ツチトリモチ科(ツチトリモチか、Balanophoraceae)は、一見キノコに似ているが、菌類ではなく、双子葉植物である。新エングラー体系ではツチトリモチ目に、クロンキスト体系ではビャクダン目に属しているが、APG植物分類体系では「分類未確定」になっている。寄生性の植物からなる一群である。

ツチトリモチ科
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
: ビャクダン目 Santalales
: ツチトリモチ科 Balanophoraceae
下位分類群

本文参照

概要

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ツチトリモチ科の植物は、他の植物のに寄生する植物である。地下茎は塊状となり、地上へは花序(花茎)だけが顔を出す。葉はないか、あるいは鱗片状に退化した鱗片葉を持つ。根は寄生根で短く、これが寄主の組織に根付く。植物体は葉緑素を持たず、黄色又は赤色に呈す。花序は肉穂花序で、丸いか楕円形の頭のような部分の表面に多数の小さな花をつける。花は両性か雌雄異花で、どちらもごく簡単な構造になっている。雄花は花弁があるものもあるが、雌花はほとんど雌しべのみといった姿であり、微小である。

分類

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ツチトリモチ科には、ツチトリモチ属Balanophora)一属が含まれる。ツチトリモチ属は、世界に約80種が知られ、アジアマレーシアマダガスカルオーストラリアポリネシアに分布する。日本には、下記の7種類の生育が確認されている。

リュウキュウツチトリモチ B. fungosa J. R. et G. Forster(=B. kuroiwai Makino
沖縄諸島尖閣諸島オセアニア等に分布する広域分布種。寄主はクロヨナオオバギ等。雌雄同株で、花穂は帯紅色。
ツチトリモチ B. japonica Makino
日本固有種で、本州(紀伊半島)から南西諸島口永良部島)に分布。寄主はクロキハイノキ等。雌雄異株で、花穂は真紅色。
オオスミツチトリモチ B. mashimoi Akuzawa
日本固有種で、九州南部に分布。花穂は円形で、橙色。
ミヤマツチトリモチ B. nipponica Makino
日本固有種で、本州(秋田県岩手県以南)から九州南部までの山地に分布。温帯性の種。寄主はカエデ等。花穂はやや細長く、黄色味を帯びる。
キイレツチトリモチ B. tobiracola Makino
九州から南西諸島、台湾に分布。トベラシャリンバイ等多くの種に寄生する。花穂はやや細長く、黄白色。
ヤクシマツチトリモチ B. yakushimensis Hatsu. et Masam.
日本固有種で、九州南部、種子島?、屋久島に分布。花穂はやや細長く、真紅色。
ユワンツチトリモチ B. yuwanensis Agusawa et Sakuta
日本固有種で、奄美大島及び徳之島?に分布。花穂は円形で、橙褐色。

参考文献

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  • 鹿児島県環境生活部環境保護課編 『鹿児島県の絶滅のおそれのある野生動植物-鹿児島県レッドデータブック植物編-』 財団法人鹿児島県環境技術協会、2003年。