ハイメ・ガルシア (野球)

メキシコの野球選手 (1986 - )

ハイメ・オマー・ガルシア・ロドリゲスJaime Omar García Rodríguez, 1986年7月8日 - )は、メキシコ合衆国タマウリパス州レイノサ出身の元プロ野球選手投手)。左投左打。愛称はJ Gar[1]

ハイメ・ガルシア
Jaime García
シカゴ・カブスでの現役時代
(2018年9月8日)
基本情報
国籍 メキシコの旗 メキシコ
出身地 タマウリパス州レイノサ
生年月日 (1986-07-08) 1986年7月8日(38歳)
身長
体重
6' 2" =約188 cm
215 lb =約97.5 kg
選手情報
投球・打席 投左打
ポジション 投手
プロ入り 2005年 MLBドラフト22巡目
初出場 2008年7月11日
最終出場 2018年10月1日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

経歴

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プロ入り前

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アメリカ合衆国テキサス州との国境沿いのレイノサで育った。野球好きの父ハイメ(同名)から野球を教わった。メキシコとの国境沿いのテキサス州ミッションシャリーランド高等学校英語版に進学した。高校時代にはメキシコのジュニア代表にも選ばれた。

2004年MLBドラフト30巡目(全体889位)でボルチモア・オリオールズから指名されたが契約には至らなかった。

プロ入りとカージナルス時代

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2005年MLBドラフト22巡目(全体680位)でセントルイス・カージナルスから指名され、プロ入り[2]

2008年7月10日にマーク・マルダー故障者リスト入りに伴ってメジャー昇格を果たし[3]、翌11日のピッツバーグ・パイレーツ戦でメジャーデビュー。しかし、8月26日の登板を最後にシーズンを終え、9月8日にトミー・ジョン手術を受けた[4]。この手術の後、新しい変化球の習得やフォームの修正が自身の成長につながったことから、手術を「人生最高の出来事」と振り返っている。

2009年はメジャーで登板することなくシーズンを終えた。

2010年スプリングトレーニングカイル・マクレラン英語版リッチ・ヒルらとの先発5番手に争いに勝ち、先発ローテーション入り[4]規定投球回に到達する163.1イニングを投げ13勝・防御率2.70を記録した。新人王の投票ではバスター・ポージージェイソン・ヘイワードに次ぐ3位だった[5]

2011年5月6日のミルウォーキー・ブルワーズ戦では8回1アウトまで完全試合の好投で2安打・1四球の完封勝利だった[6][7]。前半だけで9勝・2完封などの好調で7月にカージナルスと4年総額2750万ドルで契約延長した(2016年は1150万ドル、2017年は1200万ドルの球団オプション)[8]。このシーズンは13勝7敗・防御率3.56を記録した。K/9が7.27から7.21とほとんど変わらないのに対し、BB/9が3.53から2.31に、K/BBが2.06から3.12になった。2011年のワールドシリーズではクリス・カーペンターに次ぐ2番手投手として2先発(10イニング)で防御率1.80を記録し、勝利投手にはなれなかったものの、優勝に貢献した。

2012年は6月5日に肩を痛めて故障者リスト入りし、復帰に2カ月以上もかかった。復帰後は順調だったもののワシントン・ナショナルズとのディビジョンシリーズ第2戦で再び肩を痛め降板した。結局、この年は20試合の先発登板に留まり、規定投球回にも届かなかったが、投げた試合では好投して7勝7敗、防御率3.92という数字を記録した。被本塁打率も低く、12123回で7被本塁打であった。

 
セントルイス・カージナルスでの現役時代
(2013年9月14日)

2013年は序盤から好投が続いたが、突然崩れるようになった[9]。これは肩の関節唇を負傷していたのが原因で、その修復手術を受けるため、6月以降は戦線離脱した[9]。そのため、同年は9試合の登板に終わり、5勝2敗、防御率3.58、WHIP1.30という成績だった。

2014年は、前年に受けた手術もあって肘頭滑液包炎を発症し、復帰が5月18日にずれ込んだ[10]。更に、6月下旬に胸郭出口症候群に起因する肩痛を発症し、故障者リスト入りして手術を受ける羽目になった[10]。このように故障を頻発し、2年連続で10試合未満に留まる7試合の登板に終わった。

2015年、完全復活とはならなかったが、3年ぶりとなる20試合に先発登板。防御率2.43、自身3度目の2桁勝利となる10勝6敗、WHIP1.05を記録した。

2016年4月14日のミルウォーキー・ブルワーズ戦では1安打・1四球の完封に加えて13奪三振を記録した。カージナルスの左投手が13奪三振以上を記録したのは1970年5月21日のスティーブ・カールトン(16)以来だった[11]。このシーズンは久々に先発ローテーションどおりに32試合に登板して規定投球回にも達した。防御率4.67、2年連続2桁勝利となる10勝13敗・WHIP1.38を記録した。

ブレーブス時代

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アトランタ・ブレーブス時代
(2017年6月17日)

2016年12月1日にジョン・ガントクリス・エリス英語版ルーク・ダイクストラ英語版とのトレードで、アトランタ・ブレーブスへ移籍した[12][2]

2017年開幕前の2月8日に第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)メキシコ代表に選出された[13]が、3月2日に辞退した[14]

シーズンでは7月までに18試合に先発して4勝7敗、防御率4.30であった。7月21日のロサンゼルス・ドジャース戦で4勝目を記録したが、これがブレーブスでの最後の登板となった[15]

ツインズ時代

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2017年7月24日にワスカル・イノアとのトレードで、アンソニー・レッカー、金銭10万ドルと共にミネソタ・ツインズへ移籍した[16][2]。7月28日のオークランド・アスレチックス戦に移籍後初先発登板し、6.2回3失点で勝利投手となったが、これが結局ツインズでの唯一の登板となった[15]

ヤンキース時代

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2017年7月30日にディートリック・エンスザック・リッテルとのトレードで、ニューヨーク・ヤンキースへ移籍した[17]。8月4日のクリーブランド・インディアンス戦で移籍後初先発登板を果たした。3試合連続で異なる球団で先発登板したのは1891年以来128年ぶりのことだった[15]。移籍後は8試合に先発したが、0勝3敗、防御率4.82に終わった。オフの11月2日にFAとなった[18]

ブルージェイズ時代

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2018年2月15日にトロント・ブルージェイズと1年800万ドル(2019年は1000万ドルの球団側オプション、バイアウトは200万ドル、出来高は最大200万ドル)で契約を結んだ[19]。迎えたシーズンは25試合(先発13試合)に投げたが、3勝6敗、防御率5.93と振るわず、8月25日にDFAとなり[20]、29日に自由契約となった[2]

カブス時代

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2018年8月31日にシカゴ・カブスとマイナー契約を結び、傘下のAAA級アイオワ・カブスへ配属された[21]。9月4日にメジャー契約を結んでアクティブ・ロースター入りした[22]。移籍後は8試合に投げ、防御率4.70であった。オフの10月29日にFAとなった[2]

2019年1月9日に現役引退を表明した[23]

投球スタイル

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オーバースローから、最速95mph(約153km/h[24]・平均90mph(約145km/h)のシンカーフォーシーム速球系を中心に、決め球である平均82mph(約132km/h)のチェンジアップと、平均84mph(約135km/h)のスライダー、その他に平均74mph(約119km/h)のカーブ、平均88mph(約142km/h)のカッターなどを使用する。GB%がメジャー通算57%と高く、多彩な球種でゴロを打たせて取るピッチングスタイル[25]

通算成績は、奪三振率7.33、与四球率2.93、FIP3.77。

詳細情報

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年度別投手成績

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W
H
I
P
2008 STL 10 1 0 0 0 1 1 0 3 .500 69 16.0 14 4 8 0 1 8 3 0 10 10 5.63 1.38
2010 28 28 1 1 1 13 8 0 0 .619 695 163.1 151 9 64 4 3 132 4 1 64 49 2.70 1.32
2011 32 32 2 2 0 13 7 0 0 .650 826 194.2 207 15 50 2 2 156 12 1 100 77 3.56 1.32
2012 20 20 0 0 0 7 7 0 0 .500 515 121.2 136 7 30 1 0 98 12 1 58 53 3.92 1.36
2013 9 9 0 0 0 5 2 0 0 .714 234 55.1 57 6 15 0 0 43 3 0 26 22 3.58 1.30
2014 7 7 0 0 0 3 1 0 0 .750 177 43.2 39 6 7 0 3 39 1 0 20 20 4.12 1.05
2015 20 20 0 0 0 10 6 0 0 .625 510 129.2 106 6 30 0 3 97 4 0 37 35 2.43 1.05
2016 32 30 1 1 0 10 13 0 0 .435 741 171.2 179 26 57 3 7 150 8 0 94 89 4.67 1.38
2017 ATL 18 18 0 0 0 4 7 0 0 .364 474 113.0 108 12 41 4 1 85 5 3 58 54 4.30 1.32
MIN 1 1 0 0 0 1 0 0 0 1.000 29 6.2 8 0 3 0 0 7 0 0 3 3 4.05 1.65
NYY 8 8 0 0 0 0 3 0 0 .000 170 37.1 41 6 20 1 0 37 3 0 25 20 4.82 1.63
'17計 27 27 0 0 0 5 10 0 0 .333 673 157.0 157 18 64 5 1 129 8 3 86 77 4.41 1.41
2018 TOR 25 13 0 0 0 3 6 0 3 .333 335 74.1 76 13 38 1 3 69 6 1 53 49 5.93 1.53
CHC 8 1 0 0 0 0 1 0 1 .000 34 7.2 6 0 6 1 0 4 1 0 4 4 4.70 1.57
'18計 33 14 0 0 0 3 7 0 4 .300 369 82.0 82 13 44 2 3 73 7 1 57 53 5.82 1.54
MLB:10年 218 188 4 4 0 70 62 0 7 .530 4809 1135.0 1128 110 369 17 23 925 62 7 552 485 3.85 1.32

年度別守備成績

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投手












2008 STL 10 1 2 0 0 1.000
2010 28 5 23 0 0 1.000
2011 32 3 22 2 2 .926
2012 20 3 22 1 0 .962
2013 9 0 11 0 0 1.000
2014 7 1 7 0 1 1.000
2015 20 2 30 2 1 .941
2016 32 7 28 3 1 .921
2017 ATL 18 3 21 2 2 .923
MIN 1 0 1 0 0 1.000
NYY 8 1 6 0 0 1.000
'17計 27 4 28 2 2 .941
2018 TOR 25 2 7 3 0 .750
CHC 8 2 2 0 0 1.000
'18計 33 4 9 3 0 .813
通算 218 30 182 13 7 .942
  • 太字は当該ポジションでリーグ1位

表彰

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MLB

記録

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MLB
MiLB

背番号

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  • 64(2008年、2018年9月8日 - 同年終了)
  • 54(2010年 - 2017年7月23日)
  • 24(2017年7月25日 - 7月29日)
  • 34(2017年8月1日 - 同年終了)
  • 57(2018年 - 同年8月24日)

脚注

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  1. ^ Yanks Players Weekend nicknames explained” (英語). MLB.com (2017年8月24日). 2017年8月27日閲覧。
  2. ^ a b c d e MLB公式プロフィール参照。2019年1月10日閲覧。
  3. ^ Matthew Leach (2008年7月10日). “Mulder's injury opens door for Garcia” (英語). MLB.com. 2016年12月2日閲覧。
  4. ^ a b Joe DiGiovanni (2010年4月9日). “Cards' Garcia eager for return” (英語). MLB.com. 2010年5月3日閲覧。
  5. ^ 2010 Awards Voting”. Baseball-Reference.com. 2021年7月25日閲覧。
  6. ^ UPDATE: Jaime Garcia gives up first walk, hit in eighth inning - MLB”. NBCスポーツ (2011年5月6日). 2021年7月25日閲覧。
  7. ^ Milwaukee Brewers at St. Louis Cardinals Box Score, May 6, 2011”. Baseball-Reference.com (2011年5月6日). 2021年7月25日閲覧。
  8. ^ Cardinals sign pitcher Jaime Garcia to a four-year deal”. FOXニュース (2011年7月13日). 2021年7月25日閲覧。
  9. ^ a b 友成那智、村上雅則『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2014』廣済堂出版、2014年、340頁。ISBN 978-4-331-51809-0 
  10. ^ a b 友成那智、村上雅則『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2015』廣済堂出版、2015年、339頁。ISBN 978-4-331-51921-9 
  11. ^ Cardinals' Jaime Garcia dominates Brewers hitters with 1-hitter”. USAトゥデイ (2016年4月14日). 2021年7月25日閲覧。
  12. ^ Braves trade for Cards lefty Garcia” (英語). MLB.com (2016年12月1日). 2016年12月2日閲覧。
  13. ^ A-Gon, Davis lead Mexico's WBC '17 roster” (英語). MLB.com (2017年2月8日). 2017年8月27日閲覧。
  14. ^ [1] Team Mexico Baseball (@teammexicobaseball) - Instagram (2017年3月2日) 2017年8月27日閲覧
  15. ^ a b c Slugger 2017年12月号増刊 2017MLB総決算:メジャーリーガー555人&全30球団通信簿 21頁
  16. ^ Rhett Bollinger (2017年7月24日). “Twins wrap deal with Braves for Garcia” (英語). MLB.com. 2017年7月25日閲覧。
  17. ^ Steve Adams (2017年7月30日). “Yankees Acquire Jaime Garcia” (英語). MLB Trade Rumors. 2017年7月31日閲覧。
  18. ^ Key free agents for all 30 MLB teams” (英語). MLB.com (2017年11月5日). 2017年12月30日閲覧。
  19. ^ Gregor Chisholm (2018年2月16日). “Blue Jays sign lefty Garcia to 1-year deal” (英語). MLB.com. 2018年2月18日閲覧。
  20. ^ Aaron Rose (2018年8月25日). “Blue Jays designate Garcia for assignment” (英語). MLB.com. 2018年8月27日閲覧。
  21. ^ Carrie Muskat (2018年8月31日). “Cubs sign veteran lefty Garcia to Minors deal” (英語). MLB.com. 2018年9月6日閲覧。
  22. ^ Carrie Muskat (2018年9月4日). “Cubs call up lefty Garcia; Smyly impresses” (英語). MLB.com. 2018年9月6日閲覧。
  23. ^ Daniel Kramer (2019年1月9日). “Veteran Jaime Garcia plans to retire” (英語). MLB.com. 2019年1月10日閲覧。
  24. ^ 2010年シーズン記録
  25. ^ FanGraphs

関連項目

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外部リンク

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