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ふしぎの国のバード』(ふしぎのくにのバード)は佐々大河による日本漫画作品。KADOKAWAの月刊漫画雑誌『ハルタ』にてvolume2より不定期連載、volume31以降は隔月連載中。

19世紀から20世紀初めにかけて世界各地を訪れた実在のイギリス人女性冒険家イザベラ・バードの著書『日本奥地紀行』を下敷きに、主人公のイギリス人女性イザベラ・バードが通訳ガイドの日本人男性・伊藤鶴吉と共に、横浜から蝦夷地へと旅する姿と、旅先で出会った明治初期の日本の文化や人々をフィクションを交えて描く[註 1]。史実においてバードが日本を訪れたのは46歳のときだったが、本作においてバードは若い女性として描かれている[註 2]。また、日本語を理解できないバードの視点に立って描かれており、日本語による会話は、ぼかされた表記として表現されている[1]

2018年1月には、バードと伊藤の会話を英語に翻訳した「バイリンガル版」が刊行された[1]。バードが目にした日本の風俗に質問し、伊藤がそれに答える様子を、2020年東京オリンピックに向けて訪日外国人が増えることに重ねて、日本のことを英語でどう紹介するか学ぶこともできる[1]。佐々は、このバイリンガル版に対し、本来の自分の意図に合致するものであり、本作とは相性が良いとインタビューで答えている[2]

あらすじ編集

主な登場人物編集

イザベラ・バード
本作の主人公。イギリス人女性で、世界的に著名な冒険家。明治初期、開国により遠からず失われるであろう日本の“江戸”文化を記録すべく日本を訪れ、“未開の地”である蝦夷地を目指す。
幼少期より背中に持病を持ち、老主治医より絶対安静を言い渡されたことで心因性の神経症を患い苦しんでいたが、新たに主治医となった青年ジョン・ビショップ[註 3]の勧めでオセアニアを旅することになり、そこで得た死と隣り合わせの体験に自らの生きる道を見出した。
伊藤鶴吉(いとう つるきち)
バードが横浜にて通訳兼旅の案内人として雇った日本人青年。バードからは「伊藤(イト)」と呼ばれる。
実在の伊藤は、研究が進んでいないこともあり実像が不明瞭であるが、機嫌が良いときには冗談を言って周りを笑わせたというようなこともあったとされる[2]。本作では伊藤はクールで寡黙さを全面に押し出した美男子というキャラクター造形となっている[3]が、「酒は飲まない」「煙草が好き」「お菓子は大好き」「料理ができる」といった実像は漫画でも描かれている[2]
ジェームス・ヘボン
横浜に居住する医療伝道宣教師。バードに協力する。
サー・ハリー・パークス
駐日イギリス全権公使パスポート発行などでバードに便宜を図る。
ファニー・パークス
ハリーの妻(公使夫人)。バードに好意的。
チャールズ・マリーズ
イギリス人のプラントハンター。伊藤の前の雇い主。

書誌情報編集

脚注編集

編註編集

  1. ^ 【マンガのくに】美しい時代(3)「美しい国」と「滅びゆく国」『読売新聞』朝刊2019年11月26日(文化面)の筆者である石田汗太の取材によると、二荒山温泉でバードが混浴に挑戦する場面について、佐々は「彼女の好奇心と行動力ならあり得た」と考えて描いた。バードは作家であり、「書かれていることが全てとは限らない」と佐々は語っている。
  2. ^ 『ハルタ』Volume2に掲載された読切版では、バードの顔に中頬溝およびほうれい線が描かれている。
  3. ^ 史実におけるイザベラ・バードの夫だが、本作中では二人の関係について触れられていない。

出典編集

  1. ^ a b c 「明治の日本」を旅したイギリス人女性の目線を疑似体験!『バイリンガル版 ふしぎの国のバード』1巻発売”. ダ・ヴィンチ (2018年1月17日). 2018年10月15日閲覧。
  2. ^ a b c イギリス人女性の日本発見紀行で、英語が楽しく学べる!? 作者に聞く、マンガ版バードの誕生秘話<後編>”. ダ・ヴィンチ (2018年1月24日). 2018年10月15日閲覧。
  3. ^ 【マンガのくに】美しい時代(3)「美しい国」と「滅びゆく国」『読売新聞』朝刊2019年11月26日(文化面)