フォード・フィエスタWRC
フィエスタWRC(フィエスタ ダブリューアールシー、Fiesta World Rallycar)は、Mスポーツによって開発されたワールドラリーカー。2017年から世界ラリー選手権に参戦する[8][注釈 1]。2017年型フォード・フィエスタをベース車両としており、2011年シーズンから2016年シーズンにかけて参戦したフォード・フィエスタ RS WRCの後継モデルとして開発された。
![]() エルフィン・エバンスとダニエル・バリットがドライブするフィエスタWRC | |||||||||
カテゴリー | FIA ワールドラリーカー | ||||||||
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コンストラクター | Mスポーツ | ||||||||
先代 | フォード・フィエスタ RS WRC | ||||||||
後継 | フォード・プーマ ラリー1 | ||||||||
主要諸元[1][2] | |||||||||
サスペンション(前) | マクファーソン・ストラット | ||||||||
サスペンション(後) | マクファーソン・ストラット | ||||||||
全長 | 4,130 mm | ||||||||
全幅 | 1,875 mm | ||||||||
ホイールベース | 2,493 mm | ||||||||
エンジン | 1,600 cc (97.6 cu in) 直列4気筒 直噴ターボエンジン | ||||||||
トランスミッション | Mスポーツ/リカルド製 6速 油圧式 シーケンシャルギアボックス 機械式ディファレンシャル(前後)+ アクティブ・センター・ディファレンシャル | ||||||||
重量 | 1,190 kg | ||||||||
タイヤ | |||||||||
主要成績 | |||||||||
チーム |
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ドライバー | |||||||||
コンストラクターズ | 2017年 | ||||||||
ドライバーズタイトル | 2017年 | ||||||||
初戦 |
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初勝利 |
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最終勝利 |
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戦績編集
フィエスタWRCはデビュー戦である2017年のラリー・モンテカルロで優勝するなどはやくから成果を上げ[9]、初年度に5勝を挙げた(セバスチャン・オジェ/ジュリアン・イングラシアが2勝、オット・タナク/マルティン・ヤルベオヤが2勝、エルフィン・エヴァンス/ダニエル・バリットが1勝)。オジェとイングラシアはドライバーズ/コドライバーズ選手権において5度目のタイトルを獲得し[10]、Mスポーツは2007年以来となるマニファクチャラーズタイトルを獲得した[10]。
2018年からは、フォードがセミワークス支援を行うものの、タナク/ヤルヴェオヤの離脱とリソース不足から前年ほどの戦闘力はなく、Mスポーツはマニュファクチャラーズ選手権を放棄してオジェ/イングラシア組一強体制を敷いた。中盤ではヒュンダイのティエリー・ヌービル/ニコラ・ジルソウルとトヨタのタナク/ヤルヴェオヤの後塵を拝したが、粘り強い走りでオジェ/イングラシアは6年連続のチャンピオンに輝いた。
2019年は、オジェ/イングラシアも離脱したが、エヴァンス/スコット・マーティン組がツール・ド・コルスの最終SSまでトップを快走するなど、マシンの速さが本物であることを証明している。
2020年は、テーム・スニネン/ヤルモ・レーティネン組がエースへと昇格した。ラリー・メキシコではチームメイトがアクシデントに見舞われる中で、最後まで完走し、表彰台に立った。
世界ラリー選手権における成績編集
獲得したタイトル編集
年 | タイトル | 競技者 | 出走数 | 勝利数 | 表彰台数 | ポイント |
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2017 | FIA世界ラリー選手権ドライバーズチャンピオン | セバスチャン・オジェ | 13 | 2 | 9 | 232 |
FIA世界ラリー選手権コドライバーズチャンピオン | ジュリアン・イングラシア | 13 | 2 | 9 | 232 | |
FIA世界ラリー選手権マニファクチャラーズチャンピオン | MスポーツWRT | 39 | 5 | 19 | 428 |
優勝したラリー編集
年 | No. | イベント名 | 路面 | ドライバー | コドライバー | エントラント |
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2017 | 1 | ラリー・オートモービル・モンテカルロ | 混合 | セバスチャン・オジェ | ジュリアン・イングラシア | MスポーツWRT |
2 | ラリー・ド・ポルトガル | グラベル | セバスチャン・オジェ | ジュリアン・イングラシア | MスポーツWRT | |
3 | ラリー・イタリア・サルデーニャ | グラベル | オット・タナク | マルティン・ヤルベオヤ | MスポーツWRT | |
4 | ADACラリー・ドイチュラント | ターマック | オット・タナク | マルティン・ヤルベオヤ | MスポーツWRT | |
5 | ウェールズ・ラリーGB | グラベル | エルフィン・エヴァンス | ダニエル・バリット | MスポーツWRT | |
2018 | 6 | ラリー・オートモービル・モンテカルロ | 混合 | セバスチャン・オジェ | ジュリアン・イングラシア | Mスポーツ・フォードWRT |
7 | ラリー・メキシコ | グラベル | セバスチャン・オジェ | ジュリアン・イングラシア | Mスポーツ・フォードWRT | |
8 | ツール・ド・コルス | ターマック | セバスチャン・オジェ | ジュリアン・イングラシア | Mスポーツ・フォードWRT |
注釈編集
- ^ フォードは2018年の世界ラリー選手権にマニュファクチャラーとして復帰し、Mスポーツは「Mスポーツ・フォード・ワールドラリーチーム」としてフィエスタWRCの開発とオペレーションを行う[3]。
出典編集
- ^ https://www.wrc.com/en/wrc/about-wrc/rally-cars/ford-fiesta-rs-wrc/page/796-18667-796--.html
- ^ http://juwra.com/ford_fiesta_wrc_2017.html
- ^ a b “Ford Returns to WRC Entry List”. wrc.com (WRC Promoter GmbH). (2017年12月22日) 2017年12月22日閲覧。
- ^ “Rallye Montecarlo Entry List”. acm.mc (Automobile Club Montecarlo). (2017年1月5日) 2017年1月5日閲覧。
- ^ a b “Ogier and Tänak lead M-Sport in 2017”. m-sport.co.uk (M-Sport World Rally Team). (2016年12月12日) 2016年12月12日閲覧。
- ^ “Rally Poland Entry List”. rajdpolski.pl (rajdpolski.pl). (2017年6月5日) 2017年6月5日閲覧。
- ^ Klien, Jamie (2018年12月21日). “Tidemand gets two WRC rounds with M-Sport”. motorsport.com (Motorsport Network) 2018年12月21日閲覧。
- ^ “M-Sport lifts covers off 2017 Fiesta WRC”. speedcafe.com. (2016年12月10日) 2016年12月16日閲覧。
- ^ “World Rally Championship – Results Monte Carlo” (英語). wrc.com (WRC Promoter GmbH). (2017年1月22日) 2017年1月26日閲覧。
- ^ a b Beer, Matt (2017年10月29日). “Rally GB: Ogier seals title as dominant Evans claims first win”. Autosport (Motorsport Network) 2017年10月30日閲覧。
関連項目編集
外部リンク編集
受賞 | ||
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先代 フォルクスワーゲン・ポロ R WRC |
オートスポーツ・アワード ラリーカー・オブ・ザ・イヤー 2017 |
次代 |