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出雲そば

出雲割子そば:例1
出雲割子そば:例2

出雲そば(いずもそば)は、島根県出雲地方で広く食べられる郷土料理蕎麦三大蕎麦の一つ(ほかの二つはわんこそば戸隠そば)。[要出典]

目次

概要編集

出雲の地が蕎麦処となった理由としては、奥出雲地方(出雲国南部=現在の雲南市奥出雲町など)において、寒さに強く収穫までが短い上、痩せ地でも栽培できる蕎麦の栽培が栄えたこと[1]、あるいは松江藩初代藩主の松平直政信濃国松本藩から国替えとなった際、信濃からそば職人を連れてきたことで蕎麦食が定着し[2]、江戸時代後期になってこの地域の産業・文化を振興した名藩主として「不昧公(ふまいこう)」と呼ばれ親しまれている7代松江藩主の松平治郷が、当時「高貴な人はそばを食べない」とされていたにも拘らず、不昧公はお忍びで夜に屋台の蕎麦(いわゆる夜鷹そば)を食べに行くほどの蕎麦好きでこだわりの食べ方を語っており、茶人としても茶懐石に蕎麦を取り入れその地位向上に一役買ったため[3]と言われている。

出雲地方では奥の院詣り(出雲大社日御碕神社美保神社大山寺一畑寺)の際に、門前そば屋で蕎麦を食べるのが庶民の楽しみであった[3]。また「神在月(かみありづき)」に行われる「神在祭」(通称「お忌みさん」)の際、神社の周りに屋台のそば屋が立ち並び、身体の温まる「釜揚げ」(後述)で新蕎麦を食べた[3]。「釜揚げ蕎麦」は、出雲を去る神々を見送る儀式「神去出祭(からさでさい)」にちなんで、「神去出蕎麦」また「お忌み蕎麦」と呼称されることもある[3]

製法としての特色として、蕎麦粉を作るとき蕎麦の実を皮ごと石臼で挽くため、蕎麦の色は濃く黒く見え、香りが強いことが挙げられる。食べ方にも特色があり、「もり」「かけ」といった定番の食べ方よりも、「割子蕎麦」「釜揚げ蕎麦」といった独特の食べ方が広まっている。

種類編集

 
市販乾燥麺の出雲そば

割子蕎麦編集

割子蕎麦(わりごそば)は、重ねられる丸い漆器に茹でた蕎麦を盛って出したもの。三段重ねとなったものが一般的で、別途薬味と出し汁の容器がつく。これは江戸時代に松江の趣味人たちがそばを野外で食べるために弁当箱として用いられた形式が基となっている[2]。出雲地方では昔から重箱のことを「割子」(「割盒」とも)と呼んでおり、当時の割子は正方形や長方形、ひし形などさまざまな形であったが、1907年頃に当時の松江警察署長の発議によりヒノキを用いた底の厚みのある丸形の漆器に変わった(警察署長の発議は、割子が四角形であると四隅が洗いにくく、衛生的見地から問題があると見たからと言われている。なお、当時の食品衛生は警察の管轄であった)。

食べ方にも特徴があり、他地方では蕎麦をだし汁の中に入れるのに対し、だし汁自体を器に入れて食べる(このため、だし汁を入れる容器の口が狭くなっている)。その上に大根おろし削り節などの薬味を載せて頂く[3]。三段重ねの場合、まず一番上の割子にだし汁を全部入れて蕎麦を食し、食べ終わったら残っただし汁を二段目にかけて食す、というふうに、だし汁を使い回しながら上から順に食べてゆく。

釜揚げ蕎麦編集

釜揚げ蕎麦(かまあげそば)は、釜や鍋から茹でたそばを水洗いせず直接器に入れて、茹で汁であるそば湯をかけ、つゆや薬味を使って食べる食べ方[3]。一見するとかけそばに似ているが、水で締めたゆで麺を使うのではなく、そば湯ごとよそわれた麺の中に自分でつゆ(割子蕎麦と同様の濃い出し汁)を足して濃度を調節しながら食べる食べ方である。食べ方としては吉田のうどんの「湯もり」に類似する。

玄丹そば編集

松江市には玄丹そば(げんたんそば)と呼ばれるそばがあるが、これは1997年より減反によって休耕していた松江市郊外の田(減反[3])を用いて育てられたそばで、基本的には出雲そばから派生したものである。名前は江戸時代の末期に松江藩を救った玄丹(げんたん)お加代という女性にあやかってつけられた。

脚注編集

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  1. ^ 特集 出雲そばを極める”. 島根PR情報誌シマネスク 2008年 No.69. 島根県広報部広報室. 2018年10月25日閲覧。
  2. ^ a b 萩原さちこ (2018年7月30日). “出石、越前、出雲 そばのルーツは城にあり 城下町グルメ(1)”. 朝日新聞デジタル[&]. 2018年10月25日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g “今月のテーマ「島根のそばー出雲そば・三瓶そば・隠岐そば」” (PDF), しまねニュース (にほんばし島根館), (2006年12月15日), オリジナルの2009年7月31日時点によるアーカイブ。, https://web.archive.org/web/20090731040859/http://www.kankou.pref.shimane.jp/news/s_news/images/news181215.pdf 2009年1月22日閲覧。 

参考文献編集

  • 白石昭臣(編)『おいしい出雲そばの本 端麗にして美味パワフル伝統食』ワン・ライン、2000年8月、ISBN 4948756083
  • ワン・ライン(編)『出雲そば街道 出雲・石見・隠岐・伯耆国のそば屋めぐり』ワン・ライン、2007年7月、ISBN 4948756423

関連項目編集

外部リンク編集