任侠流山動物園』(にんきょうながれやまどうぶつえん)は、落語浪曲講談の演題。二代目広沢虎造で知られる浪曲「清水次郎長伝」をベースにした三遊亭白鳥作、動物園の人気動物が主人公である荒唐無稽な新作落語の一席。別題「流山の決闘」。流れの豚次伝シリーズの最初に出来た作品。ここでは「流れの豚次伝」シリーズの他作品についてもとりあげる。

あらすじ編集

千葉県にある流山動物園にはライオンや虎のような人気の動物はおらず、象のマサオが人気者。しかし今は病気で伏せている。ある日、閉園後にブタの豚次が園長の所にやってきて経営状態を訊ねるが、「県からの補助金を打ち切られて財政難になっている」「どうやったら客が来るだろうか」と打ち明けられる。豚次は、牛の牛太郎、ニワトリのチャボ子に相談するが答えが出ない。豚次は古巣の上野動物園に向かった。昔世話になった親分、パンダのパン太郎に挨拶する。かつて子分であった豚次から「流山動物園に客を呼ぶために来てくれないか」その覚悟を見せるために、昔食われるはずだった豚次の元兄貴分、虎夫に尻をかじらせるが、約束は反故にされ、放り出される目に遭う。ほうほうの体で流山動物園に戻った豚次と、牛太郎、チャボ子は、園長に人間としゃべることを教わると、流山動物園は大盛況。代わりに上野動物園には客が来なくなり、パン太郎と虎夫は流山に殴り込んでくる。そこにマサオこと政五郎が登場、「昔知られた動物を束ねた次郎長のことを聴いたことはあるだろう。その子分を知っているか?」パン太郎はその象が目の前の大政、政五郎と分かる。パン太郎は虎夫に政五郎を襲わせるが返り討ちに遭う。パン太郎は殴り飛ばされ中国の四川省に。その時の黒アザが目の周りに残るという。

  • 第一話「豚次誕生秩父でブー!」
  • 第二話「掛け取り上野動物園」
  • 第三話「流山の決闘」
  • 第四話「雨のベルサイユ」
  • 第五話「天王寺代官切り」
  • 第六話「男旅牛太郎」
  • 第七話「悲恋かみなり山」
  • 第八話「チャボ子絶唱」
  • 第九話「人生鳴門劇場」
  • 第十話「金比羅ワンニャン獣の花道」

第十話までで構成されているが(2019年現在)、作者の白鳥に言わせると「まだまだ未完」である[1]

エピソード編集

  • 作者の白鳥自身の他、柳家喬太郎柳家三三桃月庵白酒春風亭一之輔三遊亭歌武蔵三遊亭萬橘春風亭ぴっかり☆、立川こはると落語家が演じている。別題「流山の決闘」。流れの豚次伝シリーズの最初に出来た作品。
  • SWA (話芸集団)と関わりの深い演目である。『雨のベルサイユ』は、SWAで「雨」がテーマとなった時に作られた[1]
  • 原作者の三遊亭白鳥は、2010年2月14日、千葉県流山市で開催された「第4回流山寄席」で『任侠流山動物園』を物語の舞台となる流山で初演している。落語会当日は、落語の舞台となる江戸川堤を見ておきたいと、会場の流山市生涯学習センターまではつくばエクスプレスを利用せずに、噺にも登場する流鉄流山線に乗って現地入りした[2]
  • 2015年、池袋演芸場9月中席昼の部で、柳亭市馬など真打10人が日替わりで「任侠流れの豚次伝」を演じ、直後に上がった白鳥がそれぞれの次の話を語るリレー落語形式の興行が開催された[3][4]。出演した落語家は初日から順に、桃月庵白酒・柳亭市馬・春風亭一之輔・柳家三三・柳家一琴入船亭扇辰・柳家喬太郎・三遊亭歌武蔵・春風亭百栄林家彦いち
  • 柳家三三は、2010年10月の白鳥との二人会「両極端の会」でネタ下ろしした後[5]、2017年に横浜にぎわい座で通し口演、2018年8月から12月まで名古屋大阪広島福岡で通し口演した。三三はこの演目について「(動物を演じるので)羞恥心の意味でハードルが高い」が「とても緻密に作られた落語」と語っている[3]
  • 原作者の三遊亭白鳥の協力によりフシ付け(浪曲化)され春野恵子瑞姫(たまき)、玉川太福が演じている。
  • 講談では、神田鯉栄、一龍斎貞寿が演じている。

ソフト編集

CD編集

配信編集

DVD編集

  • 新世紀浪曲大全 玉川太福(クエスト、2016年9月)玉川太福「任侠流山動物園 流山の血闘」収録。

書籍編集

  • 「砂漠のバー止まり木 三遊亭白鳥創作落語集」(2008年2月、講談社)「任侠流山動物園」収録。

出典編集

脚注編集

  1. ^ a b 『『浪曲師 玉川太福読本』対談 異才の原点 玉川太福・三遊亭白鳥』CDジャーナル、2020年2月5日、57-60頁。
  2. ^ 流山市秘書広報課 (平成22-02-15). “任侠流山動物園が流山で初上演 創作落語で人気の三遊亭白鳥さんの独演会に250人”. ぐるっと流山. 流山市. 2019年11月20日閲覧。
  3. ^ a b 塚田史香 (2018年6月21日). “柳家三三に聞く「任侠流れの豚次伝」の魅力『またたびさんざ 四都市五ヶ月連続独演会』は8月開幕”. SPICE. 2019年9月30日閲覧。
  4. ^ yutaroda (2015年9月12日). “池袋演芸場 九月中席 昼の部 三遊亭白鳥 主任”. 落語とミステリーで始めてみました. livedoor blog. 2019年9月30日閲覧。
  5. ^ 広瀬和生 (2019年7月25日). “『21世紀落語史』高座で演じる三三は消えてしまっていい【第71回】”. 本がすき。. 光文社. 2020年2月5日閲覧。