キム・ロッシ・スチュアート

キム・ロッシ・スチュアートKim Rossi Stuart, 1969年10月31日[1] - )は、イタリア俳優映画監督である。

キム・ロッシ・スチュアート
Kim Rossi Stuart
Kim Rossi Stuart
生年月日 (1969-10-31) 1969年10月31日(54歳)
出生地 イタリアの旗 イタリア ローマ[1]
職業 俳優映画監督
ジャンル 映画テレビ舞台
 
受賞
ヴェネツィア国際映画祭
パシネッティ賞 最優秀男優賞
1998年『エデンの庭園』
2004年家の鍵
その他の賞
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人物 編集

ローマ出身[1]。『愛のめぐりあい』、『ピノッキオ』、『家の鍵』、『野良犬たちの掟』、『ハートの問題』等、数多くの映画への出演で知られる。2005年公開の『気ままに生きて』で監督デビューを果たした(脚本・主演も兼任)。

現在までに、ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞を一度、ナストロ・ダルジェント賞を三度、イタリア・ゴールデングローブ賞を二度、チャック・ドーロ賞を三度、フライアーノ賞を三度受賞している。

経歴 編集

1969年10月31日、スコットランド系イタリア人俳優の父ジャコモ・ロッシ・スチュアート(Giacomo Rossi Stuart)と、ドイツ系およびオランダ系の元モデルの母クララ・ミュラー(Klara Müller)の間に生まれる。三人の姉妹がおり、妹のヴァレンティナは女優である。パートナーの女優イラリア・スパーダ(Ilaria Spada)との間に息子が一人いる[2][3]

映画 編集

5歳から映画に出演し、1984年、14歳で初めてテレビシリーズの主演を務める。1987年公開の『カラテ・キッド』および翌年公開の続編『カラテ・キッド/激闘編』を経て、ランベルト・バーヴァ(Lamberto Bava)監督のファンタジー大作『Fantaghirò』シリーズによって広く知られるようになる。

1994年には『アパッショナート』と『Cuore cattivo』に相次いで出演し、いずれも高い評価を得る。続けて、ミケランジェロ・アントニオーニヴィム・ヴェンダースの共同監督によるオムニバス映画『愛のめぐりあい』(1995年)、スタンダールの同名小説を原作としたテレビ映画『赤と黒』(1998年)等、数多くの映画やテレビドラマに出演して人気を博し、2002年公開のロベルト・ベニーニ監督作『ピノッキオ』ではルシーニョロ役を演じる。

その後、ジャンニ・アメリオ監督作『家の鍵』(2004年)でイタリア・ゴールデングローブ主演男優賞、ミケーレ・プラチド監督作『野良犬たちの掟』(2005年)でナストロ・ダルジェント主演男優賞を受賞し、俳優としての地位を不動のものとする。

2007年には初監督作品『気ままに生きて』がカンヌ国際映画祭で上映され、同作によりダヴィッド・ディ・ドナテッロ新人監督賞を受賞する。

2009年公開のフランチェスカ・アルキブージ監督作『ハートの問題』ではアントニオ・アルバネーゼ(Antonio Albanese)とともにダヴィッド・ディ・ドナテッロ主演男優賞およびナストロ・ダルジェント主演男優賞にノミネートされ、再びミケーレ・プラチドとタッグを組んだ『Vallanzasca - Gli angeli del male』(2011年公開)では実在のマフィアを演じてナストロ・ダルジェント主演男優賞を受賞した。

その後の出演作としては、ダニエーレ・ルケッティ(Daniele Luchetti)監督作『ハッピー・イヤーズ』(2013年)、タヴィアーニ兄弟監督作『素晴らしきボッカッチョ』(2015年)などがある。2016年には11年ぶりの監督作品となる『Tommaso』が公開された(兼脚本・主演)。

 
ジョルジョ・ナポリターノ大統領(左)からヴィットリオ・デ・シーカ賞を授与されるキム・ロッシ・スチュアート(2006年)

舞台 編集

1987年ミラノのピッコロ座にてアンドレ・ジッド作『フィロクテート』に出演し、舞台デビューを飾る。1996年にはエリック=エマニュエル・シュミット作『訪問者』イタリア語版の初演に出演する。その他、『リア王』(1994年)、『ハムレット』(1998-99年)、『マクベス』(2000年)等に出演している。

出版 編集

2019年1月24日、短編小説集『Le Guarigioni』を出版し、小説家としてデビューした[4]

フィルモグラフィー 編集

映画 編集

公開年 邦題

原題

役名 備考
1986 薔薇の名前

Il nome della rosa

1987 カラテ・キッド

Il ragazzo dal kimono d'oro

アンソニー・スコット
Il mistero del panino assassino
1988 カラテ・キッド/激闘編

Il ragazzo dal kimono d'oro 2

アンソニー・スコット
ドミノという女

Domino

ユージーン
1989 Obbligo di giocare - Zugzwang
Lo zio indegno アンドレア
1991 愛と欲望の18才/ギャング

18 anni tra una settimana

1992 Un'altra vita ルチャーノ
In camera mia
1994 Cuore cattivo クラウディオ・スカリーゼ
アパッショナート

Senza pelle

サヴェリオ
1995 愛のめぐりあい

Al di là delle nuvole

シルヴァーノ
Poliziotti アンドレア
1998 La ballata dei lavavetri ラファル
I giardini dell'Eden ヨシュア
2002 ピノッキオ

Pinocchio

ルシーニョロ
2004 家の鍵

Le chiavi di casa

ジャンニ
2005 野良犬たちの掟

Romanzo criminale

フレッド イタリア映画祭2007上映時タイトル『犯罪小説』[5]
気ままに生きて

Anche libero va bene

レナート・ベネッティ 兼監督・脚本

イタリア映画祭2007にて上映[5]

2007 Piano, solo ルカ・フローレス
2009 ハートの問題

Questione di cuore

アンジェロ
2010 Vallanzasca - Gli angeli del male レナート・ヴァランザスカ
2013 ハッピー・イヤーズ

Anni felici

グイド 第26回東京国際映画祭にて上映[6]
2014 L'Ex de ma vie
2015 素晴らしきボッカッチョ

Maraviglioso Boccaccio

カランドリーノ イタリア映画祭2016にて上映[7]
2016 Tommaso トンマーゾ 兼監督・脚本
2020 離ればなれになっても

Gli anni più belli

パオロ
きっと大丈夫

Cosa sarà

ブルーノ イタリア映画祭2020にて上映[8]
2022 Brado レナート 兼監督・脚本

テレビ 編集

放映年 邦題

原題

役名 備考
1984 I ragazzi della valle misteriosa
1987 Il generale メノッティ・ガリバルディ
1988 Il ricatto ルカ・フェデーリ ミニシリーズ
1989 Valentina ブルーノ
1989 - 1990 Senza scampo アドリアーノ
1991 Fantaghirò ロムアルド
Dove'eri quella notte
Dalla notte all'alba
1992 Un posto freddo in fondo al cuore
Il cielo non cade mai ニコラ・ブレンターノ
Fantaghirò 2 ロムアルド
1993 Fantaghirò 3 ロムアルド
1994 Fantaghirò 4 ロムアルド
1995 La famiglia Ricordi ヴィンチェンツォ・ベッリーニ
1998 赤と黒

Il rosso e il nero

ジュリアン・ソレル
2001 Uno bianca ヴァレリオ・マルデージ
2004 Il tunnel della libertà ドメニコ(ミンモ)・セスタ
2007 Romanzo criminale フレッド 同名映画『野良犬たちの掟』(2005年)のテレビシリーズ化
2017 Maltese - Il romanzo del Commissario ダリオ・マルテーゼ

主な受賞 編集

脚注 編集

  1. ^ a b c Kim Rossi Stuart - Overview”. AllMovie. 2019年4月10日閲覧。
  2. ^ Nato il figlio di Kim Rossi Stuart e Ilaria Spada”. www.vanityfair.it. 2019年2月4日閲覧。
  3. ^ Kim Rossi Stuart: "Il ruolopiù importante è fareil papà di Ettore"” (イタリア語). LaStampa.it. 2019年2月4日閲覧。
  4. ^ SemiColonWeb. “Kim Rossi Stuart e Le guarigioni”. news.cinecitta.com. 2019年2月4日閲覧。
  5. ^ a b イタリア映画祭2007 公式ホームページ”. www.asahi.com. 2019年4月12日閲覧。
  6. ^ TIFF HISTORY 東京国際映画祭の輝かしき軌跡をたどる”. TIFF HISTORY. 2019年4月12日閲覧。
  7. ^ 「イタリア映画祭2016」作品情報”. 朝日新聞社. 2019年4月12日閲覧。
  8. ^ イタリア映画祭2020”. 朝日新聞デジタル. 2020年10月26日閲覧。

外部リンク 編集