シソ科
シソ科(シソか、Lamiaceae)はシソ目に属する植物の科の一つ。
シソ科 | ||||||||||||||||||
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ホトケノザ(Lamium amplexicaule)
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分類(APG III) | ||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||
Lamiaceae Martynov | ||||||||||||||||||
タイプ属 | ||||||||||||||||||
Lamium L. | ||||||||||||||||||
属 | ||||||||||||||||||
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シソのほか、バジル、ミント、ローズマリー、ラベンダー、セージ、マジョラム、オレガノ、タイム、レモンバームなど多くのハーブを含むほか、サルビア、ムラサキシキブ、アジュガなど非芳香性の品種も園芸品種として栽培される。
一般にシソ科植物は茎は四角く葉が対生で特有の香気を有する[1]。多くは草本であるが低木や高木の種もある。
葉は対生で、精油を含むため香気に富むものが多い。茎の断面は正方形のものが多い。花は合弁でふつう左右相称、花冠は唇形となる。普通、両性花をつける。果実は4個に分かれ種子を1個ずつ含む。
ヒトに与える影響
編集芳香成分として、セスキテルペンのパチョロール(patchouli alcohol)を主成分として含む事が多い[2]、これらの成分はストレス軽減などの作用を示す。また、抗変異原性があるものが多いと報告されている[3]。 シソ科であるバジル、ハッカ、オレガノ、タイム、ローズマリー、セージが、デザイナーフーズ計画でがん予防に有効性があると考えられる第3類に分類されている[4][5][6]。 シソ科を中心としたいくつかの植物の抽出物を動物にあたえることで大腸粘膜を傷害するおそれのある有害な物質である硫化水素やメタンチオールの発生を抑制することが報告されている[7]。
保留名について
編集シソ科は大きく重要な科であるため、その特徴として花冠の形が唇状であることから、新エングラー体系までは学名としてLabiataeが用いられ、昭和中期までその訳語として唇形科(しんけいか)または「くちびるばな科」がもちいられていた。APG植物分類体系では、すべての植物の科名が、典型属に由来するものに改められ、シソ科もオドリコソウ属Lamiumに由来するLamiaceaeに改められた。
しかし長年使われてきたLabiataeを廃止すると混乱が起きるため、保留名として旧名が認められており、最新の書籍でも保留名と新名が併記されていることが多い。
下位分類
編集約250属7000種を含む。7つの亜科と、それに含まれない幾つかのクレードから構成される[8]。
- ムラサキシキブ属 Callicarpa
- Prostantheroideae - 14属250種
- Symphorematoideae - 3属24種
- ハマゴウ亜科 Viticoideae - 4属285種
- Tectona clade - 7属110種
- キランソウ亜科 Ajugoideae - 約30属1000種
- イヌハッカ亜科 Nepetoideae - 約110属3600種
- ナギナタコウジュ連 Elsholtzieae
- ラベンダー連 Lavanduleae
- ハッカ連 Mentheae
- カワミドリ属 Agastache(カワミドリ、アニスヒソップ)
- イヌハッカ属 Nepeta
- オレガノ属 Origanum (オレガノ、マジョラム)
- ハッカ(メンサ)属 Mentha (ミント)
- ムシャリンドウ属 Dracocephalum
- カキドオシ属 Glechoma
- ヤナギハッカ属 Hyssopus(ヒソップ)
- ウツボグサ属 Prunella (ウツボグサ)
- シロネ属 Lycopus
- ラショウモンカズラ属 Meehania (ラショウモンカズラ)
- セイヨウヤマハッカ属 Melissa (レモンバーム)
- ヤグルマハッカ属 Monarda
- アキギリ属(サルビア属) Salvia (サルビア、セージ)
- キダチハッカ属 Satureja (セイバリー)
- ローズマリー属 Rosmarinus
- イブキジャコウソウ属 Thymus (タイム、イブキジャコウソウ)
- トウバナ属 Clinopodium トウバナ、クルマバナ
- メボウキ連 Ocimeae
- Garrettia
- タツナミソウ亜科 Scutellarioideae - 5属380種
- オドリコソウ亜科 Lamioideae - 約70属1200種
系統
編集次のような系統樹が得られている[8]。
シソ目 |
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脚注
編集- ^ 植物 鹿児島県、2020年1月28日閲覧。
- ^ 伊藤謙、「シソ科植物由来芳香成分の鎮静活性に関する研究」『学位論文』甲第18220号 2014年, doi:10.14989/doctor.k18220, 京都大学
- ^ 上田成子, 桑原祥浩, 平位信子 ほか、「野菜類およびキノコ類の抗変異原性について」『日本食品工業学会誌』 1991年 38巻 6号 p.507-514, doi:10.3136/nskkk1962.38.507, 日本食品科学工学会
- ^ 矢野友啓、「食品成分による癌予防」『日本未病システム学会雑誌』 2006年 12巻 1号 p.56-58, doi:10.11288/mibyou1998.12.56
- ^ Caragay, A. B.: Cancer preventive foods and ngredients. Food Technol. 4 : 65-68, 1992.
- ^ 大澤俊彦、「がん予防と食品」『日本食生活学会誌』 2009年 20巻 1号 p.11-16, doi:10.2740/jisdh.20.11
- ^ 大腸機能と大腸細菌の話
- ^ a b Jan Thomas Johansson. “Lamiaceae”. The Phylogeny of Angiosperms. 2014年5月4日閲覧。