コズミック・イラの機動兵器

コズミック・イラの機動兵器では、『機動戦士ガンダムSEED』を初めとする「C.E.(コズミック・イラ)」シリーズのガンダム作品に登場するモビルスーツ (MS) やモビルアーマー (MA) などの架空の兵器を解説する。

地球連合軍編集

ザフト編集

オーブ連合首長国国防軍編集

アカツキ編集

アカツキ(AKATSUKI)は、テレビアニメ機動戦士ガンダムSEED DESTINY』に登場するモビルスーツ(MS)の一つ。関連メディアでは「アカツキ」と公称される[1][注 2]が、一部媒体やプラモデル商品等ではアカツキガンダムと表記される事もある[2]

メカニックデザイン大河原邦男

諸元
アカツキ[1][注 3]
AKATSUKI[1]
型式番号 ORB-01
分類 連合X100系[3]
ガンダム[4]
全高 18.74m
重量 69.6t
87.82t(オオワシ装備時)
90.00t(シラヌイ装備時)
装甲材質 対ビーム防御・反射システム「ヤタノカガミ」
動力源 バッテリー[5]
OS アカツキOS[6]
武装 MSM5D12.5mm自動近接防御火器×2
73J2式試製双刀型ビームサーベル
72D5式ビームライフル ヒャクライ
試製71式防盾
大気圏内航空戦闘装備“オオワシ”[7]
(73F式改高エネルギービーム砲×2)
宇宙戦闘装備“シラヌイ”[7]
(M531R誘導機動ビーム砲塔システム×7)
搭乗者 カガリ・ユラ・アスハ
ネオ・ロアノーク(ムウ・ラ・フラガ)
設定解説
オーブ連合首長国元代表首長ウズミ・ナラ・アスハが、愛娘カガリ・ユラ・アスハに遺したMS[1]
アカツキはオーブ軍のフラッグシップとなるべく、防御力を最大限に考慮された設計となっている[1]。設計データの流用元であるストライクガンダムとは同時進行で開発されていた[8][注 4]。機体そのものはC.E.71年5月15日、アークエンジェル来航時にはすでに完成していたとされる[注 5]。一時は制式機として検討されていたものの[2]、莫大なコストゆえオーブのMS生産の総力はM1アストレイに振り向けられることとなり[10]、アカツキはプロトタイプ1機が完成した時点で計画が凍結された[2](また、OSと専用装備、ヤタノカガミが未完成だったことから実戦に投入できる状態ではなかったという理由もあり[1]、CE71年のカガリの専用機としてはストライクルージュが代替されている[10])。
完成したアカツキは、ヤタノカガミの採用によってサバイバビリティの高い機体として完成しており、加えて各種兵装類の充実によって連合・ザフト軍機とも互角に戦闘可能な性能を有する[1]。尚、装備類は機体本体部の開発凍結後に制作されたものであり[11]、前大戦終結後の技術革新を取り入れている。また、基本設計以外の部分は2年間の技術革新などを踏まえ、製作時に更新が行われた[11][注 6]。その存在を知る者はオーブ国内でも、カガリの護衛役レドニル・キサカ一佐や、開発に携わったモルゲンレーテ社設計主任のエリカ・シモンズなど限られた者のみで、カガリですら、C.E.73年からの大戦におけるザフト侵攻までその存在を知らされていなかった[1]。機体コストは高騰したものの、C.E.73年からの戦争期においては各勢力ともにガンダムOS搭載型MSが試作機から単機で戦況を覆す意図したワンオフの高性能機へと変遷しつつあり、アカツキもその潮流に乗った機体である[12]
機体構造
ヤタノカガミ
最大の特徴である黄金色の装甲は、ナノスケールのビーム回折格子層と超微細プラズマ臨界制御層から構成される鏡面装甲であり、敵のビームをそのまま相手に跳ね返せる[2]。また、アニメーション第49話では戦艦の陽電子砲の直撃にも耐える防御力を見せた[注 7]。その反面、装甲の製造や維持コストも莫大なものとなり、アカツキ1機分の装甲でM1アストレイ20機以上が生産可能であるという[8][12]
頭部
側面にもそれぞれブレードアンテナを有する[1]。尚、左側頭部に“ORB-01 Alba”という文字が刻まれている[13][注 8]
肩部
肩部装甲内には姿勢制御用のバーニアを有する[1]
背部
アカツキはストライカーパックとほぼ同等の仕様である[14][注 9]バックパックを換装することで、大気圏内外の戦闘に対応できる[1]
OS
「G.U.N.D.A.M.」(General Unilateral Neurolink DispersiveAutonomic Maneuver Synthesis System)と略するOSを使用している機体であり[6]、コズミック・イラの世界における「ガンダムタイプMS」に分類される[4]
武装
M2M5D12.5mm自動近接防御火器
C.E.72〜73年現在、地球各国のMS用近接防御火器の主流となっている機種。オーブでは「トーデスシュレッケン」という愛称が使われず、型式番号のみで呼ばれる。C.E.71年に就役したM1アストレイやGATシリーズに装備されているイーゲルシュテルンより1/6、イーゲルシュテルンIIより1/3.2も口径が小さいが、弾芯並びに装薬の改良により、威力の低下は2分の1程度に抑えられている[15]。アカツキは頭部に2門装備されている。牽制用としての使用が主[1]
同国の次期主力MSムラサメも同様のものを装備している。
73J2式試製双刀型ビームサーベル
2本が連結された状態で、左腰部にマウントされる。このまま柄の両側からビームを展開して使用することも、2つに分離して使用することも可能[7]。劇中では分離して使用される事はなかった。
柄の形状等日本刀を意識したデザインとなっている。
72D5式ビームライフル「ヒャクライ」
アカツキ計画凍結後に開発された武装[2]。ストライクに装備されている57mm高エネルギービームライフルと同系統のものであるが[16]、威力と連射能力に優れる[2]。フォアグリップの代わりにマウントラッチが設けられており、ビームサーベルを銃剣として使用することもできる[2]。使用しないときは右腰部にマウントされる。
試製71式防盾
外縁にヤタノカガミを配した専用シールド[1]。中心部の装甲は異なり、実体弾兵器への防御に用いられる[注 10]。先端は鋭利に尖っており、打突武器としての使用も可能[7]。他の装備とは異なり、本装備は本体と同時期に制作された。
アカツキ本体は将来的にビーム兵器が主力となる戦況を想定して設計された機体であるが、CE73年においても依然としてミサイルや実弾は普及していることから、ビーム以外の攻撃に対処するためにこのシールドも引き続き装備している[8]
大気圏内航空戦闘装備“オオワシ”
ストライカーパックオオトリの流れを汲む[17]大気圏内用のフライトユニット。ジェットエンジン4基とロケットブースター2基を搭載しており、アカツキを亜音速まで加速させることができる。また、本体から分離、変形することで、ジャスティス系列のファトゥムの様に遠隔誘導、もしくはAIによる自律行動が可能な支援戦闘機として運用できるが[18]、劇中では未確認である。
73F式改高エネルギービーム砲
“オオワシ”の両脇に合計2機装備されたビーム砲。砲身にはヤタノカガミが施されている[1]。使用時にはバレルが延伸し、手持ち用のグリップを展開する事も可能[16]
宇宙戦闘装備“シラヌイ”
ドラグーンシステムのターミナルを兼ねた宇宙戦用ユニット。M531R誘導機動ビーム砲塔システムを7機装備している。その性能からアカツキ本体の開発凍結後に開発されたものと思われる[2][注 11][注 12]
M531R誘導機動ビーム砲塔システム
“シラヌイ”に7機装備された3連装ビーム砲。ザフトの第1世代ドラグーンと同等であり[2]、砲塔自体にもヤタノカガミが施されている。優れたオールレンジ攻撃能力を発揮する他、立体的に展開することで戦艦1隻を完全に覆え、敵艦の主砲ビームを防げるほどの防御フィールドを形成する事も可能[20]
プラモデルキット「1/144 HG シラヌイアカツキガンダム」においてはこのビーム砲塔を取り付けたままバックパックを前方に向けるギミックが盛り込まれていた。
劇中での活躍
オーブ領アカツキ島の地下施設に極秘裏に保管されていた。オーブ本島への攻撃を開始したザフトに対抗するためカガリに託され出撃した。この時オーブ軍のデータベースには登録されておらず、タケミカズチ搭載機と共に現れた識別不明機としか認識できていなかった。オーブに侵攻してきた多数のザフト製MS(バビグフイグナイテッドジオグーン等)を次々に撃破した。シン・アスカの駆るデスティニーに左腕の関節部をシールドごと切り落とされるも、間一髪のところをストライクフリーダムに助けられ、以後は戦闘から離れオーブ軍本部に降下した。
その後、アークエンジェルの第2宇宙艦隊編入に伴い、アカツキも同艦に搭載されることとなったが、オーブ代表として地上に残るカガリに代わって同じくオーブ軍入りしたネオ・ロアノーク(ムウ・ラ・フラガ)一佐の乗機となり、シラヌイパックを装備して運用された。
ステーション・ワンを巡る攻防では、ミネルバが放ったタンホイザーを受け止めてアークエンジェルを護り、ドラグーンを応用したシールドを展開してミネルバからの追撃を防いだ。そしてインフィニットジャスティスと共にレクイエム陽電子リフレクターを突破、破壊する事に成功している。

クライン派/ファクトリー編集

ジャンク屋組合編集

キメラ編集

『機動戦士ガンダムSEED ASTRAY』シリーズに登場。

地球連合軍のミストラルをジャンク屋が改造した作業用ポッド。型式番号:MAW-01。

リ・ホーム艦載機であるロウ・ギュール機はMSの腕とドリル、山吹樹里機は伸縮式アームとシールド兼用のバケット、リーアム・ガーフィールド機はクレーンアームや分析装置をそれぞれ装備している [21]

マーシャン編集

デルタアストレイ編集

漫画作品『機動戦士ガンダムSEED C.E.73 Δ ASTRAY』に登場。デザインは大河原邦男が担当。発注時には千葉智宏やときた洸一によるラフが提出されている[22]

諸元
デルタアストレイ
Δ Astray
型式番号 GSF-YAM01
製造 オーストレール・コロニー
全高 17.64m
重量 76.93t
動力源 核エンジン(NJC搭載)
武装 ビームライフル
ソード
特殊装備 ヴォワチュール・リュミエール
搭乗者 アグニス・ブラーエ
アイザック・マウ
設定解説
火星軌道上に存在するマーズコロニー群の居住者「マーシャン」が開発した初のMS[23]。メカニックデザインは大河原邦男が担当。
友好関係にあるプラントや、D.S.S.D(深宇宙探査開発機構)、地球より来訪したジャンク屋ロウ・ギュールがもたらしたMS技術[24]が用いられ、その結果地球と火星双方のテクノロジーが融合した稀有な機体となった。
正式名は開発当初からのコード名である「デルタ」だが、ロウの手が加わっているため、アストレイの名が冠せられている。OSはザフト製核動力MSと同じ『Generation Unsubdued Nuclear Drive Assault Module Complex』であり、同時にガンダムタイプの頭部を持つことから、「ファーストマーシャンガンダム[24]」もしくは「マーズファーストガンダム」[23]」とも呼ばれる。地球圏での活動も考慮しNジャマーキャンセラーも搭載されている。曲面で構成された装甲、関節部を覆う蛇腹状の防護カバー等、地球製のMSには見られないデザインを持つ[25]
この機体は、マーシャンに対する地球人の対応を見るためのものでもあり、大破した場合は母艦アキダリアとともに自爆する仕組みとなっている。成果を問わず一定期間が経過した場合や、不用意に修理を行った場合も同様。しかし、搭乗者であり使節団のリーダーでもあるアグニスには知らされておらず、部下のナーエ・ハーシェルと、仕掛けたマーシャン上層部のみが知っていた。
武装・装備
ヴォワチュール・リュミエール
デルタアストレイの背部に装備される緊急推進システム[25]。戦闘用MSであるため、自機内にレーザー発振器を設け能動的なレーザー推進を可能としている[26]。有人機としては最速を誇る機動性を有しているが、パイロットは加速時強烈なGに晒される為、専用パイロットスーツの着用が必須となっている[25]。尚、本体各部に備えられた黄色いパネルは、このヴォワチュール・リュミエール使用時の補助用推進器となる[25]。稼働の際はD.S.S.Dが開発したスターゲイザーに搭載された惑星間スラスターとは異なり、加速時には発生装置からちぎれ飛ぶ光翼が発せられる[25]。また、近縁種的システム[25][27]デスティニーストライクフリーダムに搭載されている。
ビームライフル
デルタアストレイの携行装備。
ソード
書籍によってソード[28]または大型刀とも呼称される[29]。鞘の部分は本体サイドスカート部のマウントラッチに取り付けられる[注 13]。「機動戦士ガンダムSEED C.E.73 Δ ASTRAY」作中ではノワールストライカーを切断する威力を見せた。
劇中での活躍
連合の宣戦布告直後の戦闘でプラント側に加勢。地球降下後にファントムペインと2度交戦(1度目と2度目の間にオーブでカガリ・ユラ・アスハ拉致事件に遭遇)。2度目の戦闘で自爆こそしなかったものの大破してしまうが、ロウのアイディアにより核エンジンを持たないターンデルタへの遠隔エネルギー送信機として再利用される事となる。ファントムペインとの最終決戦にて戦闘のダメージで送信機としての機能に不調が起きたが、自爆の危険性を省みずアイザックが搭乗し、至近距離からターンデルタへのエネルギー供給を行った。
コミックスタッフ陣によると戦後は、核エンジンの危険性もあり、ナーエによりアキダリアで火星に持ち帰られた。

ターンデルタ編集

ガードシェル編集

『機動戦士ガンダムSEED C.E.73 Δ ASTRAY』に登場。機体デザインは神宮司訓之が担当。

諸元
ガードシェル
Guard Shell
型式番号 GSF-YAM02[注 14]
全高 17.73m
重量 81.03t
武装 シールド
ロケットアンカー
レーザーロッド
レーザーソード
搭乗者 ナーエ・ハーシェル
設定解説
デルタアストレイに次ぐ火星製MSの2号機として開発された機体[31]。オーストレールコロニーより使節として地球に派遣されたマーシャンの1人、ナーエ・ハーシェルの専用機。
ジャンク屋組合や連合製MAの技術が導入されている。兄弟機であるデルタとは相互補完の関係にあり、攻撃力を重視したデルタとは対極に、防御主体の戦術を得意とする[31]。MS形態への変形も可能で、その際はレーザーロッドやレーザーソードといった各種近接装備が充実した機体となる[32]

マーズタンク編集

『機動戦士ガンダムSEED C.E.73 Δ ASTRAY』に登場。

火星のオーストレール・コロニーで使用されている作業用MA。型式番号:GSW-M02[31]

外見は、円盤状の胴体に作業用アームを兼ねた脚が3基。巡航時には脚を折り畳み、火星の大気圏内を飛行することができる。胴体中央には先端にメインセンサーが存在するワイヤー状のアームがある[31]

D.S.S.D編集

スターゲイザーガンダム編集

機動戦士ガンダムSEED C.E.73 STARGAZER』に登場。メカニックデザインは大河原邦男が担当している。

公式サイトでは「スターゲイザー」[33]、書籍資料や関連商品では「スターゲイザーガンダム」と公称[34][35]。『機動戦士ガンダムSEED』シリーズやその関連作品群の作中内の設定においては、同作の他のガンダムタイプ同様に「スターゲイザー」と呼称される。

諸元
スターゲイザーガンダム[34]
STARGAZER GUNDAM[34]
型式番号 GSX-401FW[34]
全高 18.94m[34]
重量 76.22t[34]
83.59t(ヴォワチュール・ユニット含む)[34]
装備 腰部アンカー付きワイヤー×2
武装 ビームガンKSM71/J
特殊装備 ヴォワチュール・リュミエール
自己対話型複列分散処理AI
搭乗者 ソル・リューネ・ランジュ
セレーネ・マクグリフ
設定解説
D.S.S.Dが開発した宇宙探査用MS。劇中では当初「401(ヨンマルイチ)」と呼ばれていたが、ソル・リューネ・ランジュにより「星を見る者」の意でスターゲイザーと命名された[36]。運用支援システムは「Guider UNmanned Deployment Autonomic Manipulation(無人・自律運用展開教導機)」であり、略してGUNDAMとも呼称される[37]
DSSDとジャンク屋組合が開発したシビリアンアストレイDSSDカスタムを経て完成[38]。複数の新機能を搭載するため、新規設計となっている[39]。有人では困難な火星軌道以遠の太陽系宙域の探査・開発を目的とした機体であり、地表探査も想定された事から本体部は人型MSを採用し、歩行可能としている[34]。また、長期のメンテナンスフリーのため、ナノマシンを利用した自己修復型マイクロマシナリーテクノロジーを導入した[34]。肩部や脚部には展開式のスラスターを設けており、サイドスカートは機体固定用のワイヤーを内蔵している[34][37]
一方で、その機体の用法から装甲は戦闘用MSほどの厚さは持たない[34]。本体電力はパワーセル(バッテリー)とその他を切り替え可能としている[注 15]
尚、スターゲイザーに連合・ザフトを問わず装備を装着できるマルチタップ技術が組み込まれているともされるが、その詳細は明らかにされていない[40]
胸部換装機構
スターゲイザーは長期間の宇宙探査を目的としているため、無人運用のために自己対話型複列分散処理AIによる高度な自律性を備えている[34]。スターゲイザーには無人型のAIユニットを持つ胸部を持つが、人工知能には操縦データをフィードバックして未熟なAIに経験値を積む必要があるため、AIを内蔵する胸部ブロックはメインパイロット及びオペレーター用の複座シートを内蔵するコクピットユニットへと換装することで、有人での運用も可能としている[34][37]
手甲部パーツ
スターゲイザーの設定画には、腕部の籠手状パーツが外側に向けて矢印で指示されたものも存在するが[34][37]、詳細は不明。一方で、ここにヴォワチュール・リュミエールの受信パーツや、ビームシールドを搭載した事を推察した資料もみられる[41][注 16]
装備
ヴォワチュール・リュミエール
背部に装備された、巨大なリング状の惑星間推進システム。VLとも略される[35]シビリアンアストレイDSSDカスタムの電磁推進システムを経て開発されたもので[42]、フランス語で「光り輝ける運び手」を意味するこの惑星間スラスターはソーラーセイルの一種である[26][注 17]。バックパックの円環構造体(トーラス)はVLの受信機とスラスターを兼ねたユニットであり[35]、使用する際は表面に量子の膜[35]がコートされ[34][注 18]、そこで太陽より高速で放出される太陽風を受け止め[34]、量子鏡面ディラック干渉を経て[43]特殊なエネルギー変換を行い[35]、光圧を生み出し推進力とする[35][注 19]
リングは左右の多重関節アームによって支持され、形状が変化するため推力方向は調節可能となる[35]。理論上は推進剤を消費することなく無限に加速を得られるシステムである[45]。また、機体各部のスリットはヴォワチュール・リュミエール稼働時に黄色く発光するが、これは補助用の推進器となっている[34]
さらには外部から射入したレーザーや荷電粒子などを推進力に変換する事も可能で、ある種のレーザー推進的な側面を併せ持っている[26]。そのため、プロパルジョンビームを受けて爆発的な加速を行うことも可能としている。
システム稼働時には機体周囲に複数発生する光輪のような発光現象を伴う。この光輪は周囲空間へのエネルギー干渉の際発生し[35]、ある種の副作用的なものとして位置付けられる。これは推進力への変換の折に高速で周囲を対流する粒子であり、PS装甲を切断するほどの威力を持つほか、ビームシールドのようにリニアガンやビーム砲撃に干渉可能な特性を有する[39]。この発光現象は副産物ではあるものの、有事のときの機体の保険としてD.S.S.Dに認知されている[34]
スターゲイザーに搭載されたVLのユニットはバックパックとして取り外し可能となるが、その性能を完全に発揮するためにはスターゲイザー本体に備えられたVLの調整機能が必要となり、他の機体に装着したとしても運用は難しい[39]。尚、VLはスターゲイザーだけではなく、火星圏に居住する「マーシャン」が開発したデルタアストレイ、地球圏においても火星の技術を用い開発されたターンデルタ、ザフトとファクトリーがそれぞれ開発したデスティニーストライクフリーダムにも同名の近縁種的システムの存在がある[注 20]
ビームガンKSM71/J
ファントムペインによる襲撃戦で使用。シビリアンアストレイに装備されているものと同一。
その他
ゲーム『機動戦士ガンダムSEED DESTINY 連合vs.Z.A.F.T.II PLUS』以降のガンダムゲーム作品では(武装の少なさを補完する・ゲーム的妙味を出すためなのか)前述のVLのビームの形に指向性を持たせたボール・ド・リューヌ(球状・前者のみ)とオラージュ・ド・リューヌ(楕円の輪)の技が追加されたほか、オリジナル武装として遠隔操作式の機雷フラッシュマイン(『機動戦士ガンダム エクストリームバーサス フルブースト』でも登場する)やビームシールドが設定された。
劇中での活躍
ブレイク・ザ・ワールド事件発生による混乱の最中、南米フォルタレザ郊外のD.S.S.D技術開発センターよりシャトルで打ち上げられ、トロヤステーションへと運び込まれた。搬入後は同ステーションで開発されたVLユニットを実装し稼働試験を開始する。やがてオペレーション・フューリー発動後、地球連合・ザフト間の主戦場が宇宙へと移った頃、D.S.S.Dの出資者の一つである地球連合軍の第81独立機動群“ファントムペイン”が、スターゲイザーのAIユニットを欲して地球連合軍所属艦ナナバルクを差し向ける。
この時点でもAIは未成熟であった為、出撃の際は胸部ユニットを有人コクピットブロックに換装し、操縦席にはテストパイロットであるソル、オペレータ席にはセレーネが搭乗し実戦運用された。
非戦闘用MSながらその圧倒的な機動力で敵のスローターダガー部隊を翻弄し、エースのスウェンが乗るストライクノワールをも追い詰め、武装用のバッテリーがエネルギー切れとなると、VLによってストライクノワールと共に太陽方面へと飛び戦闘を終わらせた。

ライブラリアン編集

その他編集

ゲルフィニート編集

『機動戦士ガンダムSEED ASTRAY B』に登場。機体のデザインは、2003年に開催した『機動戦士ガンダムSEEDメカコンテスト』において電撃ホビーマガジン賞を受賞した作品をリファインしたものになっている[46]

公募の際はバチルスウエポンシステムのウイルス送信機能に加え、ザフトがガンダムに似せて開発したラウ・ル・クルーゼの専用機という設定で投稿されていた[46]

諸元
ゲルフィニート
Gel Finieto
型式番号 NMS-X07PO
特殊装備 バチルスウェポンシステム
搭乗者 ケナフ・ルキーニ
設定解説
アクタイオン・インダストリー社ザフトの次期主力MS選定コンペに出品した機体。機体形状は他の機体とは一線を画しており、頭部には六つ目のセンサーや両肩の4対の羽状ユニットを持つ。
コンペではMMI(マイウス・ミリタリー・インダストリー)社製のゲイツと採用を争ったが、装備の特殊性による汎用性の低さと、機体スペックの凡庸さを理由に採用を見送られた[47]。本機体はケナフ・ルキーニから提供された技術を洗練せずに導入した事が落選した要因の一つとされているが、ゲイツを開発したMMI社はプラントの国策企業であったため、アクタイオンは食い込む余地は当初から希薄だったとされている[46]。しかしながら、ルキーニに先導された形で本機を提出している[46]
アクタイオン・インダストリー社はこの機体の搭乗者にラウ・ル・クルーゼを想定しており、ケナフ・ルキーニを通して口利きを企てていた。これにラウ本人が感知していたかは定かではない[46]
機体そのものは不採用となったが、本機に用いられた技術の一部はザフトにおける量子通信技術に発展し、ドラグーンシステムのコントロールシステムの礎となった[46]
バチルスウェポンシステム
両肩の羽状ユニットに内蔵された本機独自の機能。バインダーユニットから機体周囲にミラージュコロイドを散布し、それをキャリアとして[46]「量子コンピュータウイルス[注 21]」を敵機に送信、コンピューターの外側に量子の揺らぎレベルで干渉し、汚染する特殊機能である[46]
ウイルスを感染させれば敵MSを意のままにコントロール可能であるが、コンピューターへのシールド(ゲルフィニート自体も感染を防ぐために施されている[46])によって防ぐことが可能であるため、一度効果が判明すれば対処は容易である[46]。また、このウイルスは量子コンピューターを用いていないマシンには効力がない[50]。加えて、ミラージュコロイドそのものの減衰から、ゲルフィニートが対象と離れれば、その効力は失われる[46]
なお、この技術は一族によって隠匿されたあと、改良発展型が一族に関連する部隊で運用されたテスタメントプロトセイバーに搭載されている。
劇中での活躍
試作型の1機が情報屋ケナフ・ルキーニの手に渡り、彼自身の操縦でロウ・ギュールレッドフレーム叢雲劾ブルーフレームセカンドLの前に現れる。量子コンピュータウイルスを駆使し2機を交戦させたが、量子コンピュータではない事からウイルスの影響を受けなかったAIコンピュータ「8(ハチ)」により存在が露見し、ブルーフレームセカンドLによって撃破された。

脚注編集

注釈編集

  1. ^ 本機は後にライブラリアンにより改造され、アストレイ ミラージュフレームとして運用されている。
  2. ^ 本項での表記は、テレビアニメ公式サイトの表記に準ずるものとする。
  3. ^ ガンダムコレクションやプラモデルキットなどでは「アカツキガンダム」と記述するものもみられる。
  4. ^ モルゲンレーテ社がストライクを製造していた折にその基礎設計を入手していた事により、その流用は可能となった[8]。そのため、アカツキは後続のアストレイとストライクガンダムを繋ぐミッシングリンク的な機体ともいえる[9]
  5. ^ 劇中ウズミはこの時まだ存命であったので、後に登場する「遺言」はじつは彼の「二枚舌」だったとも設定担当森田繁は語っている[8]
  6. ^ 機体の完成後も、は生前のウズミの意向により、オーブの意思を具現化した機体として厳重に秘匿され、カガリの専用機としてC.E.73の起動時まで極秘裏に調整・改修が続けられた[1]
  7. ^ ただし、デスティニーのブーメランで片腕が損傷する場面が見られた[6]
  8. ^ “Alba”はイタリア語で「暁」という意味である。
  9. ^ 他のストライカーパックを装備したシーンは劇中では無い。プラモデルなどでは一部のストライカーパックを装着できるが、肩アーマーの形や腕の形状がストライクと異なるため、完全に換装できるパックは限定される。これはストライクE(ストライクノワール)も同様である。
  10. ^ アニメーション「機動戦士ガンダムSEED DESTINY スペシャルエディションIII 運命の業火」においては中央部の黒色部分でミサイル攻撃を防ぐ描写が見られた。
  11. ^ ドラグーン・システムは使用時の量子通信に大量のエネルギーを消費する為、CE71年に開発された機体においては核動力源が必要不可欠とされていた[19]。しかしながら、CE73年にはアカツキの機動誘導ビーム砲塔、カオスの機動兵装ポッド、アストレイ ブルーフレームDデストロイのようにバッテリー機でありながらドラグーン・システムを導入した機体も見られた。
  12. ^ この機体のドラグーン・システムもエリカ・シモンズによって実装されたものであるが[8]、コントロールに必要な量子通信技術の入手先は定かではない。ただし、設定を担当した森田繁はCEの技術漏洩の事情に対し、「人材や資金の動きで技術も移入する事はあるため、完全な守秘は難しい」といった旨の発言をしている[8]
  13. ^ 画稿とイラストを参照[28]
  14. ^ 型式番号の2は火星において2番目に開発されたMSである事を現している[30]
  15. ^ 「機動戦士ガンダムSEED C.E.73 STARGAZER」アニメーション作中においては「Nジャマーキャンセラーの効果によってパワーセルしか使えない」といった旨の説明がなされているが、パワーセル以外の動力がどのようなものかは明らかにされていない。
  16. ^ スーパーロボット大戦K』ではビームシールドが追加されている。
  17. ^ ただし、ソーラーセイルは光を受けた時の反射で推進を行うのに対し、スターゲイザーのVLは太陽風やレーザーを推進力にエネルギー変換する[26]という違いがある。
  18. ^ 「機動戦士ガンダムSEED C.E.73 STARGAZER」アニメーション終盤では起動の為に大破したストライクノワールから電力を得た場面があるため、起動には相応の電力が必要なようである。
  19. ^ 監督いわく、歴代ガンダム至上最速[44]
  20. ^ デスティニーとストライクフリーダムに搭載されたVLは、DSSDからザフトへ提供された基礎技術をベースとしたものである[37]
  21. ^ ウイルスそのものは人間が携行するディスクに収められるものであり、MS戦以外の特殊部隊でも使用された[48]。しかし、第1次連合・プラント大戦以後は一族の手によって隠匿されている[49]

出典編集

[ヘルプ]
  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o 『機動戦士ガンダムSEED DESTINY MSエンサイクロペディア』一迅社、2008年11月、126-129頁。 (ISBN 978-4-7580-1126-6)
  2. ^ a b c d e f g h i 『1/144HG シラヌイアカツキガンダム』バンダイ、2006年1月、組立説明書。
  3. ^ 『機動戦士ガンダムSEED DESTINY MSエンサイクロペディア』一迅社、2008年11月、9頁。 (ISBN 978-4-7580-1126-6)
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関連項目編集