サウロロフス亜科Saurolophinae)は、ハドロサウルス科に属する恐竜の亜科。20世紀半ばから、鶏冠(クレスト)の発達したランベオサウルス亜科と比較して大まかに鶏冠を持たないグループである「ハドロサウルス亜科」として呼称されていた。しかし、ハドロサウルス亜科という名称はハドロサウルスに基づいており、これはランベオサウルス亜科やエドモントサウルスおよびサウロロフスといった他の伝統的な「ハドロサウルス亜科」よりも原始的であることが後の研究で判明した。このため、ハドロサウルス亜科という名称は却下ないしハドロサウルスのみに限定され、伝統的な「ハドロサウルス亜科」はサウロロフス亜科に改名された[1]。その後の系統解析では、ハドロサウルスは全ての非ランベオサウルス亜科のハドロサウルス科を含む単系統群に置かれ[2]、この観点ではハドロサウルス亜科が復活し、ハドロサウルス科はハドロサウルス亜科とランベオサウルス亜科に分かれる。

サウロロフス亜科
生息年代: 白亜紀後期, 83–66 Ma
Oxford Edmontosaurus.jpg
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 爬虫綱 Reptilia
亜綱 : 双弓亜綱 Diapsida
下綱 : 主竜形下綱 Archosauromorpha
上目 : 恐竜上目 Dinosauria
: 鳥盤目 Ornithischia
亜目 : 鳥脚亜目 Ornithopoda
上科 : ハドロサウルス上科
Hadrosauroidea
: ハドロサウルス科
Hadrosauridae
亜科 : サウロロフス亜科
Saurolophinae, Lambe1918
族と

2010年の Albert Prieto-Márquez による系統解析でサウロロフス亜科は初めて分岐群として定義された[3]。かつて鶏冠を持たないハドロサウルス科の分岐群はハドロサウルス亜科と命名されていたが、ハドロサウルス亜科という用語の使用は同年の Albert Prieto-Márquez によるハドロサウルス科の関係の包括的研究において疑問が呈された。以前ハドロサウルス亜科という名称は突起が発達していないハドロサウルス科の分岐群に用いられていたが、国際動物命名規約に反し、その模式種ハドロサウルス・フォーキイはその名を持つ分岐群から除外されると彼は主張した。彼は同年にハドロサウルス亜科をハドロサウルス・フォーキイのみを含む系統と定義し、それまでの分類の代わりにサウロロフス亜科の名称を用いた[3]

以下のクラドグラムは2012年の Godefroit らの解析に基づく[4]

バクトロサウルス

 ハドロサウルス科 
 ハドロサウルス亜科 

ハドロサウルス

ロフォロトン

 サウロロフス科 

ランベオサウルス亜科

 サウロロフス亜科 

ウラガサウルス

 ブラキロフォサウルス族 

アクリスタヴス

マイアサウラ

ブラキロフォサウルス

クリトサウルス

グリポサウルス・ラティデンス

グリポサウルス・ノタビリス

グリポサウルス・モヌメンテンシス

 サウロロフス族 

プロサウロロフス

サウロロフス・アングスティロストリス

サウロロフス・オズボーニ

 エドモントサウルス族 

ケルベロサウルス

クンドゥロサウルス

エドモントサウルス・アネクテンス

エドモントサウルス・レガリス

以下のクラドグラムは Prieto-Márquez による2013年の系統解析で明らかにされたもの。ランベオサウルス亜科の中と基盤的ハドロサウルス上科の間の関係性は示されていない。[1]

テルマトサウルス

ロフォロトン

 ハドロサウルス科 

ハドロサウルス

 サウロロフス科 

ランベオサウルス亜科

 サウロロフス亜科 
 ブラキロフォサウルス族 

アクリスタヴス

マイアサウラ

ブラキロフォサウルス

ケルベロサウルス

ウラガサウルス

 エドモントサウルス族 

シャントゥンゴサウルス

エドモントサウルス・アネクテンス

エドモントサウルス・レガリス

PASAC-1 (未命名のサビナス(メキシコ)の種)

 サウロロフス族 

プロサウロロフス

サウロロフス・モリシ

サウロロフス・オズボーニ

サウロロフス・アングスティロストリス

 クリトサウルス族

ナーショイビトサウルス

クリトサウルス・ホーネリ

クリトサウルス・ナヴァヨヴィウス

グリポサウルス・ラティデンス

グリポサウルス・ノタビリス

グリポサウルス・モヌメンテンシス

UTEP 37.7 (ビッグ・ベンドの未命名の種)

セケルノサウルス

ウィリナカケ

出典編集

  1. ^ a b Prieto-Márquez, A. (2013). “Skeletal morphology of Kritosaurus navajovius (Dinosauria:Hadrosauridae) from the Late Cretaceous of the North American south-west, with an evaluation of the phylogenetic systematics and biogeography of Kritosaurini”. Journal of Systematic Palaeontology in press. doi:10.1080/14772019.2013.770417. 
  2. ^ Xing, H.; Wang, D.; Han, F.; Sullivan, C.; Ma, Q.; He, Y.; Hone, D. W. E.; Yan, R. et al. (2014). “A New Basal Hadrosauroid Dinosaur (Dinosauria: Ornithopoda) with Transitional Features from the Late Cretaceous of Henan Province, China”. PLoS ONE 9 (6): e98821. doi:10.1371/journal.pone.0098821. PMC: 4047018. PMID 24901454. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4047018/. 
  3. ^ a b Prieto-Márquez, A. (2010). “Global phylogeny of Hadrosauridae (Dinosauria: Ornithopoda) using parsimony and Bayesian methods”. Zoological Journal of the Linnean Society 159 (2): 435–502. doi:10.1111/j.1096-3642.2009.00617.x. 
  4. ^ Godefroit, P.; Bolotsky, Y. L.; Lauters, P. (2012). Joger, Ulrich, ed. "A New Saurolophine Dinosaur from the Latest Cretaceous of Far Eastern Russia". PLoS ONE 7 (5): e36849. doi:10.1371/journal.pone.0036849. PMC: 3364265. PMID 22666331.