ロード・ジム』(Lord Jim)は、ジョセフ・コンラッドの長編小説。雑誌『ブラックウッド』に1899年10月から1900年11月にかけて掲載された。1880年に起きた、メッカへの巡礼者たちを載せたの沈没事故から構想し、そのとき船を見捨てて逃げたジムという船員を造形して、その生涯を描いた作品である。

作品はジムの生涯を語り手のマーロウが語るという形式で進められる。マーロウは、コンラッドの代表作、短編『若さ(青春)』、中編『闇の奥』にも語り手として登場する。訳者柴田元幸は「世界文学全集」(河出書房新社)の解説で、作者には『若さ』から『ロード・ジム』までの3作をひとまとめにする構想があったと記している。

池澤夏樹は、自選の世界文学全集(上記)に、本作品を選んだ理由を「卑怯者に栄光はあるか? これは最も現代的な古典であり名作である」と記している。

主な日本語訳 編集

1965年のイギリス映画 編集

ロード・ジム
Lord Jim
監督 リチャード・ブルックス
脚本 リチャード・ブルックス
原作 ジョセフ・コンラッド
『ロード・ジム』
製作 リチャード・ブルックス
出演者 ピーター・オトゥール
ジェームズ・メイソン
クルト・ユルゲンス
イーライ・ウォラック
ジャック・ホーキンス
音楽 ブロニスラウ・ケイパー
撮影 フレディ・ヤング
編集 アラン・オスビストン
製作会社 キープ・フィルムズ
配給 コロンビア ピクチャーズ
公開   1965年2月15日
  1965年10月1日
上映時間 154分
製作国   イギリス
言語 英語
興行収入 $5,000,000[1]
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脚色・製作・監督をリチャード・ブルックスが務めた。出演はピーター・オトゥールジェームズ・メイソンなど。配給はコロンビア ピクチャーズスーパー・パナビジョン作品[2]

日本では、伊丹十三斎藤達雄が出演したことでも知られる[3][4]

あらすじ 編集

キャスト 編集

役名 俳優 日本語吹替
TBS NET
ロード・ジム ピーター・オトゥール 木下秀雄 井上孝雄
ブラウン ジェームズ・メイソン 雨森雅司 池田忠夫
コーネリアス クルト・ユルゲンス 須永宏 横森久
将軍 イーライ・ウォラック 大塚周夫 穂積隆信
マーロウ ジャック・ホーキンス 塩見竜介 藤本譲
スタイン ポール・ルーカス 千葉耕一 宮川洋一
少女 ダリア・ラヴィ
ションバーグ エイキム・タミロフ
ドゥ・ラミン村長 斎藤達雄
ワリス 伊丹十三 石森達幸
パトナ号船長 ウォルター・ゴテル
フランス人将校 クリスチャン・マルカン

脚注 編集

  1. ^ This figure consists of anticipated rentals accruing distributors in North America. See "Big Rental Pictures of 1965", Variety, 5 January 1966 p 6
  2. ^ Variety film review; February 24, 1965, page 6.
  3. ^ 伊丹十三さんのモノ、コト、ヒト。15”. ほぼ日刊イトイ新聞 (2009年7月1日). 2021年12月19日閲覧。
  4. ^ 斎藤 達雄”. コトバンク. 2021年12月19日閲覧。

外部リンク 編集