まさき としか1965年3月31日 - )は、日本小説家札幌市在住(2022年現在)[1]。以前のペンネーム正木としか

まさき としか
誕生 (1965-03-31) 1965年3月31日(59歳)
日本の旗 東京都
職業 小説家
言語 日本語
国籍 日本の旗 日本
最終学歴 北星学園大学
活動期間 2007年 –
ジャンル 小説
主な受賞歴 第41回北海道新聞文学賞(創作・評論部門)(2007年)
デビュー作 『夜の空の星の』(2008年)
公式サイト まさきとしか (@tonchintan) - X(旧Twitter)
ウィキポータル 文学
テンプレートを表示

経歴・人物 編集

1965年(昭和40年)東京都で生まれ[2][3]、2歳の時に北海道札幌市へ移る[4]。広告制作会社勤務の経験がある[5]

1988年頃、藤堂志津子直木賞受賞作『熟れてゆく夏』を読み、「こういう本を読みたかった」「これは私のための小説かもしれない」と感じるほど強い印象を受けたことから[6]、藤堂を世に出した月刊の文芸同人誌北方文芸[7]の編集者・川辺為三が札幌市の道新文化センターで開講していた創作教室[8]に学び[9][1][10]、『北方文芸』に小説を発表するようになる[6]。創作教室で朝倉かすみと知り合い親交を結ぶ[11]

1992年(平成4年)、27歳のとき、前年の『北方文芸』1991年11月号に発表した「風が吹く部屋」(正木としか名義)が文學界同人雑誌優秀作に選ばれ[5]、『文學界』6月号に転載される[6][12]1994年、「パーティしようよ」が第28回北海道新聞文学賞で佳作に選ばれる[13][14]2003年、「天国日和」を『群像』5月号に発表[15]

2007年(平成19年)、筆名を「まさきとしか」に改めて応募した小説「散る咲く巡る」で第41回北海道新聞文学賞(創作・評論部門)を受賞[16][14]。翌2008年、43歳のとき、表題作を書き下ろした作品集『夜の空の星の』[17]講談社から刊行して本格的に小説家としてデビュー。『完璧な母親』『いちばん悲しい』などのミステリー小説も発表している。

2016年、『きわこのこと』が第6回Twitter文学賞〈国内部門〉で第14位にランクインする[18](のち文庫化に際して加筆、『ある女の証明』と改題)。2020年刊行の『あの日、君は何をした』は啓文堂書店の「2020年文庫大賞」を受賞し[19]2022年には中国語訳が、正己寿香『那一天,你做了什麼』として台湾尖端出版〈逆思流〉レーベルから出版された[20]

作品リスト 編集

単行本 編集

  • 『夜の空の星の』講談社、2008年5月。ISBN 978-4-06-214711-8 
  • 『熊金家のひとり娘』講談社、2011年4月。ISBN 978-4-06-216883-0 
  • 『完璧な母親』幻冬舎、2013年10月。ISBN 978-4-344-02473-1 
  • 『途上なやつら』中央公論新社、2014年6月。ISBN 978-4-12-004621-6 
  • 『きわこのこと』幻冬舎、2015年8月。ISBN 978-4-344-02799-2 [21]
    • 改題:『ある女の証明』幻冬舎〈幻冬舎文庫〉、2018年10月。ISBN 978-4-344-42800-3 
  • 『いちばん悲しい』光文社、2017年1月。ISBN 978-4-334-91142-3 
  • 『玉瀬家、休業中。』講談社、2018年8月。ISBN 978-4-06-512207-5 
  • 『ゆりかごに聞く』幻冬舎、2019年4月。ISBN 978-4-344-03460-0 
  • 『屑の結晶』光文社、2019年9月。ISBN 978-4-334-91306-9 
  • 『大人になれない』幻冬舎〈幻冬舎文庫〉、2019年12月。ISBN 978-4-344-42926-0 
  • 『あの日、君は何をした』小学館小学館文庫〉、2020年7月。ISBN 978-4-09-406791-0 
  • 『祝福の子供』幻冬舎〈幻冬舎文庫〉、2021年6月。ISBN 978-4-344-43093-8 
  • 『彼女が最後に見たものは』小学館〈小学館文庫〉、2021年12月。ISBN 978-4-09-407093-4 
  • 『レッドクローバー』幻冬舎、2022年8月。ISBN 978-4-344-03996-4 [22]

アンソロジー 編集

「」内がまさきとしかの作品

脚注 編集

  1. ^ a b 岩井 (2022年6月17日). “札幌在住作家・まさきとしか「最後の一滴を絞り集めて人を描く」 | 2022年 | 話題の人”. 財界さっぽろ. 2023年3月30日閲覧。
  2. ^ 【札幌本店】北広島西高等学校第12回図書館講座 「朝倉かすみさん×まさきとしかさん 〜わたしたちが小説家になるまで〜」(2015年8月15日開催)”. 本の「今」がわかる 紀伊國屋書店 (2015年8月2日). 2023年3月26日閲覧。
  3. ^ 塩塚夢 (2015年9月27日). “5つの三面記事が人生をあぶりだす 「きわこのこと」著者 まさきとしかさん (3/3ページ)”. SankeiBiz(サンケイビズ). 産経新聞グループ. 2018年10月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年3月26日閲覧。
  4. ^ 「作家の読書道 第245回」 (2022), p. 2, 「実家の"斜陽"」.
  5. ^ a b まさき としか|著者紹介”. webちくま. 筑摩書房. 2023年3月26日閲覧。
  6. ^ a b c 「作家の読書道 第245回」 (2022), p. 5, 「運命の出合い1冊目と創作教室」.
  7. ^ 月刊文芸誌『北方文芸』(『カムイミンタラ』1991年05月号/第44号)”. ウェブマガジン カムイミンタラ〜北海道の風土・文化誌 (1991年5月). 2023年3月26日閲覧。
  8. ^ P.L.B. (2021年2月14日). “昭和61年/1986年、道新文化センター川辺為三の教室から同人誌『河108』が発行される。”. 直木賞のすべて 余聞と余分. 2023年3月26日閲覧。
  9. ^ NEWS ONLINE 編集部 (2020年8月4日). “作家・まさきとしか〜創作教室で短編を書いたら人生で初めて褒められた”. ニッポン放送 NEWS ONLINE. 2023年3月19日閲覧。
  10. ^ 『河108』森山洋子 (2011年4月28日). “季刊紙「あうる」Vol.41 : 北海道の同人誌 : 河108” (pdf). ほっかいどうの出版社 中西出版株式会社. 2023年3月26日閲覧。
  11. ^ 「作家の読書道 第245回」 (2022), p. 6, 「朝倉かすみさん&運命の出合い2冊目」.
  12. ^ P.L.B. (2017年12月15日). “『文學界』同人雑誌評 転載作一覧”. 同人雑誌評の記録. 2023年3月30日閲覧。
  13. ^ 熊金家のひとり娘/まさき としか - 小説”. honto本の通販ストア. 大日本印刷株式会社. 2023年4月18日閲覧。 “略歴:〈まさきとしか〉1965年、東京都生まれ。1994年「パーティしようよ」で第28回北海道新聞文学賞佳作、2007年「散る咲く巡る」で第41回北海道新聞文学賞を受賞。他の著書に「夜の空の星の」など。”
  14. ^ a b 第41回 受賞者インタビュー〈創作・評論部門〉 小説「散る咲く巡る」 まさきとしかさん”. どうしんウェブ/電子版(北海道新聞文学賞). 北海道新聞社 (2007年). 2016年3月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年3月26日閲覧。
  15. ^ 群像 58(5) 2003.5|書誌詳細|国立国会図書館オンライン”、2023年4月2日閲覧。
  16. ^ 北海道新聞文学賞”. 北海道新聞社. 2023年3月26日閲覧。受賞時(2007年)の肩書きは「まさきとしか=東京都、会社員」。
  17. ^ 初単行本『夜の空の星の』(講談社、2008年)は、書き下ろしの表題作「夜の空の星の」、「散る咲く巡る」(第41回北海道新聞文学賞受賞作)、「天国日和」(『群像』2003年5月号掲載作)の3編を収める。
  18. ^ 第6回Twitter文学賞 投票期間:2016年1月30日〜2月7日”. Twitter文学賞事務局 (2016年2月). 2018年10月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年3月26日閲覧。
  19. ^ 小学館文庫『あの日、君は何をした』が啓文堂書店「2020文庫大賞」を受賞しました!”. 株式会社小学館のプレスリリース. PR TIMES (2020年12月1日). 2023年4月2日閲覧。
  20. ^ 那一天,你做了什麼【日本啟文堂2020文庫大賞冠軍】”. 尖端網路書店. 尖端出版(台湾) (2022年8月12日). 2023年4月2日閲覧。 ※『あの日、君は何をした』の中国語版(繁体字)。
  21. ^ 谷口孝男(有土健介/帰塵亭うど). “書籍短評 - Private House of Hokkaido Literature & Critic : まさきとしか『きわこのこと』(幻冬舎)”. シン・たかお=うどイズム. 2023年6月24日閲覧。
  22. ^ 縄田一男 (2022年11月6日). “〈書評〉『レッドクローバー』まさきとしか 著”. 東京新聞 TOKYO Web. 2023年4月2日閲覧。

参考文献 編集

関連項目 編集

外部リンク 編集