境界標
境界を示す標
境界標(境界石、英語: Boundary marker)は、土地や路線などにおいて、何らかの境界を示すために設置される標のことである。
土地における境界標編集
日本における境界標編集
「測量標」も参照
大磯町に存在する境界石
三井不動産によると境界標にはさまざまな種類が存在しており、主に材質で区分されている。[1]また、境界標には以下の要件が必要とされる。[1]
- 正確性
- 不動性
- 永続性
- 視認性
- 特定性
- 証拠性
- 管理性
日本土地家屋調査士会連合会もほぼ同様の認識を示している。[2]
これらの境界標は時代とともに材質の他、土地境界の示し方が変化している。大正時代から戦後にかけては角柱状の御影石の上部中心に丸を刻印したものを設置していたが、現在にかけてはコンクリートの天頂部に十字を刻印したものが増加している。この場合においては福岡高等裁判所 昭和46年(ツ)3号判決により、天頂の十文字の中心を指示点と解すべきことは社会通念上当然のこと、とされている。また、昭和50年代から天頂部に十字ではなく矢印を刻印したものも増加している。[3]
民法によって境界標の所有権は隣地所有者との共有とされている。また、設置された境界標を損壊もしくは移動させることは境界損壊罪となる。[2]
国境に設置される境界標編集
50度線を警備する戦前の日本の警察官
上記の境界標とは多少意味合いが異なるが、国境に設置されるその国境を示す構造物を境界標と呼称する場合がある。
ギャラリー編集
1754年、ハノーファー選帝侯領内に設置された境界石。当時の国有林と農民の私有地の境界を示している。
ウクライナの国境に存在する境界標
脚注編集
- ^ a b 高橋一雄 (2011年12月7日). “境界紛争を未然に防ぐには?(4)”. 三井不動産. 2020年6月19日閲覧。
- ^ a b “知って得する、境界標の「知識」”. 日本土地家屋調査士会連合会. 2020年6月19日閲覧。
- ^ 楢葉友行 (2017年11月). “境界標~刻印の変遷~”. 土地の境界・筆界アドバイス. 三井住友トラスト不動産. 2020年6月19日閲覧。
- ^ “国境標石”. 根室市 (2018年3月1日). 2020年6月19日閲覧。