キャタピラー (企業)

建設機械、鉱山機械、ディーゼルエンジンを主に製造するアメリカの多国籍企業。建設機械、鉱山機械の世界首位。

キャタピラー (Caterpillar Inc.) は、アメリカ合衆国イリノイ州ピオリアに本拠地を置く多国籍企業建設機械及び鉱山機械ディーゼル及び天然ガスエンジン、並びに産業用ガスタービンエンジン分野における世界最大の製造会社である。1991年からアメリカを代表する企業で構成されるダウ平均株価の銘柄の一社として名を連ね、2013年のフォーチュン500では売上高世界42位(700億ドル)にランクされた。また創業初期から現在に至るまで世界シェアが不動の1位のため、建設機械の巨人と称される。2014年時点で 11万8千人の従業員が在籍しており、およそ6割が米国外勤務である。 

キャタピラー
Caterpillar Inc.
キャタピラーロゴ 
種類 株式会社 
市場情報
略称 CAT 
本社所在地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
100 N.E. Adams
St.Peoria, Illinois 61629
設立 1925年
業種 製造業 軍需産業 重工業 航空宇宙産業
事業内容 油圧ショベル、ブルドーザ、ホイールローダーなどの建設機械、ディーゼル及び天然ガスエンジン、並びに産業用ガスタービンエンジンの開発・生産・輸入・販売
金融サービスの展開
代表者 Jim Umpleby (CEO)
資本金 US$ 89,350,000,000[1]
(2013年2月10日現在) 
売上高 増加 US$ 65,870,000,000[1]
(2013年5月20日現在)
営業利益 増加 US$ 8,570,000,000[1]
(2012年5月20日現在)
純利益 増加 US$ 5,680,000,000[1]
(2012年2月20日現在)
総資産 増加 US$ 89,350,000,000[1]
(2012年2月10日現在)
従業員数 118,501人
(2014年8月26日現在)  
決算期 12月末日  
主要株主 ステート・ストリート・コーポレーション9.79 %
Vanguard Group, Inc. 6.26%
State Farm Mutual Automobile Insurance Co 3.26%
(2015年4月31日現在)
主要子会社 キャタピラージャパン
外部リンク caterpillar.com
テンプレートを表示
HOLT (1925)
油圧ショベル
エンジン
Caterpillar RM-500

概要編集

油圧ショベルブルドーザーホイールローダーダンプカーなど、幅広い範囲での建設機械、鉱山機械の製造を行っている。また、ディーゼル及び天然ガスエンジン、並びに産業用ガスタービンエンジンの開発、生産、販売も行う。2012年末時点で893億米ドル(日本円で約9兆円)の資産を持ち[1]、リース販売や割賦販売契約などの金融商品の取り扱いをしている。

無限軌道を用いた走行装置、及び、履帯そのものをキャタピラー(英語では "caterpillar track" と表記)と称することがあるが、キャタピラーは普通名詞ではなく、同社の登録商標である。CATのロゴでも知られるがキャタピラーとは英語でではなく芋虫毛虫のことである。

キャタピラー社への評価編集

フォーチュンの『世界で最も賞賛される企業』において、2012年に世界19位、2013年に同19位、2014年に同33位の評価を受けている。2013年には世界的金融誌『バロンズ』(Barron's) で財務体質の面などから世界5位の評価を受けた。ビジネス管理の権威であるマッキンゼー出身のトム・ピーターズ (Tom Peters) が著した1982年のベストセラー エクセレント・カンパニーの中で、優秀な会社のひとつとして挙げられている。

歴史編集

発祥編集

1925年カリフォルニア州ストックトンのホルト・マニュファクチャリング・カンパニー (Holt Manufacturing Company) と、同じくカリフォルニア州サランドラのC・L・ベスト・ガス・トラクション・カンパニー (C. L. Best Gas Traction Company) のM&Aによってキャタピラー・トラクター (Caterpillar Tractor Co.) が設立された。ホルト・マニュファクチャリング社は、1904年に無限軌道を足回りに使用したトラック・タイプ・トラクタ(Track Type Tractor, 履帯式トラクタ)を世界で初めて製品化した企業であり、「キャタピラー」は同社の履帯式トラクタの商標であった。

国際企業編集

19世紀にさかのぼるが、創業時のホルト社とC・L社は蒸気式トラクタの製造を行っていた。ホルト社は履帯式トラクタだけでなくガソリンエンジンの開発・製造も行っており、合併後キャタピラー社のエンジン製品はガソリンエンジンからより熱効率の高いディーゼルエンジンへと移っていった。同社は多くの変化を経て、第二次世界大戦の終わりに急激に成長をはじめた。最初のベンチャービジネスは1950年に米国外で開始され、キャタピラー社は国際企業としての発展をしはじめた。

キャタピラー社の製品は、トラック・タイプ・トラクタから、水中掘削機、バックホー油圧ショベル)、ロードローラーホウルトラックホイールローダー、農業トラクター、ディーゼルまたは天然ガスエンジン、ガスタービンにまで及ぶ。これらの機器は、建設、道路工事、採鉱、林業、発電、運輸と素材加工産業で利用されている。 

影響力編集

キャタピラー社の製品は、世界の歴史に影響を与えたことがある。無限軌道トラクターは、第一次世界大戦終期に採用された初期の軍用戦車に影響を与えた。キャタピラー社製装軌車両は建設用車両や陸戦用車両に革命を起こし、戦闘用車両として使われるうちに無限軌道の改良が進んだ。第一次世界大戦時、イギリス軍やオーストリア・ハンガリー軍がホルト社の装軌車両を重砲の牽引用に使い、いくつかの国では戦車の開発が活発化した。イギリスが開発した世界初の戦車であるマーク I 戦車はホルトの装軌車両に着想を得てはいるが、一から設計されていた。しかし、そのすぐ後にフランスドイツで開発された戦車はホルトの装軌車両を改造したものだった。これらの多くの機械はフーバーダムの建設、ユーロトンネルの掘削、ドイツでのベルリンの壁崩壊と都市の建設、それとアメリカ周辺国に影響を与えた。

同社との関わりが深いプロジェクト編集

1914年1918年 - 欧州 第一次世界大戦中、米国および連合国政府用として5,000台のブルドーザが生産。

1921年1922年 - 欧州 ドナウ運河の建設。

1931年1936年 - ネバダ州およびアリゾナ州 Caterpillar製ブルドーザがフーバーダムの建設。

1933年1937年 - カリフォルニア州サンフランシスコ Caterpillar製機械がゴールデンゲートブリッジの建設。

1941年1945年 Caterpillarは第二次世界大戦中、軍へのサポートとして年間365日の操業を行い、労働力を倍増し、女性を鋳造工程や組み立てラインに配置し、特殊製品を製造し、下士志願兵を訓練、資金援助して軍隊用のブルドーザを約5万1,000台生産する。

1958年 - 南極 2台のCaterpillar D9トラクタが、南極大陸初の常設滑走路を建設。

1961年1989年 -ドイツ ベルリンの壁の建設と崩壊。

1963年1964年 - パナマ  複数のCaterpillar製機械がパナマ運河の幅広部分の建設。

1966年1973年 - ニューヨーク州ニューヨーク・シティ(米国) Caterpillar製機械がワールドトレードセンター複合施設の建設。

1969年 - 米国 Caterpillar製エンジンが月へ向かうアポロ11号計画で電力を全面的に供給。

2004年2008年 - 北京(中国) 2008年北京オリンピック大会に向け、さまざまな会場の建設。

2006年 - 韓国 世界最長の土製防潮堤、セマングム防潮堤の完成。

取扱製品編集

販売編集

キャタピラー社売り上げの半分以上はアメリカ国外の顧客からのものであり、同社の製品は約190か国で販売されている。同社は世界規模のディーラーネットワークを持っており、171あるディーラーのうち63はアメリカ国内に、108は国外に存在している[2]。同社の製品と部品は、米国の42工場と米国外にある58工場で生産されている。その内訳は、オーストラリアベルギーブラジルカナダイングランドフランスドイツハンガリーインドインドネシアイタリア日本メキシコオランダ北アイルランド中華人民共和国ポーランドロシア南アフリカスウェーデンである。

雇用編集

2004年第2四半期の後期(5月下旬 - 6月末)におけるキャタピラー社の従業員総数は全世界で7万2,916人だったが、翌2005年の同期にはこれが9,332人増(前年比13 %増)の8万2,248人となった。この大幅な雇用増加の背景には、より高度な仕事における補助要員としておよそ5,000人の時給労働者を追加導入したこと、さらに2,000人近くの補助要員を正社員として正規雇用したこと、新たに約900人の新社員を採用したことなどがある。2001年の『ナッシュビル・ビジネス・ジャーナル』(Nashville Business Journal) 誌によると、キャタピラー社の総従業員の約6割は米国外で勤務している。

日本における沿革編集

文化事業編集

また以前相模事業所では社会人野球チームを有していたが、都市対抗野球大会の南関東予選で敗退し本大会への出場は叶わなかった。

脚注編集

[脚注の使い方]
  1. ^ a b c d e f Caterpillar Inc, Form 10-K, Annual Report, Filing Date Feb 19, 2013 (PDF)”. secdatabase.com. 2013年5月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年1月9日閲覧。
  2. ^ Corporate Fact Sheet”. 2018年6月17日閲覧。

関連項目編集

外部リンク編集

ビジネスデータ