DS4は、フランスの自動車メーカー、DSオートモビルズが製造・販売するCセグメントハッチバック型乗用車である。当初はシトロエンブランドで販売していた。

初代(2011年 - 2018年)

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シトロエン・DS4→DSオートモビルズ・DS4
 
シトロエン・DS4 フロント
 
シトロエン・DS4 リア
概要
製造国   フランス
販売期間 2011年-2018年
ボディ
乗車定員 5名
ボディタイプ 5ドアハッチバック
駆動方式 FF
パワートレイン
エンジン ガソリン
1.6L 直列4気筒ターボ
ディーゼル
1.6L/2.0L 直列4気筒ターボ
最高出力 ガソリン
88-147kW(120-200PS)
/5500-6000rpm
ディーゼル
82-120kW(112-163PS)
/3600-4000rpm
最大トルク ガソリン
160-275Nm(16.3-28.0kgf·m)
/1400-4250rpm
ディーゼル
270-340Nm(27.5-34.7kgf·m)
/1750-2000rpm
変速機 5速/6速MT
6速EGS
サスペンション
マクファーソンストラット
トーションビーム式
車両寸法
ホイールベース 2,612 mm
全長 4,275mm
全幅 1,810mm
全高 1,523mm
その他
最小回転半径 5.3m
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2011年3月のジュネーブ・モーターショーに出展[1]、同年9月28日には日本で販売開始[2]。シトロエンの新ライン「DSシリーズ」の中枢車種として、DS3の上級版としての役割も担うクロスオーバーモデル。C4をベースにクーペの流麗さと適度なアイポイントを持つクロスオーバーSUVのデザインを融合したフォルムとなる。

クーペらしさを求めてリアドアのアウターハンドルはCピラー上に同化させており、デザインの自由度を高めた結果としてドアガラスは“はめ殺し”となっている[3]。第26回国際自動車フェスティバルにおいて「最も美しいクルマ」として選出された[4]

2015年8月、DSオートモビルズが独立ブランドとなったことに伴い、フェイスリフトモデルが発表された。改良モデルではシトロエンのバッジが廃止され、「DSウィング」グリルデザインが採用された。日本市場には2016年4月1日に発表された[5]。フロントグリル中央にDSロゴを配置し、「DS LEDビジョン」と呼ばれるヘッドライトを備える。また、車高を30mm高めた上でルーフレールとホイールモールを装着しSUV風のスタイルとした「DS4 クロスバック」も同時に登場した[6]

2016年7月12日、2.0Lクリーンディーゼル「BlueHDi」に6速ATを組み合わせた「DS 4シックBlueHDi DS LEDビジョンパッケージ」と「DS 4クロスバックBlueHDi」を発売した[7]

2017年1月10日、日本向けに高性能モデル「DS4 パフォーマンスライン」を限定20台で発売[8]。最高出力180psを発揮する2.0L4気筒BlueHDiクリーンターボディーゼルに、6速AT(EAT6)を組み合わせる。

世界的な販売不振により2018年にDS5と共に生産終了[9]

メカニズム

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エンジンは、ガソリンがBMWと共同開発した1.6L直噴ターボで、出力特性により88kW (120PS)、120kW(163PS)、147kW(200PS)の3種類、ディーゼルは1.6Lと2.0Lで高圧直噴(HDi)となり、82kW(112PS)、100kW(136PS)、120kW(163PS)の3種類を設定する。なお、1.6Lディーゼルの一部には「e-HDi」もラインナップされる。日本仕様は115kWの「Chic」と、147kWの「Sport Chic」の2グレード設定となる。

e-HDi
アイドリングストップシステム+エネルギー回生システムを備えるecoモード搭載(コンチネンタル製)。バッテリーの負担を大幅に軽減する「ウルトラキャパシタ」(en:Maxwell Technologies製)が採用され、再始動に要する時間は約0.4秒。
なお、ecoモードはボタンを押すことで解除可能となっている[10][11]

トランスミッションは、エンジンにより5速MT、6速MT、2ペダルMTの6速EGSが用意される。日本仕様は「Chic」に6速EGS、「Sport Chic」が6速MTを搭載する。なお、2012年9月25日よりChicは6速ATに換装されている[12]

2代目(2021年 -)

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DSオートモビルズ・DS4
 
フロント
 
リア
概要
製造国   ドイツ
販売期間 2021年-
ボディ
乗車定員 5名
ボディタイプ 5ドアハッチバック
駆動方式 FF
プラットフォーム EMP2
パワートレイン
エンジン ガソリン
1.2 L直列3気筒ターボ
1.6 L直列4気筒ターボ
ディーゼル
1.5 L直列4気筒ターボ
変速機 8速AT
車両寸法
ホイールベース 2,680 mm
全長 4,415mm
全幅 1,830mm
全高 1,495mm
テンプレートを表示

第2世代のDS4は、2021年2月3日に発表された。2021年の第4四半期から販売される。プラットフォームはEMP2を採用した。デザインはパリで行われたが、生産はドイツ・リュッセルスハイムオペル工場で行われる。

パワートレインに関しては、E-TENSEハイブリッドが用意され、ガソリンエンジンは130、180、または220馬力のPureTechシリーズが搭載される。グレードはDS 4、DS4クロス、DS 4パフォーマンスラインの3種類。

日本での販売

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日本市場には2022年4月28日にStellantisジャパンによって発売された[13]。導入されるのは、1.2リットル3気筒DOHCガソリンエンジンを搭載する「TROCADERO(トロカデロ)PureTech」「RIVOLI(リヴォーリ)PureTech」、1.5リットル4気筒DOHCディーゼルエンジンを搭載する「RIVOLI BlueHDi」、1.6リットル4気筒DOHCエンジンとフロント電動モーターを組み合わせ、システム全体で最高出力225PS、最大トルク360N・m(本国公表値)を発揮するPHEVモデルの「RIVOLI E-TENSE」。また、導入を記念して各パワートレインを搭載した特別仕様車「LA PREMIERE(ラ・プルミエール)」も同時発売した。

2023年7月4日、「DSコレクションモデル」第1弾として「Esprit de Voyage(エスプリ・ド・ヴォヤージュ)」を同年7月22日より発売すると発表[14]。グレード名は“感性豊かな旅の精神”という意味で台数限定での販売となる。エクステリアは、クリスタルパールのボディーカラーやシャイニーブラックのフロントDSウイングやサイドウィンドウモール、「CANNES(カンヌ)」と呼ばれるダイヤモンドカット加工とアンスラサイトグレーのマット色でアレンジした19インチアロイホイールが採用される。インテリアは専用2トーンインテリアや専用フロアマット、スライディングガラスルーフを装備する。

2023年11月30日、特別仕様車「パフォーマンスライン」を設定し、同日販売開始[15]。エクステリアはフロンドグリルやDSエンブレム、サイドウィンドウモールディング、ドアプロテクターをブラックであしらった。ボディーカラーには「グリプラチナム」を採用し、「ミネアポリス」と呼ばれる専用デザインの19インチホイールを装備する。インテリアは、ダッシュボードやフロントコンソール、シート、ドアトリムなどがアルカンターラ仕立てとした。

2024年1月12日、特別仕様車「オペラBlueHDi」を設定し、同日販売開始[16]。「クリオロブラウン」のナッパレザーインテリアをシートやダッシュボード、フロントコンソール、ドアトリムに採用している。また、車内にパールトップステッチを、シートにはウオッチストラップデザインを採用し、スライディングルーフを標準装備とした。ボディーカラーは「ブラン ナクレ」のみとなる。

2024年3月21日、全ラインナップにChatGPTの機能を搭載し販売開始[17]。DSオートモビルが提供するコネクテッドサービスにChatGPT(バージョン3.5)を新たに統合させた。

2024年5月9日、特別仕様車「RIVOLI BlueHDi Coquelicot Edition(コクリコエディション)」を設定し、同日販売開始[18]。スライディングガラスルーフを標準装備したほか、コクリコ(ひなげし)の花をイメージしたボディーカラー、「ルージュ ベルベット」を採用した。

2025年2月25日、新グレード「ETOILE(エトワール)」を発表し同日販売開始[19]。グレード名はフランス語で「星」を意味し、専用エンブレムやテップレザーシートなどを装備する。

脚注

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注釈

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出典

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  1. ^ 【ジュネーブモーターショー11】シトロエン DS4、市販モデルとコンセプトカーを出品”. Response. (2011年2月23日). 2020年8月5日閲覧。
  2. ^ シトロエンの新型クロスオーバー「DS4」発売”. web CG (2011年9月5日). 2020年8月5日閲覧。
  3. ^ “シトロエン「DS4」インプレッションリポート”. Car Watch. (2011年10月11日). https://car.watch.impress.co.jp/docs/news/impression/480543.html 
  4. ^ “シトロエン DS4~DSシリーズ第2弾はスパイシーな味付け!?”. Goo World. (2011年9月). http://www.gooworld.jp/impression/CITROEN/DS4/index.html 
  5. ^ DS 4がマイナーチェンジ 派生モデルも登場”. web CG (2016年4月1日). 2020年8月5日閲覧。
  6. ^ DS 4 にSUVテイストの「クロスバック」追加”. Response. (2016年4月1日). 2020年8月5日閲覧。
  7. ^ 「DS 4」シリーズにクリーンディーゼル搭載車”. web CG (2016年7月12日). 2020年8月5日閲覧。
  8. ^ 高性能モデル DS4 パフォーマンスライン、価格発表…355万円”. Response. (2017年4月4日). 2020年8月5日閲覧。
  9. ^ シトロエン DS5のモデルチェンジは2025年予定!?【随時更新】”. CarMe. 2020年8月5日閲覧。
  10. ^ “ジュネーブショーでマイクロハイブリッド車や「DS4」のコンセプトカーを展示”. Car Watch. (2011年2月23日). https://car.watch.impress.co.jp/docs/news/428729.html 
  11. ^ “米マクスウェル製電気二重層キャパシタ 省エネ対策の切り札に”. Finance Space info. (2011年3月18日). http://www.finance-space.info/article_6922.html 
  12. ^ シトロエン DS4 シック…新世代6速AT搭載[写真蔵]”. Response. (2012年12月3日). 2020年8月5日閲覧。
  13. ^ “最も美しいクルマ”『DS 4』日本デビュー、価格は398万円より”. Response. (2022年4月29日). 2023年9月5日閲覧。
  14. ^ ファッションの世界から着想を得た「DSコレクションモデル」登場 まずは「DS 4」と「DS 7」から”. web CG (2023年7月4日). 2025年3月4日閲覧。
  15. ^ 上質感とスポーティーさを高めた特別仕様車「DS 4パフォーマンスライン」発売”. web CG (2023年11月30日). 2025年3月4日閲覧。
  16. ^ 「DS 4」に上質なインテリアが自慢の特別仕様車「オペラBlueHDi」が登場”. web CG (2024年1月12日). 2025年3月4日閲覧。
  17. ^ ステランティス ジャパンがDSオートモビルブランドの全ラインナップにChatGPTの機能を標準装備”. web CG (2024年3月22日). 2025年3月4日閲覧。
  18. ^ 「DS 4」にガラスルーフを備えた赤い特別仕様車「コクリコエディション」が登場”. web CG (2024年5月9日). 2025年3月4日閲覧。
  19. ^ 「DS 4」と「DS 7」に「星」や「宮殿」を意味する新グレードが登場”. web CG (2025年2月25日). 2025年3月4日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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