ミゲル・カイロ

ベネズエラの野球選手 (1974 - )

ミゲル・ヘスス・カイロMiguel Jesús Cairo, 1974年5月4日 - )は、ベネズエラアンソアテギ州アナコ英語版出身の元プロ野球選手内野手)、コーチ、監督。右投右打。

ミゲル・カイロ
Miguel Cairo
ワシントン・ナショナルズ ベンチコーチ
シンシナティ・レッズでの現役時代
(2011年6月26日)
基本情報
国籍 ベネズエラの旗 ベネズエラ
出身地 アンソアテギ州アナコ英語版
生年月日 (1974-05-04) 1974年5月4日(49歳)
身長
体重
6' 1" =約185.4 cm
225 lb =約102.1 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 内野手
プロ入り 1990年 アマチュアFA
初出場 1996年4月17日
最終出場 2012年10月3日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
選手歴
コーチ歴

経歴 編集

現役時代 編集

1990年にアマチュア・フリーエージェントでロサンゼルス・ドジャースと契約してプロ入り。その後、マイナー時代にシアトル・マリナーズトロント・ブルージェイズを渡り歩き、1996年、ブルージェイズでメジャーデビュー。本格的にメジャーに定着し始めたのはタンパベイ・デビルレイズへ移籍して二塁手のレギュラーに定着した1998年からである。その後、ニューヨーク・ヤンキースニューヨーク・メッツでプレーしてテレビ中継などにも登場することが多かったため、日本人にも比較的知られている選手である。

 
ニューヨーク・ヤンキース時代
(2004年6月26日)

2003年オフにFAとなり、ヤンキースへ移籍した。当初は内野のユーティリティープレイヤーとして期待される。しかし、正三塁手として考えられていたアーロン・ブーンが、トレーニングとして禁止されていたバスケットボールで左膝靭帯断裂の重傷を負い、開幕どころかシーズン中のプレーすら危ぶまれる緊急事態となった。そのため、カイロは三塁手としてプレーすると予想されていた。しかし、テキサス・レンジャーズが、史上最高年俸選手でMLB屈指のスラッガーであるアレックス・ロドリゲスを放出したがっていることを知ったヤンキースは、アルフォンソ・ソリアーノとの交換でロドリゲスを獲得した。ロドリゲスはチームの象徴であるデレク・ジーターと同じ遊撃手であったため、どちらかが二塁手もしくは三塁手にコンバートされると考えられていたが、結局、ロドリゲスが三塁手にコンバートされた。

2004年は上述のようなチーム事情もあり、ソリアーノ放出で空いた二塁手に同じユーティリティーでよりパワーのあるエンリケ・ウィルソン英語版とのツープラトンで起用された。開幕当初はチームで唯一不安視されていたポジションであったが、このツープラトン起用がうまくはまり、シーズントータルで打率.292をマーク。二塁以外にも一塁、三塁、遊撃を守り、攻守において地区優勝への原動力の一端となった。同年オフにFAとなり、ニューヨーク・メッツへ移籍した。ここでもユーティリティーとして起用された。

2008年1月にマリナーズと1年契約を結んだ。ウィリー・ブルームクイストと共に内野のユーティリティーとして起用された。

2009年2月15日にフィラデルフィア・フィリーズとマイナー契約を結んだ[1]。シーズン途中にメジャーに復帰し、一旦メジャー契約を解除されたものの8月23日に再びフィリーズで昇格を果たした[2]

2010年シーズン前にシンシナティ・レッズとマイナー契約を結び、開幕ロースター入りした。レッズには2012年まで在籍し、同年限りで引退した。

引退後 編集

引退翌年の2013年よりレッズのGM特別補佐に就任し、2017年まで務めた。

2018年からの3年間はヤンキースの育成部門で内野守備コーディネイターを務めた[3]

2020年11月、2021年シーズンよりシカゴ・ホワイトソックスのベンチコーチに就任することが発表された[4]。現役時代に選手として仕え、同時にホワイトソックスの監督に就任したトニー・ラルーサとは首脳陣の1人となって再会した。

2022年シーズン途中から健康面の不安でチームを離れたラルーサに変わり、監督代行を務め、シーズン終了後に退任した。

2024年からはワシントン・ナショナルズのベンチコーチを務める[5]

選手としての特徴 編集

ポストシーズンに相性が良く、通算打率は.328(61打数20安打)。特にカージナルスの一員として出場した2002年のポストシーズンでは打率.529(17打数9安打)の大当たりだった。個性的なバッティングフォームで、高目の球に強い。またかなりの俊足であり、カージナルス時代は盗塁数が減っていたが、2004年から2006年までの3年間は二桁盗塁を記録している。

家族 編集

息子のクリスチャン・カイロ2019年MLBドラフト4巡目(全体130位)でクリーブランド・インディアンスから指名され[6]、プロ入りしている。

詳細情報 編集

年度別打撃成績 編集

















































O
P
S
1996 TOR 9 30 27 5 6 2 0 0 8 1 0 0 0 0 2 0 1 9 1 .222 .300 .296 .596
1997 CHC 16 32 29 7 7 1 0 0 8 1 0 0 0 0 2 0 1 3 0 .241 .313 .276 .589
1998 TB 150 558 515 49 138 26 5 5 189 46 19 8 11 2 24 0 6 44 9 .268 .307 .367 .674
1999 120 508 465 61 137 15 5 3 171 36 22 7 7 5 24 0 7 46 13 .295 .335 .368 .703
2000 119 417 375 49 98 18 2 1 123 34 28 7 6 5 29 0 2 34 7 .261 .314 .328 .642
2001 CHC 66 147 123 20 35 3 1 2 46 9 2 1 7 1 16 1 0 21 3 .285 .364 .374 .738
STL 27 35 33 5 11 5 0 1 19 7 0 0 0 0 2 0 0 2 1 .333 .371 .576 .947
'01計 93 182 156 25 46 8 1 3 65 16 2 1 7 1 18 1 0 23 4 .295 .366 .417 .783
2002 108 208 184 28 46 9 2 2 65 23 1 1 6 2 13 2 3 36 5 .250 .307 .353 .660
2003 92 290 261 41 64 15 2 5 98 32 4 1 3 7 13 1 6 30 6 .245 .289 .375 .664
2004 NYY 122 408 360 48 105 17 5 6 150 42 11 3 12 4 18 1 14 49 7 .292 .346 .417 .763
2005 NYM 100 367 327 31 82 18 0 2 106 19 13 3 12 5 19 2 4 31 5 .251 .296 .324 .620
2006 NYY 81 244 222 28 53 12 3 0 71 30 13 1 5 3 13 0 1 31 4 .239 .280 .320 .600
2007 54 121 107 12 27 7 0 0 34 10 8 1 4 1 8 1 1 19 3 .252 .308 .318 .626
STL 28 72 67 8 17 2 2 0 23 5 2 1 1 0 3 0 1 5 0 .254 .296 .343 .639
'07計 82 193 174 20 44 9 2 0 57 15 10 2 5 1 11 1 2 24 3 .253 .303 .328 .631
2008 SEA 108 250 221 34 55 14 2 0 73 23 5 2 6 1 18 0 4 32 6 .249 .316 .330 .646
2009 PHI 27 47 45 6 12 2 1 1 19 2 0 0 1 0 0 0 1 4 1 .267 .283 .422 .705
2010 CIN 91 226 200 30 58 12 0 4 82 28 4 0 2 3 17 0 4 30 4 .290 .353 .410 .763
2011 102 276 245 33 65 8 2 8 101 33 3 4 3 3 18 1 7 36 3 .265 .330 .412 .742
2012 70 156 150 9 28 7 2 1 42 13 4 0 0 1 4 0 1 20 4 .187 .212 .280 .492
MLB:17年 1490 4392 3956 504 1044 193 34 41 1428 394 139 40 86 43 243 9 64 482 82 .264 .314 .361 .675

背番号 編集

  • 3(1996年、2005年、2007年途中 - 同年終了)
  • 20(1997年 - 1998年途中)
  • 13(1998年途中 - 1999年、2008年)
  • 1(2000年)
  • 40(2001年 - 同年途中)
  • 41(2001年途中 - 2003年途中、2004年、2007年 - 同年途中、2021年 - )
  • 9(2009年)
  • 43(2010年 - 2012年)

脚注 編集

  1. ^ Phillies agree to deal with Cairo
  2. ^ Phils place Dobbs on DL, call up Cairo Infielder tweaks right calf, to get examined in Philadelphia” (英語). MLB.com (2009年8月23日). 2009年8月30日閲覧。
  3. ^ Robert M. Pimpsner (2020年2月19日). “New Names Join Yankees Player Development For 2020” (英語). Pinstriped Prospects.com. 2021年4月18日閲覧。
  4. ^ Scott Merkin (2020年11月18日). “Cairo to be White Sox bench coach” (英語). MLB.com. 2021年1月23日閲覧。
  5. ^ Leo Morgenstern (2023年11月7日). “Nationals To Hire Miguel Cairo As Bench Coach”. MLB Trade Rumors. 2024年1月25日閲覧。
  6. ^ Rodney Page (2019年6月5日). “Calvary Christian shortstop Christian Cairo drafted in fourth round by Clevelyand Indians” (英語). Tampa Bay Times. 2021年4月18日閲覧。

関連項目 編集

外部リンク 編集