屋代島

山口県、周防大島諸島の島
周防大島から転送)

屋代島(やしろじま)は、山口県大島郡周防大島町に属する。人口約19,739人(2010年11月1日現在)。

屋代島
上空より
座標 北緯33度55分0秒
東経132度16分0秒
座標: 北緯33度55分0秒 東経132度16分0秒
面積 128.31 km²
海岸線長 約160 km
最高標高 691 m
所在海域 瀬戸内海
所属国・地域

日本の旗 日本山口県

屋代島の位置(山口県内)
屋代島
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国土地理院が定める正式名では屋代島と称する[1]が、周防国の大島であったことから周防大島(すおうおおしま、または単に「大島」)と呼ばれることも多く[2]、周辺の島々と周防大島諸島を構成する。古くから瀬戸内海海上交通の要衝とされ、万葉集にもこの島を詠んだ歌がある。

宮本常一民俗学者)、星野哲郎作詞家)の出身地でもある。

目次

地理編集

 
画面右手が屋代島

本州沖約2kmの瀬戸内海上にある。瀬戸内海では淡路島小豆島に次いで3番目に大きい島で、地図を見ると金魚のような形をしていることから『金魚島』と呼ばれている。本州との間の大島瀬戸は潮流が速く、古くは水運の難所とされていたが現在は好漁場として釣り人のメッカとなっている。島内は海岸沿いまで山が迫り、平地は屋代・小松地区や安下庄地区などわずかしかない。島内最高峰は嘉納山(かのうさん)だが最も山姿が美しいのは嵩山(だけさん、619m)とされ、大島富士とも呼ばれている。晴れた日には島東部から四国石鎚山まで望むことができる。瀬戸内海の豊富な魚介類やみかんの産地として名高い。

気候は温暖で、平均気温は15℃を超える。

歴史編集

縄文時代弥生時代の遺跡により、当時から周防大島に人間活動のあったことがわかっている。『日本書紀』ではイザナミが生んだ大八島の一つ、7番目に生まれた島とされ、『古事記』にも同様の記述があり、古代の主要交通路だった瀬戸内海の要所だったことの表れと考えられている。このほか『国造本紀』に大島国造が見える。平城宮長屋王邸跡から大島郡の物産であることを示す木簡が多く出土しており、長屋王の封戸が大島郡内に設定された可能性が指摘されている。また、畿内と筑紫との海路において、風光明媚な要所であることから、歌枕としても知られていた(『万葉集』巻15・3638番田辺秋庭、『後撰和歌集』恋4・829番大江朝綱など)。また、『源氏物語「玉鬘」巻には大島を歌った和歌が登場する[3]

鎌倉時代初期までに屋代荘・安下荘・島末荘の3荘園が成立し、これらの地頭職として大江広元が任ぜられた。治承・寿永の乱に際しては、島末荘に平知盛が城塞を構築したとする記録が残されている。室町時代には周辺海域に海賊が現れ、宇賀島衆と三島衆(村上一族)などの争いが繰り広げられた。厳島の戦い以後、大島は村上氏と深いつながりを持つようになり、村上武吉の墓が内入の元正寺に置かれている。

交通編集

島内の主要交通路は、島の北側海岸線に沿って東端の伊保田から本州への大島大橋までを結ぶ国道437号である。このほか主要地方道の山口県道4号大島環状線山口県道60号橘東和線、一般県道の県道103号大島橘線県道108号地家室白木港線県道351号油田港線県道362号白木漁港佐連線が島内を通っている。

本州の柳井市とは大畠瀬戸をまたぐ大島大橋(国道437号)により結ばれている。最寄りの鉄道駅は本州の大畠駅(柳井市)。

大島には久賀港安下庄港小松港伊保田港白木港沖浦港の6箇所の地方港湾がある(うち白木・沖浦両港は周防大島町が、その他は山口県が港湾管理者となっている)。周防大島 松山フェリーが大島東端の伊保田港と柳井港柳井市)及び三津浜港松山市)とを結んでいる。このほか、小松・久賀・日前・伊保田の各港から周辺離島への町営渡船が運航している。

かつて大島大橋が開通する1976年7月4日までは、本州の大畠駅近くにある大畠港と大島の小松港との間を大島連絡船国鉄鉄道連絡船)が所要13分で運航していた。さらに柳井港駅近くにある柳井港から同島の開作港までの連絡船防予汽船)が運航していたほか、通津港(岩国市)から同島の久賀港までの連絡船(同)も存在していた。

防予諸島に隣接する芸予諸島には「大島」がある為、広辞苑しまなみ海道の節に「大島を経由する」とすべき所を「周防大島を経由する」と誤記があった[4]

経済編集

産業編集

漁業、農業(果樹、特にみかん)、観光業が産業の中心である。

観光編集

温暖な気候から「サザンセト」の名称のもと、リゾート化が進められている。年間約93万人が訪れる[5]

郷土料理編集

  • 魚介料理(大畠瀬戸、情島、沖家室の鯛料理、生ウニ)
  • 茶粥(番茶を煮出した粥。蒸かしたサツマイモなどを入れる)
  • サツマ汁(ほぐしたの身とダシ・味噌をトッピングした
  • じんだ(ネギ味噌にメバルの身を加えすり潰し、お茶漬けとして食べる)
  • みかん鍋みかんに入れた新名物の郷土料理

伝承編集

虚空太鼓(こくうだいこ)
毎年6月頃にどこからともなく太鼓のような音が聞こえてくるという怪異が伝わっている。これは、かつて芸人一座を乗せた船が時化に遭い、太鼓を鳴らして助けを呼びつつ海に没したことがあり、以来その季節になるとその太鼓の音が海から鳴り出すのだといわれている[6]

その他編集

 
サザンセトロングライド
  • ロックミュージシャンの浜田省吾は父親が亡くなった1987年4月に父親の故郷である周防大島を訪れ、浜田の作品でもある「PROMISED LAND 〜約束の地」を父の棺に収めている[7]
  • サザンセトロングライド - 柳井市ウエルネスパークをスタート地点とする160kmのサイクリングイベント。周防大島を1周する。

脚注編集

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  1. ^ 主な島(2008年)(第五十九回日本統計年鑑 第1章) - 統計局(2010年版、2011年9月17日閲覧)
  2. ^ 『日本の島ガイド SHIMADAS(シマダス)』第2版 p.564 2004年7月、財団法人日本離島センター、ISBN 4931230229
  3. ^ 田坂憲二「大宰府への道のり」(倉田実・久保田孝夫 編『王朝文学と交通』(竹林舎、2009年) ISBN 978-4-902084-87-0
  4. ^ [1][2][3][4][5][6][7][8][9][10]
  5. ^ 周防⼤島町まち・ひと・しごと創⽣総合戦略平成27年
  6. ^ 『妖怪事典』p.158 - 村上健司著、毎日新聞社(2000年)
  7. ^ 朝日新聞2010年11月6日。「Be」2面。

外部リンク編集