フアン・ゴンザレス

プエルトリコの野球選手 (1969 - )
ホワン・ゴンザレスから転送)

フアン・アルベルト・ゴンサレス・バスケスJuan Alberto Gonzalez Vázquez, 1969年10月20日 - )は、プエルトリコ出身の元プロ野球選手外野手)。右投右打。

フアン・ゴンザレス
Juan González
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 プエルトリコの旗 プエルトリコ自治連邦区アレシボ
生年月日 (1969-10-20) 1969年10月20日(54歳)
身長
体重
6' 3" =約190.5 cm
210 lb =約95.3 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 外野手
プロ入り 1986年 ドラフト外でテキサス・レンジャーズと契約
初出場 1989年9月1日 ロイヤルズ
最終出場 2005年5月31日 ツインズ
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

経歴 編集

6歳から7歳の頃に野球を始め、同じ町に住んでいたイバン・ロドリゲスと一緒にリトルリーグでプレイしていた[1]1986年5月、16歳のゴンザレスはテキサス・レンジャーズと契約。1989年9月1日のロイヤルズ戦で10代でメジャーデビューを果たし、1990年はシーズン終盤にメジャーで25試合に出場。1991年にレギュラーの座を掴み27本塁打・102打点をマークした。

1992年に43本塁打を放ち、最多本塁打のタイトルを獲得し、翌1993年も46本塁打を放ち、2年連続で本塁打のタイトルを獲得。打率.310と昨年より5分上昇。オールスターに初めて選出され、試合前日に行われたホームランダービーケン・グリフィー・ジュニアと共に7本を記録し、プレーオフでグリフィーを破り優勝している[2]。しかし、1994年は19本塁打と前年の半分以下の本塁打しか放てず、1995年にはヘルニアのため50試合以上を欠場[3]

1996年は5月に故障者リスト入りとなったが[3]、134試合に出場し、出場試合数を上回る144打点を記録。MVPの投票ではゴンザレスが290に対しロドリゲスは287と3ポイント差でMVPを受賞した[4]ニューヨーク・ヤンキースとのディビジョンシリーズではチームは1勝3敗で敗退となったが、ゴンザレスはケン・グリフィー・ジュニアの同シリーズ記録に並ぶ5本塁打を記録した [3]

シーズン終了後にウィンターリーグに出場したが、左手親指の靱帯を切ったため、1997年の開幕を故障者リスト入りで迎えた[5]。5月から出場し、7月15日から8月1日にかけて自己ワーストとなる17試合連続で本塁打を放てずにいたが[5]、最終的に42本塁打を記録した。もし、シーズン当初から出場していたらロジャー・マリスのシーズン最多本塁打記録61を更新したのではと騒がれた[1]

1998年は開幕から打点を量産。4月に35打点を挙げ、ティノ・マルティネスが持つ4月の打点の月間記録34を更新し[1]、1935年のハンク・グリーンバーグ以来史上2人目となるオールスター開催までに100打点を達成[3]ハック・ウィルソンのメジャーシーズン打点記録191を更新するのではと言われたが、後半失速し157打点でシーズンを終え、2年ぶりにMVPを受賞[3]

1999年はシーズン中から問題が絶えず、オールスター戦を前に先発に起用されたくないから出たくないと言ったため問題となった[1]。野球殿堂の奉納試合ではユニフォームのパンツが体にフィットしないことを理由に出場拒否した[1]。プレイオフでは昨年に続けてディビジョンシリーズでヤンキースに3連敗に終わり、打線も3試合で1点しか挙げられずにいた。ゴンザレスはシリーズ第2戦で本塁打を放ち、チーム唯一の得点を記録したが、走者を得点圏に置いた場面で6打数0安打に終わり、やり玉に挙げられた[1]。年俸総額を7,650万ドルから6,500万ドルへ削減しようと[1]11月2日にレンジャーズとタイガースで3対6の大型トレードでタイガースへ放出[6]

タイガースは2001年から8年総額1億4,000万ドルの契約延長を打診されたが[3]2000年シーズン終了後にFA宣言をし、2001年1月9日にクリーブランド・インディアンスと契約[6]

しかし、ホセ・カンセコ暴露本禁断の肉体改造』で名指しで「筋肉増強剤のアナボリックステロイド使用をした」、と書き立てられたり、故障が多発したりで踏んだり蹴ったりの状態である。2005年には、故障からメジャー復帰を果たしたその試合で、故障を再発させたというエピソードも残っている。2006年北米独立リーグでプレイしている。

2008年2月セントルイス・カージナルスとマイナー契約。

2019 WBSCプレミア12ではプエルトリコ代表の監督を務める。

詳細情報 編集

年度別打撃成績 編集

















































O
P
S
1989 TEX 24 68 60 6 9 3 0 1 15 7 0 0 2 0 6 0 0 17 4 .150 .227 .250 .477
1990 25 95 90 11 26 7 1 4 47 12 0 1 0 1 2 0 2 18 2 .289 .316 .522 .838
1991 142 595 545 78 144 34 1 27 261 102 4 4 0 3 42 7 5 118 10 .264 .321 .479 .800
1992 155 632 584 77 152 24 2 43 309 109 0 1 0 8 35 1 5 143 16 .260 .304 .529 .833
1993 140 587 536 105 166 33 1 46 339 118 4 1 0 1 37 7 13 99 12 .310 .368 .632 1.000
1994 107 463 422 57 116 18 4 19 199 85 6 4 0 4 30 10 7 66 18 .275 .330 .472 .802
1995 90 374 352 57 104 20 2 27 209 82 0 0 0 5 17 3 0 66 15 .295 .324 .594 .918
1996 134 592 541 89 170 33 2 47 348 144 2 0 0 3 45 12 3 82 10 .314 .368 .643 1.011
1997 133 579 533 87 158 24 3 42 314 131 0 0 0 10 33 7 3 107 12 .296 .335 .589 .924
1998 154 669 606 110 193 50 2 45 382 157 2 1 0 11 46 9 6 126 20 .318 .366 .630 .996
1999 144 629 562 114 183 36 1 39 338 128 3 3 0 12 51 7 4 105 10 .326 .378 .601 .979
2000 DET 115 496 461 69 133 30 2 22 233 67 1 2 0 1 32 3 2 84 13 .289 .337 .505 .842
2001 CLE 140 595 532 97 173 34 1 35 314 140 1 0 0 16 41 5 6 94 18 .325 .370 .590 .960
2002 TEX 70 296 277 38 78 21 1 8 125 35 2 0 0 1 17 1 1 56 11 .282 .324 .451 .775
2003 82 346 327 49 96 17 1 24 187 70 1 1 0 1 14 1 4 73 10 .294 .329 .572 .901
2004 KC 33 138 127 17 35 4 1 5 56 17 0 1 0 1 9 1 1 19 3 .276 .326 .441 .767
2005 CLE 1 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 .000 .000 .000 .000
MLB:17年 1689 7155 6556 1061 1936 388 25 434 3676 1404 26 19 2 78 457 74 62 1273 184 .295 .343 .561 .904
  • 各年度の太字はリーグ最高

年度別守備成績 編集



左翼(LF) 中堅(CF) 右翼(RF)




































1989 TEX 1 0 0 0 0 ---- 24 54 0 2 0 .964 -
1990 1 1 0 0 0 1.000 12 27 0 0 0 1.000 4 3 0 0 0 1.000
1991 92 112 1 2 0 .983 93 192 5 3 1 .985 8 6 0 1 0 .857
1992 31 68 3 2 0 .973 123 309 6 8 2 .975 1 2 0 0 0 1.000
1993 129 266 5 4 0 .985 - -
1994 107 223 9 2 2 .991 - -
1995 5 6 1 0 0 1.000 - -
1996 - - 102 161 6 2 0 .988
1997 - - 64 126 6 4 1 .971
1998 - - 116 210 8 4 2 .982
1999 - - 131 223 7 4 3 .983
2000 DET - - 66 118 2 1 0 .992
2001 CLE - - 119 214 10 3 3 .987
2002 TEX - - 62 117 9 1 1 .992
2003 - - 57 98 10 0 2 1.000
2004 KC - - 29 52 3 3 1 .948
MLB 366 676 19 10 2 .986 252 582 11 13 3 .979 759 1330 61 23 13 .984
  • 各年度の太字はリーグ最高

タイトル  編集

表彰  編集

脚注 編集

  1. ^ a b c d e f g インタビュアー 鉄矢多美子「パワーヒッター革命 ホワン・ゴンザレス[レンジャーズ]」『月刊メジャー・リーグ』1998年7月号、ベースボールマガジン社、1998年、雑誌 08625-7、3 - 7頁。
  2. ^ Home Run Derby (1990-1999)” (英語). Baseball-almanac.com/. 2008年9月18日閲覧。
  3. ^ a b c d e f The Ballplayers Juan Gonzalez” (英語). BaseballLibrary.com. 2009年3月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年9月17日閲覧。
  4. ^ Baseball Awards Voting for 1996” (英語). Baseball-Reference.com. 2008年9月17日閲覧。
  5. ^ a b 「28球団レギュラー・シーズン回顧 テキサス・レンジャーズ/誤算だらけの投打に補強策も空回りして3位へと転落」『月刊メジャー・リーグ』1997年11月号、ベースボールマガジン社、1997年、雑誌 08625-11、92頁。
  6. ^ a b Juan Gonzalez Transactions” (英語). Baseball-Reference.com. 2008年9月17日閲覧。

関連項目 編集

外部リンク 編集