ワークフォース

イギリスの競走馬

ワークフォースWorkforce2007年3月14日 - )はイギリス競走馬。おもな勝ち鞍は2010年ダービーステークス凱旋門賞

ワークフォース
欧字表記 Workforce
品種 サラブレッド
性別
毛色 鹿毛
生誕 2007年3月14日(17歳)
King's Best
Soviet Moon
母の父 Sadler's Wells
生国 イギリスの旗イギリス
生産者 Juddmonte Farms
馬主 Khaled Abdullah
調教師 Sir Michael Stoute(イギリス)
競走成績
生涯成績 9戦4勝
獲得賞金 1,184,768ポンド
2,285,600ユーロ
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経歴 編集

2歳時 (2009年) 編集

9月グッドウッド競馬場のメイドンでデビュー。最後の直線で馬群の隙間を縫うようにして鋭く伸び、6馬身差で圧勝したそのデビュー戦の内容が高く評価され、2010年クラシック戦線の有力候補に名を連ねた[1]。続いてオータムステークス (G3) に向かう計画もあったが、結局2歳時は1戦のみで翌年に備えることとなった[2]

3歳時 (2010年) 編集

2000ギニーダービーともに、前売りで上位人気となっていたワークフォースだが、結局2000ギニーには出走せず[3]ダンテステークスから始動することになった。そのダンテステークスでは、ケープブランコから3馬身4分の1差の2着に敗れた。関係者は、キャリアの浅さによる幼いレースぶりと、堅すぎた馬場を敗因に挙げている[4]。この敗戦により、陣営はダービーへの出走を一時的に保留としたが、1週前の追い切りでの満足いく動きを見て、ダービー出走を決めた[5][6]。こうして迎えたダービーでは、最後の直線で一頭だけ異次元の末脚を繰り出し、7馬身差で圧勝した。勝ちタイムの2分31秒33は、従来のレコードタイムを1秒近く更新する驚異的なものであった。騎手を務めたライアン・ムーアはこれがダービー初制覇となった。

ダービー制覇後、古馬との初対戦となったキングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスでは単勝オッズ1.7倍の1番人気に推されたが、見せ場なく5着に敗れた。その後ぶっつけで凱旋門賞に出走し、最後の直線で馬群に包まれたものの内から追い込みナカヤマフェスタとの叩き合いの末にアタマ差で勝利した。ブリーダーズカップ・ターフには出走登録をしたものの、馬場状態が堅すぎる (Firm) と判断し、出走を取り消した。

4歳時 (2011年) 編集

4歳初戦となったブリガディアジェラードステークスに単勝2.0倍の1番人気で出走、ポエットに1馬身差で勝利した。エクリプスステークスではソーユーシンクの2着、続くキングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスではナサニエルの2着に敗れる。その後ぶっつけで連覇のかかった凱旋門賞に出走、後方からレースを進めたが直線で伸びることなく12着という結果に終わった。このレースを最後に引退した。

引退後 編集

競走馬引退後は社台グループに売却され、2012年より種牡馬となり、社台スタリオンステーションで繋養された[7]

2016年12月、アイルランドに売却されて次年から同国のノックハウススタッドで繋養されることが報じられた[8]

競走成績 編集

出走日 競馬場 競走名 頭数 人気 着順 騎手 斤量 距離(馬場) タイム 着差 1着(2着)馬
2009.09.23 グッドウッド メイドン 12 1人 1着 R.ムーア 129lb 芝7f(Gd) 1:27.40 6馬身 (Oasis Dancer)
2010.05.13 ヨーク ダンテS G2 5 2人 2着 R.ムーア 126lb 芝10f88y(GF) 3 1/4馬身 Cape Blanco
0000.06.05 エプソム ダービー G1 12 3人 1着 R.ムーア 126lb 芝12f10y(GF) R2:31.33 7馬身 (At First Sight)
0000.07.24 アスコット KGVI&QES G1 6 1人 5着 R.ムーア 121lb 芝12f(Gd) 17馬身 Harbinger
0000.10.03 ロンシャン 凱旋門賞 G1 19 4人 1着 R.ムーア 56kg 芝2400m(VS) 2:35.30 (Nakayama Festa)
0000.11.06 チャーチルダウンズ BCターフ GI 7 - 取消 R.ムーア 122lb 芝12f(Fm) Dangerous Midge
2011.05.26 サンダウン ブリガディアジェラードS G3 8 1人 1着 R.ムーア 133lb 芝10f7y(GS) 2:09.97 1馬身 (Poet)
0000.07.02 サンダウン エクリプスS G1 5 2人 2着 R.ムーア 133lb 芝10f7y(Gd) 1/2馬身 So You Think
0000.07.23 アスコット KGVI&QES G1 5 1人 2着 R.ムーア 133lb 芝12f(GS) 2 3/4馬身 Nathaniel
0000.10.02 ロンシャン 凱旋門賞 G1 16 4人 12着 R.ムーア 59.5kg 芝2400m(Gd) 14 1/2馬身 Danedream

※馬場状態: Fm=Firm, GF=Good to Firm, Gd=Good, GS=Good to Soft, VS=Very Soft
※タイム欄のRはレコード勝ちを示す。

種牡馬成績 編集

主な産駒 編集

母の父としての主な産駒 編集

血統表 編集

Workforce血統ミスタープロスペクター系 / Northern Dancer 5×3=15.63% Special 5×4=9.38% Native Dancer 5×5=6.25%) (血統表の出典)

*キングズベスト
1997 鹿毛 アメリカ
父の父
Kingmambo
1990 鹿毛 アメリカ
Mr. Prospector Raise a Native
Gold Digger
Miesque Nureyev
Pasadoble
父の母
Allegretta
1978 栗毛 イギリス
Lombard Agio
Promised Lady
Anatevka Espresso
Almyra

Soviet Moon
2001 鹿毛 アイルランド
Sadler's Wells
1981 鹿毛 アメリカ
Northern Dancer Nearctic
Natalma
Fairy Bridge Bold Reason
Special
母の母
Eva Luna
1991 青鹿毛 アメリカ
Alleged Hoist the Flag
Princess Pout
Media Luna Star Appeal
Sounion F-No.14-c

血統背景 編集

セントレジャーステークスとパークヒルステークスは距離が約2900m、ロワイヤリュー賞は2500m、グレートヴォルティジュールステークスは約2400mと、母系はスタミナ色が強い。配合面ではNureyevとSadler's Wellsの4分の3同血クロスが発生しているのが特徴。

脚注 編集

  1. ^ Workforce introduced at 20-1 for 2010 Classics” (英語). RACING POST.com. 2010年6月6日閲覧。
  2. ^ Exciting Workforce finished for the season” (英語). RACING POST.com. 2010年6月6日閲覧。
  3. ^ Workforce set to miss 2,000 Guineas” (英語). RACING POST.com. 2010年6月6日閲覧。
  4. ^ Blanco stuns Dante rivals to get O'Brien off mark” (英語). RACING POST.com. 2010年6月6日閲覧。
  5. ^ Lingfield gallop to decide Workforce's Derby bid” (英語). RACING POST.com. 2010年6月6日閲覧。
  6. ^ Workforce set for Derby after pleasing workout” (英語). RACING POST.com. 2010年6月6日閲覧。
  7. ^ 凱旋門賞馬ワークフォース、社台購入
  8. ^ 種牡馬ワークフォースがアイルランドへ売却、サンケイスポーツ、2016年12月10日、2021年3月3日閲覧。
  9. ^ アトミックフォース”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2023年9月26日閲覧。
  10. ^ ジャスティンカフェ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2023年6月11日閲覧。
  11. ^ アーテルアストレア”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2023年10月5日閲覧。
  12. ^ ダヴァンティ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2023年9月24日閲覧。

参考文献 編集

外部リンク 編集