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ミッシェル」("Michelle")はイギリスロックバンドビートルズの楽曲である。

ミッシェル
ビートルズ楽曲
収録アルバム ラバー・ソウル
リリース 1965年12月3日
録音 アビー・ロード・スタジオ
1965年11月3日
ジャンル ポップ[1]シャンソン
時間 2分42秒 (stereo version)
2分40秒 (monaural version)
レーベル パーロフォン
作詞者 レノン=マッカートニー
プロデュース ジョージ・マーティン

ラバー・ソウル 収録曲
A面
  1. ドライヴ・マイ・カー
  2. ノルウェーの森
  3. ユー・ウォント・シー・ミー
  4. ひとりぼっちのあいつ
  5. 嘘つき女
  6. 愛のことば
  7. ミッシェル
B面
  1. 消えた恋
  2. ガール
  3. 君はいずこへ
  4. イン・マイ・ライフ
  5. ウェイト
  6. 恋をするなら
  7. 浮気娘
オールディーズ 収録曲
A面
  1. シー・ラヴズ・ユー
  2. フロム・ミー・トゥ・ユー
  3. 恋を抱きしめよう
  4. ヘルプ!
  5. ミッシェル
  6. イエスタデイ
  7. アイ・フィール・ファイン
  8. イエロー・サブマリン
B面
  1. キャント・バイ・ミー・ラヴ
  2. バッド・ボーイ
  3. デイ・トリッパー
  4. ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!
  5. 涙の乗車券
  6. ペイパーバック・ライター
  7. エリナー・リグビー
  8. 抱きしめたい

解説編集

本作は1965年12月3日に発売された6作目の盤公式オリジナルイギリス・アルバムラバー・ソウル』のA面7曲目に収録された。レノン=マッカートニー名義となっているが、実質的にはポール・マッカートニーの作品で、ミドルエイトのみジョン・レノンが書いている[2][3]リード・ボーカルはポール・マッカートニー。

作詞に関して、ポールは「ミッシェル」の中間部(ブリッジ)をコーラスにしていたが、ジョンがポールがハミングした「ミッシェル」を聴き、中間部で「ラヴ」を強調してはどうかと提案して、ポールがそれを受け入れた[4]というのが定説となっているが、一方、1980年にジョン・レノンは「真ん中の8小節までがポール。そのあとにぼくはニーナ・シモンのフレーズを入れようと言った。(歌いながら)♪アイ・ラブ・ユー♪ これさ。フランス語にするのはポールのアイデア」と語っている[5]

この曲の冒頭にフランス語の歌詞が出てくるが、これは「ミッシェル、ぼくの美しい人 とてもよくにあう言葉だ」という意味である。Michelleの語尾と「ぼくの美しい人(ma belle)」の語尾がともにelleで、韻をふんでいることを歌っている。公式発表曲の中で、フランス語が使用されている唯一の曲である。このフランス語の歌詞作りに際して、ポールがフランス語を正しく話すことができないことから、(ジョンとポールの出会いのきっかけを作った)アイヴァン・ヴォーンの妻・ジャン=ヴォーンがフランス語監修で協力している[6]

この曲はメロディラインがフランスのシャンソンに似ていることから「ザ・ビートルズ公式発表曲の中で唯一のシャンソン」と関連書籍に書かれている。冒頭のコードのルート音が半音階で下降するコード進行は、クリシェと呼ばれる典型的なパターンであるが、ポール自身は「ジョルジュ・ビゼー風に書いた」と発言している。これは、オペラカルメン』のハバネラ「恋は野の鳥」(半音階で下降するメロディが特徴)をヒントにしたものであろう。ベースはコード進行とは異なる複雑な進行をしている。

本作は1967年度グラミー賞最優秀楽曲賞を獲得した。英米ではシングル・カットされなかったが、米国においては『ラバー・ソウル』の曲の中で最もラジオで流れた人気のある楽曲だった[7][注釈 1]。英日ではおのおの4曲入りEPもしくはコンパクト盤で発売され、日本ではこのコンパクト盤の存在を根拠にラジオのヒットパレードの上位につけた。ちなみに、アルゼンチンデンマークイタリアニュージーランドノルウェー等の国ではシングル・カットされ、年間チャートで1位を記録している[9]

ポール・マッカートニーは、この曲を2010年6月2日ガーシュウィン賞授賞式で披露した。その際に、バラク・オバマ大統領夫人の名前が偶然にも曲と同じミシェル・オバマ[注釈 2]であったことから「大統領が僕を許してくれることを祈るよ」というジョークを言って、大統領含む観客の笑いを誘った[10][11]

ミキシング編集

モノラル・ヴァージョンとステレオ・ヴァージョンで曲の長さが異なる。モノラルは2分33秒であるのに対し、ステレオ派2分40秒となっている。なお、アメリカで発売されたモノラル・ヴァージョンは2分43秒となっている[12]

1987年にCD化された際に、ジョージ・マーティンによってリミックスが施されている(詳細はラバーソウル#CDでの発売を参照)。

なお、この曲は最後のギターソロの途中でフェードアウトして終わるが、日本では未発売となっている音楽ゲームThe Beatles: Rock Band』には、フェードアウトせずに最後まで演奏されるアレンジで収録されている。そのため、曲の長さも2分50秒まで延びている。

プレイヤー編集

収録盤編集

カバー・バージョン編集

  • デヴィッド・アンド・ジョナサン - 全米16位。
  • ビリー・ヴォーン - 全米77位[15]
  • バド・シャンク - 全米65位。
  • オーヴァーランダーズ - 1966年のシングル。全英1位、全米18位[15]
  • デヴィッド・アンド・ジョナサン - 1966年のシングル。全英11位、全米18位[15]
  • 鈴木康博 - 1988年のトリビュート・アルバム『抱きしめたい』に収録。
  • イギー・ポップ - 2012年のアルバム『Après』に収録。

脚注編集

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注釈編集

  1. ^ 1987年のインタビューにて、ポールは「イエスタデイ」と同じく、シングル・カットすることを躊躇していたことを語っている。[8]
  2. ^ 日本語では「ッ」がないなどの違いがあるが、英語のスペリングは同じである。
  3. ^ ただし、イアン・マクドナルドは、バッキング・ボーカルとドラムスもポールによる演奏ではないかと推測している[14]

出典編集

  1. ^ Hamelman, Steven L. (2004). But is it Garbage?: On Rock and Trash. University of Georgia Press. pp. 10–. ISBN 978-0-8203-2587-3. 
  2. ^ Turner, Steve (2010). A Hard Day's Write: The Stories Behind Every Beatles Song. New York, NY: Harper Paperbacks. p. 94. ISBN 0-06-084409-4. 
  3. ^ Sheff, David (2000). All We Are Saying: The Last Major Interview with John Lennon and Yoko Ono. New York, NY: St. Martin's Press. p. 137. ISBN 0-312-25464-4. 
  4. ^ Miles, Barry (1997). Many Years from Now. New York, NY: Henry Holt and Company. p. 367. ISBN 0-8050-5249-6. 
  5. ^ 『PLAYBOYインタビュー ジョン・レノン』、1981年 集英社 165頁
  6. ^ Turner, Steve (2010). A Hard Day's Write: The Stories Behind Every Beatles Song. New York, NY: Harper Paperbacks. p. 94. ISBN 0-06-084409-4. 
  7. ^ Kruth, John (2015). This Bird Has Flown: The Enduring Beauty of Rubber Soul, Fifty Years On. Milwaukee, WI: Backbeat Books. p. 8-9. ISBN 978-1-61713-573-6. 
  8. ^ Hertsgaard, Mark (1996). A Day in the Life: The Music and Artistry of the Beatles. London: Pan Books. p. 131-32. ISBN 0-330-33891-9. 
  9. ^ Ovens, Don (dir. reviews & charts) (1966-05-14). “Billboard Hits of the World”. Billboard. https://books.google.com.au/books?id=0ygEAAAAMBAJ&pg=PT1&dq=%22Norwegian+Wood%22&hl=en&sa=X&ved=0ahUKEwiw_Y2qloLcAhVHW7wKHdYNAvkQ6AEIKTAA#v=onepage&q=%22Michelle%22&f=false 2019年1月5日閲覧。. 
  10. ^ Associated Press (2010年6月3日). “McCartney rocks White House, croons 'Michelle'”. The Denver Post. http://www.denverpost.com/nationworld/ci_15215359?source=rss 2019年1月5日閲覧。 
  11. ^ Miller, Sunlen (2010年6月3日). “ABC News television news report”. World News Now (ABC News) 
  12. ^ Kruth, John (2015). This Bird Has Flown: The Enduring Beauty of Rubber Soul, Fifty Years On. Milwaukee, WI: Backbeat Books. p. 134-44. ISBN 978-1-61713-573-6. 
  13. ^ Everett, Walter (2001). The Beatles as Musicians: The Quarry Men through Rubber Soul. New York, NY: Oxford University Press. p. 326-27. ISBN 0-19-514105-9. 
  14. ^ MacDonald, Ian (2005). Revolution in the Head: The Beatles' Records and the Sixties (Second Revised ed.). London: Pimlico (Rand). p. 174-75. ISBN 1-84413-828-3. 
  15. ^ a b c Joel Whitburn's Top Pop Singles 1955-1990 - 0-89820-089-X