田より2歳年上の女性で、Iカップという大きさを誇る巨乳の持ち主。
吉田からは5年に渡って好意を寄せられており、告白もされている。自身も吉田に好意を抱いているが、まだ機が熟していないという判断から彼の告白を断っており、後に「機が熟したら自分から告白する」と吉田に約束している。
三島 柚葉(みしま ゆずは)
吉田の職場の後輩OL。吉田が教育係として面倒を見ており、彼女も吉田を恋い慕っている。
おじさんウケがいいことを自覚しており[3]、職場では当初わざと「できない自分」を演じていたが、そんな自分にも真摯に接し続ける吉田に恋心を抱いた、という経緯を持つ。映画鑑賞が好きで、吉田宅の最寄り駅にある映画館にしばしば足を運んでいる。
神田 蒼(かんだ あお)
吉田の高校の先輩。学年は吉田の1つ上に当たる。高校時代、吉田から告白されて交際していたが、自身の高校卒業を機に自然消滅という形で別れる。その後、吉田が勤めるIT企業の支社で働いていたが、人事異動に伴い、吉田の同僚となる。

作風編集

本作は、サラリーマンの吉田と女子高生の沙優が家族のような関係を築きつつ、互いに自分のことを見つめ直していくという内容の人間ドラマである[6]。筆致は軽妙で読者が読みやすいものになっており、この筆致の上手さも相俟って読者の共感を集め、結果、本作は「カクヨム」で好評を博した[3]

吉田と沙優は性別や世代、家庭環境が異なる赤の他人であり[3]、この2人の関係性については様々な評価がなされている。ライターの榎元敦は、現代日本社会は「孤独」や「他人との距離感」が話題になる社会であり、その社会にあって、擬似家族の形成という問題を孕んでいる本作は新しいトレンドになりうる、と評している[3]。他方で、ライターの飯田一史は、作中で吉田が沙優に「日々の生活のパートナー」であることを求めている点に着目し、作家や読者に、ただ異性と楽しくコミュニケーションを取りたいという潜在的な欲求があるように感じる、と述べている[5]

制作背景編集

本作の作者・しめさばは、もともと「カクヨム」で活動しており、本作を書く前はハイ・ファンタジーを執筆していた[4]。本作を執筆したのは、普段書いている作品とは異なるジャンルの作品を書こうと思い立ったことがきっかけであり、作品の構想を練っているときに思い浮かんだ「じゃあ、タダで泊めてよ」というセリフがトリガーとなって本作が誕生した[4]

しめさばによると、第2巻に収録されているエピソードを執筆しているときに書籍化の提案があったという[4]。ただ、この時点では新しい作品を立ち上げてデビューする方向も検討されていたといい、最終的には、しめさば本人の意向もあり本作の書籍化が決まった[4]。なお、本作は当初、「剃り残した髭、あるいは、女子高生の制服」というタイトルで執筆されていたが、書籍化に伴い「ライトノベルらしいものに変えよう」と模索した結果、現在のタイトルにたどり着いたという[4]

既刊一覧編集

しめさば(著)、KADOKAWA角川スニーカー文庫〉、既刊3冊(2019年1月1日現在)

漫画編集

2018年から、『月刊少年エース』で足立いまるによるコミカライズが連載されている。

賞歴・ノミネート歴編集

発表年 部門 対象 結果
2018 新作ラノベ総選挙2018 小説『ひげを剃る。そして女子高生を拾う。』 4位[7]
このライトノベルがすごい!2019 文庫部門 4位[8]

脚注編集

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注釈編集

出典編集

  1. ^ a b 1998年マジック:ザ・ギャザリングに熱中する男女、横田卓馬の好評読切が連載化”. コミックナタリー. ナターシャ (2018年11月26日). 2018年11月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年12月2日閲覧。
  2. ^ このラノ2019 2018, p. 82.
  3. ^ a b c d e 榎元敦 (2018年6月2日). “エロを期待すると気持ちよく裏切られる!? 「家出JKと26歳サラリーマン」の青春を描く、『ひげを剃る。そして女子高生を拾う。』”. ダ・ヴィンチニュース. 2018年9月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年6月13日閲覧。
  4. ^ a b c d e f このラノ2019 2018, pp. 56–61.
  5. ^ a b 「Febri RECOMMEND」『Febri』VOL.48、一迅社、2018年5月1日、 67頁。
  6. ^ このラノ2019 2018, p. 38.
  7. ^ 新作ラノベ総選挙2018:「回復術士のやり直し」が首位 ラノベファンと書店員が投票”. MANTANWEB. MANTAN (2018年8月7日). 2018年8月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年9月10日閲覧。
  8. ^ このラノ2019 2018, pp. 2–3.

ザ・スニーカーWEB編集

以下の出典は『ザ・スニーカーWEB』 (KADOKAWA) 内のページ。小説の発売日の出典としている。

少年エース公式サイト編集

以下の出典は『少年エース公式サイト』 (KADOKAWA) 内のページ。漫画の発売日の出典としている。

参考文献編集

  • 『このライトノベルがすごい!2019』『このライトノベルがすごい!』編集部、宝島社、2018年。ISBN 978-4-8002-9044-1

外部リンク編集