オリバー!』(Oliver! )は、1968年に製作されたイギリスアメリカ合衆国ミュージカル映画。監督はキャロル・リード、出演はマーク・レスタージャック・ワイルドロン・ムーディーオリヴァー・リードなど。チャールズ・ディケンズの『オリバー・ツイスト』を原作にライオネル・バート英語版が制作した同名ミュージカルの映画化作品である。

オリバー!
Oliver!
監督 キャロル・リード
脚本 ヴァーノン・ハリス英語版
原作 チャールズ・ディケンズ
オリバー・ツイスト
ライオネル・バート英語版
オリバー!
製作 ジョン・ウルフ英語版
出演者 マーク・レスター
ジャック・ワイルド
ロン・ムーディー
オリヴァー・リード
音楽 ジョン・グリーン英語版
ライオネル・バート
撮影 オズワルド・モリス
編集 ラルフ・ケンプレン英語版
製作会社 ロムルス・フィルムズ
配給 コロンビア ピクチャーズ
公開 イギリスの旗 1968年9月26日
日本の旗 1968年10月5日
アメリカ合衆国の旗 1968年12月10日
上映時間 153分
146分[1]
製作国 イギリスの旗 イギリス
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 $10,000,000[2]
興行収入 アメリカ合衆国の旗カナダの旗 $37,402,877[2]
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第41回アカデミー賞作品賞監督賞など6部門を受賞した。『第三の男』などのサスペンスを得意としたキャロル・リード監督が初めて挑んだミュージカルでもある。

劇中歌の「Consider Yourself(気楽にやれよ、「オリバーのマーチ」とも)」「I'd Do Anything(なんでもやるさ)」「Oom-Pah Pah(ウン・パッパ)」などは、日本でも児童向けの日本語歌詞を当てられ、親しまれている。

ストーリー 編集

ロンドン孤児院で暮らすオリバー・ツイストは運悪く孤児院を追放され、売られてしまう。お試しとして引き取られるものの、亡くなった母親の事でトラブルを起こしたことから、地下室に閉じ込められてしまうが窓から脱走する。

何日もかけて逃げ、何もないような田舎にたどり着く。ちょうど野菜を積んだトラックが通りかかり、野菜に紛れて乗車する。しかしトラックが着いた場所はロンドンの街だった。街を歩いていると汚い子供(腕利きドジャー)に出会い、その子の仲間の所で仲間にすると言い出すが、その集団はスリを仕事とする悪だった。

スリ集団を仕切ってる老人と世界的泥棒の密会シーンが出てくる。

スリ集団の仲間になったオリバーは初仕事に街へ行く。ドジャーと仲間がある貴族の財布をスルがバレてしまい、逃げ遅れたオリバーが捕まってしまう。アジトに戻ったドジャー達は老人にオリバーを置いて帰ったことを叱られる。(もしオリバーが全部話してしまえば自分たちが危ういから)泥棒も自分の首が危ないと悟り、オリバーを連れ戻すことを決意。

裁判にて目撃者により、無実と判決。貴族は償いをしたいといい、オリバーを家に案内する。

キャスト 編集

役名 俳優 日本語吹替
テレビ東京
オリバー・ツイスト マーク・レスター 矢島晶子
ジャック・ドーキンズ
(ドジャー)
ジャック・ワイルド 坂本千夏
フェイギン ロン・ムーディー 永井一郎
ビル・サイクス オリヴァー・リード 大友龍三郎
バンブル ハリー・シーコム英語版
ナンシー シャニ・ウォリス英語版 山像かおり
ブラウンロー ジョセフ・オコナー英語版 小川真司
治安判事 ヒュー・グリフィス
その他 福田信昭
火野カチコ
佐々木梅治
片岡富枝
星野充昭
藤本譲
宝亀克寿
田中正彦
小山武宏
滝沢ロコ
水野龍司
石川寛美
山川亜弥
海老原英人
津村まこと
長谷川智子
東さおり
山崎依里奈
日本語版スタッフ
演出 向山宏志
翻訳 中村久世
調整 重光秀樹
効果 リレーション
担当 別府憲治
松井まり
配給 ソニー・ピクチャーズ
テレビジョン・ジャパン
プロデューサー 久保一郎
具嶋朋子
制作 テレビ東京
ケイエスエス
初回放送 2000年1月9日
『20世紀名作シネマ』

作品の評価 編集

映画批評家によるレビュー 編集

Rotten Tomatoesによれば、76件の評論のうち高評価は89%にあたる68件で、平均点は10点満点中8点、批評家の一致した見解は「『オリバー!』は、チャールズ・ディケンズの汚職暴露小説を、ロン・ムーディーの魅力的な人気キャラとオンナ・ホワイトのうっとりするような振付によって、ヴィクトリア朝を舞台にしたおとぎ話の陽気なミュージカルにすっかり変えている。」となっている[3]Metacriticによれば、11件の評論のうち、高評価は7件、賛否混在は4件、低評価はなく、平均点は100点満点中74点となっている[4]

受賞歴 編集

部門 対象者 結果
第41回アカデミー賞[5] 作品賞 受賞
監督賞 キャロル・リード
主演男優賞 ロン・ムーディー ノミネート
助演男優賞 ジャック・ワイルド
脚色賞 ヴァーノン・ハリス英語版
ミュージカル音楽賞 ジョン・グリーン 受賞
音響賞 シェパートン・スタジオ英語版音響部
衣装デザイン賞 フィリス・ダルトン英語版 ノミネート
美術賞 (美術)ジョン・ボックス英語版テレンス・マーシュ英語版
(装置)ヴァーノン・ディクソン英語版ケン・マグルストン英語版
受賞
撮影賞 オズワルド・モリス ノミネート
編集賞 ラルフ・ケンプレン英語版
名誉賞 オンナ・ホワイト英語版 受賞
第26回ゴールデン・グローブ賞英語版[6] 作品賞(ミュージカル・コメディ部門) 受賞
主演男優賞(ミュージカル・コメディ部門) ロン・ムーディー
助演男優賞 ヒュー・グリフィス ノミネート
監督賞 キャロル・リード
作曲賞 ライオネル・バート英語版 N/A[注 1]
年間新人スター男優賞英語版 ジャック・ワイルド ノミネート
第22回英国アカデミー賞英語版[7] 作品賞 ノミネート
監督賞 キャロル・リード
主演男優賞 ロン・ムーディー
衣裳デザイン賞英語版 フィリス・ダルトン
編集賞 ラルフ・ケンプレン
美術賞英語版 ジョン・ボックス
音響賞英語版 ジョン・コックス英語版ボブ・ジョーンズ英語版
有望新人俳優賞英語版 ジャック・ワイルド

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ 不適格とされ投票から外された[6]

出典 編集

  1. ^ 映画 オリバー!”. allcinema. 2012年2月16日閲覧。
  2. ^ a b Oliver!” (英語). The Numbers. 2022年10月17日閲覧。
  3. ^ "Oliver!". Rotten Tomatoes (英語). 2022年10月17日閲覧
  4. ^ "Oliver!" (英語). Metacritic. 2022年10月17日閲覧。
  5. ^ 1969” (英語). Oscars.org. Academy of Motion Picture Arts and Sciences. 2022年10月17日閲覧。
  6. ^ a b Past Winners Database - 1968 26th Golden Globe Awards” (英語). The Envelope. Los Angeles Times. 2007年5月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年10月17日閲覧。
  7. ^ Film in 1969” (英語). BAFTA Awards. 2022年10月17日閲覧。

外部リンク 編集