メインメニューを開く

概要編集

賀茂別雷神社(上賀茂神社)とともに賀茂氏氏神を祀る神社であり、両社は賀茂神社(賀茂社)と総称される。両社で催す賀茂祭(通称 葵祭)で有名。

本殿には、右に賀茂別雷命(上賀茂神社祭神)の母の玉依姫命、左に玉依姫命の父の賀茂建角身命を祀るため「賀茂御祖神社」と呼ばれる。金鵄および八咫烏は賀茂建角身命の化身である。

境内糺の森(ただすのもり)、御手洗川、みたらし池がある。

神社は2つの川の合流点から一直線に伸びた参道と、その正面に神殿、という直線的な配置になっている。

御手洗社の水は葵祭の斎王代清めの聖水である。現存。飲料可[1]

祭神編集

歴史編集

京都の社寺では最も古い部類に入る。社伝では、神武天皇の御代に御蔭山に祭神が降臨したという。また、崇神天皇7年に神社の瑞垣の修造の記録があるため、この頃の創建とする説がある。一説には、天平の頃に上賀茂神社から分置されたともされる。

上賀茂神社とともに奈良時代以前から朝廷の崇敬を受けた。平安遷都の後はより一層の崇敬を受けるようになり、大同2年(807年)には最高位の正一位神階を受け、賀茂祭は勅祭とされた。『延喜式神名帳』では「山城国愛宕郡 賀茂御祖神社二座」として名神大社に列し、名神・月次・相嘗・新嘗の各祭の幣帛に預ると記載される。弘仁元年(810年)以降約400年にわたり、斎院が置かれ、皇女が斎王として賀茂社に奉仕した。

平安時代中期以降、21年毎に御神体を除く全ての建物を新しくする式年遷宮を行っていたが、本殿2棟が国宝に指定されたため、現在は一部を修復するのみである。

境内編集

摂末社編集

摂社編集

 
河合神社
 
三井神社
 
西参道にある鳥居に掛かる紅葉
 
相生社
  • 河合神社
    • 式内社名神大)「愛宕郡 鴨川合坐小社宅神社」。鴨長明ゆかりの社
    • 河合神社境内社:六社、任部社、三井社
  • 出雲井於神社 - 式内社「愛宕郡 出雲井於神社」
    • 出雲井於神社境内社:岩本社、橋本社
  • 三井神社
    • 式内社(名神大)「愛宕郡 三井神社」
    • 三井神社境内社:諏訪社、小杜社、白鬚社
  • 賀茂波爾神社
    • 賀茂波爾神社境内社:稲荷社
  • 御蔭神社
  • 日吉神社
  • 貴布祢神社

末社編集

  • 印璽社
  • 言社(ことしゃ) - 本殿前の七つの社の総称、大国主命の七つの別名ごとの社で17世紀に造営。十二支の守り神とされる。
  • 井上社
  • 相生社 - 2本の木が途中から1本に繋がった「連理の榊」と呼ばれる神木がある。縁結びの神として有名。
  • 愛宕社
  • 稲荷社
  • 祓社
  • 印納社
  • 沢田社
  • 河崎社
  • 賀茂斎院歴代斎王神霊社

主な祭事・行事編集

境内で行われる行事
  • 蹴鞠はじめ(毎年1月4日)
  • 奉納演武(毎年5月4日・下鴨神社主催、日本古武道振興会共催)
  • 下鴨納涼古本まつり(8月中旬・京都古書研究会主催)

文化財編集

社殿のうち2棟が国宝、31棟が国の重要文化財に指定され、17棟が重要文化財の附(つけたり)指定となっている[2][3]

国宝編集

  • 賀茂御祖神社 2棟(建造物)
    • 東本殿
    • 西本殿

重要文化財編集

  • 賀茂御祖神社 31棟(建造物)
  • 祝詞舎
  • 幣殿
  • 東西廊 2棟
  • 東西御料屋 2棟
  • 叉蔵
  • 四脚中門
  • 東西楽屋 2棟
  • 中門東西廻廊 2棟
  • 預り屋
  • 西唐門(附 左右透塀2棟)
  • 舞殿
  • 神服殿
  • 橋殿
  • 細殿
  • 供御所
  • 大炊所(附 井戸屋形1棟)
  • 楼門
  • 楼門東西廻廊 2棟
  • 摂社出雲井於神社本殿
  • 摂社三井神社本殿 3棟
  • 摂社三井神社拝殿
  • 摂社三井神社棟門
  • 摂社三井神社東西廊下 2棟
  • 以下は「附(つけたり)」指定物件
    • 本社の附
      • 末社印社本殿
      • 末社一言社本殿 2棟
      • 末社二言社本殿 2棟
      • 末社三言社本殿 3棟
      • 透塀(一言社前)
    • 摂社出雲井於神社の附
      • 岩本社本殿
      • 橋本社本殿
    • 摂社三井神社の附
      • 三井神社末社本殿(諏訪社、小杜社、白鬚社)3棟
  • (※結婚式場の「葵生殿」は、重要文化財指定名称では「預り屋」)

(指定年月日)

  • 明治34年(1901年)8月2日 - 東本殿、西本殿など23棟(西唐門の附の左右透塀含む)が古社寺保存法に基づく特別保護建造物(文化財保護法下の「重要文化財」に相当)に指定。
  • 明治36年(1903年)4月15日 - 神服殿、供御所、大炊所の3棟が特別保護建造物に指定。
  • 昭和28年(1953年)3月31日 - 東本殿、西本殿が文化財保護法に基づき国宝に指定。
  • 昭和42年(1967年)6月15日 - 叉蔵、摂社出雲井於神社本殿、摂社三井神社本殿(3棟)、同拝殿、同棟門、同東西廊下(2棟)の9棟を重要文化財に追加指定。このほか、大炊所の附の井戸屋形と、末社印社本殿以下の附指定物件はいずれもこの日付けで指定。[4]

国の史跡編集

  • 賀茂御祖神社境内

関連文化財編集

  • 賀茂御祖神社絵図 - 国の重要文化財(古文書)。京都国立博物館保管。2017年(平成29年)9月15日指定[5][6]

その他編集

舞台となった作品編集

※発表順

映画
アニメ

境内のマンション建設編集

 
問題となったマンションのJ.GRAN THE HONOR 下鴨糺の杜

2015年3月に、世界遺産・糺の森に隣接する御蔭通の南側の世界遺産バッファゾーンで、当時は駐車場と研修道場があった場所にマンションが建設されると報じられた。これは21年に1度の式年遷宮の費用を捻出するために、業者に50年の期限付きで土地代として年間約8千万円の収入を見込んで貸し出すものである。

このことについては反対意見も多く出たが、元々研修道場という老朽化した体育館のような現代建築が建てられていた場所と駐車場であり、伐採する木の数も少ないこと、新たに建物の周囲に糺の森に植わっている木と同種の木を植樹すること、建物の高さを抑え落ち着いた和風の外観とすること、糺の森の中の小川をイメージしたせせらぎを参道の脇に作ることなどで京都市の同意も得て、2017年に予定通りマンションは建設された(物件名「J.GRAN THE HONOR 下鴨糺の杜」)。また、このマンションに入居する際は「糺の森保存会」もしくは「下鴨神社崇敬会」のいずれかの終身会員に加入することが条件となっている。

一部の政党や市民団体が現在でも「世界遺産に違法にマンションを建設した」とか「糺の森を破壊した」と主張して建設を認めた現市政を批判しているが、前述の通り世界遺産エリアではなく世界遺産バッファゾーンであり、世界遺産バッファゾーンに建設されるべき建物としての条件を備えており、森を伐採してマンションを建てたわけではなく、駐車場と研修道場だった場所の転用である。

これよりも先に境内にマンションを建設して社殿補修の費用を捻出した梨木神社の例もあり、宗教法人の自助努力なのか安易な開発なのかの論議が続いている。

現地情報編集

所在地
交通アクセス

鉄道

バス

  • 京都市営バス14205系統)で、「下鴨神社前」バス停下車 (下車後徒歩すぐ)
    • なお、「下鴨神社前」バス停は本殿に最寄りであるが、裏参道扱いの西参道からの参拝となる。糺の森を通る表参道からの参拝や、表参道入口近くの摂社・河合神社への参拝は、上記と同系統の「新葵橋」バス停が近い。

  • 駐車場:有り

脚注編集

[ヘルプ]
  1. ^ 小野芳朗『水の環境史「京の名水」はなぜ失われたか』(PHP新書) PHP研究所、2001年 p.208 ISBN 9784569616186
  2. ^ 棟数は『国宝・重要文化財大全 別巻』(所有者別総合目録・名称総索引・統計資料)(毎日新聞社、2000)ほか諸資料による。
  3. ^ 京都観光Naviほか、インターネット上の資料には、棟数を「国宝2棟、重要文化財53棟」とするものが多いが、重要文化財は附指定を含めても48棟である。世界遺産一覧表記載推薦書所収の建造物リストを見ても、国宝2棟、重要文化財(附指定含む)48棟となっている(「地図及び平面図」=>「付属資料3b 建造物・庭園配置図」を参照)。
  4. ^ 指定年月日は以下の資料による。
    • 文化庁編『国宝・重要文化財建造物目録』、第一法規、1990
    • 『解説版 新指定重要文化財11 建造物I』、毎日新聞社、1981、pp.146 - 147
  5. ^ 平成29年9月15日文部科学省告示第117号。
  6. ^ 国宝・重要文化財の指定について(文化庁)。

関連項目編集

神社
その他

関連図書編集

外部リンク編集