万達集団(ワンダ・グループ、中国語: 万达集团)は、大連万達(だいれん・ワンダ、中国語: 大连万达)としても知られる中華人民共和国コングロマリット(複合企業)である。 傘下に、商業、文化、インターネット、金融の四大企業を所有している。また不動産、映画制作、映画館運営、スポーツなどの事業を展開している[2]

万達集団
万达集团
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種類 株式会社
略称 万達(ワンダ、Wanda)
本社所在地 中華人民共和国の旗 中国 北京市朝陽区
設立 1988年
業種 不動産文化産業
代表者 王健林中国語版
主要子会社 万達広場
大連万達商業地産
万達商業管理公司
万達武漢電影楽園
万達酒店管理公司
漢秀
万達学院
万達城[1]
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大連万達グループ
各種表記
繁体字 萬達集團
簡体字 万达集团
拼音 Wàndá Jítuán
英文 Wanda Group
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概要編集

1988年中国人民解放軍の軍人であった王健林中国語版により大連において不動産会社として創設され、後に北京へ本社を移した。現在は大型ショッピングモール万達広場や高級ホテルの運営、隣接するマンションの販売など中国の111都市で175のプロジェクトを展開しており[3]、王健林は不動産バブルでアジア一の富豪にもなっている[4]

2014年12月には関連子会社の大連万達商業地産が香港証券取引所から新規株式公開(IPO)の認可を取得した[5]

大連の不動産開発で築いた財産を元手に、米国シカゴ英国ロンドンなど積極的に海外でも不動産開発を行い、特にスペインでは、2014年6月にスペイン不動産バブル崩壊の象徴でもあったエディフィシオ・エスパーニャ英語版を買収[6]2015年1月21日にはサッカークラブであるアトレティコ・マドリードに20%出資することを発表してスポーツにも乗り出し[7]2016年12月9日にはマドリードオリンピック構想の会場だったエスタディオ・オリンピコ・デ・マドリードをワンダ・メトロポリターノに改名した。2014年2月10日国際サッカー連盟(FIFA)のゼップ・ブラッター会長のおいが率いるスイス企業インフロント・メディアを買収し[8]、2016年3月には2030年までFIFAの冠スポンサーとなる14年間の大型契約を交わした[9]。さらにFIBAの公式グローバルパートナーを前例のない17年契約を交わした。2015年8月、「アイアンマン」ブランドを所有し、米国ハワイ州ハワイ島で開催する「アイアンマン世界選手権大会」などの一連のトライアスロン競技大会を主催するワールド・トライアスロン・コーポレーション(WTC)を買収することで合意した[10] 。さらに2020年から10年間、IAAFダイヤモンドリーグのタイトルパートナーに就任するなどスポーツにも積極である[11]

中国全土で映画館の買収を開始して2012年には国産映画の製作・配給に乗り出し[12]、同年に世界最大のIMAXシアターと3Dシアターの運営会社であるアメリカのAMCシアターズの買収に成功した[13]。2016年1月には米国ハリウッド映画制作会社レジェンダリー・ピクチャーズを買収し[14]、同年3月にはカーマイク・シネマズを買収して全米最大の映画館運営会社となり[15]、同年12月には欧州最大手の映画館運営会社であるオデオン・シネマズの買収によって万達は世界最大の映画館運営会社となった[16]。さらに「東のハリウッド」として青島東方影都を建設し、2016年の年次報告書の中では当時上海ディズニーランドの開業を契機に活況[17]を呈していたテーマパーク産業での成功を足がかりに海外進出を加速させる構想を提示したほか、王健林もビッグ6ディズニーの打倒を発言して事業拡大に自信を示した[18]。なお、ディズニー社CEOボブ・アイガーは取引相手でもある王健林のこの言動に対して「奇妙だ」と応じた[19]

しかし、中国政府による海外投資への規制強化に伴い、ゴールデン・グローブ賞などを運営しているディック・クラーク・プロダクションパラマウント映画の買収に失敗し[20][21]ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメントと中国商品のプロダクトプレイスメントを映画で行う代わりに製作費を援助するという提携を交わすことになった[22]。2017年7月10日にはテーマパークなど観光施設への出資分やホテル等の大半を、融創中国に93億ドルで売却する計画を発表した[23]。王健林は第十七回全国代表大会の代表に選ばれるなど中国共産党党員でも有名だったものの[24]、2015年11月時点では「自分で稼いだカネを好きに使って何が悪い」と語っていた。こうした姿勢は中国政府に目を付けられて、2017年に金融機関による融資が制限されて、上記の在外事業・資産売却を余儀なくされたと『日経産業新聞』は報じている。2018年には、中国国内への投資に重点を置く計画を表明し、王は2019年1月に「当社の発展を支えてくれた中国共産党と政府に心から感謝したい」と述べた[25]

出典・脚注編集

  1. ^ http://www.wanda.cn/about/ 大连万达集团简介
  2. ^ 关于万达 - 万达官网”. www.wanda.cn. 2017年4月26日閲覧。
  3. ^ http://www.nikkei.com/article/DGXLASDX09H0R_Z01C14A2FFE000/ 大連万達商業地産が上場 香港IPOで14年最大 4600億円調達
  4. ^ アジア一の富豪に王健林氏が返り咲き-李嘉誠、馬雲両氏と激しい争い”. ブルームバーグ. 2016年4月2日閲覧。
  5. ^ http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NFXI136JTSEX01.html 中国の大連万達商業地産、香港IPOの認可得る-関係者
  6. ^ Minder, Raphael (2014年9月23日). “Sale of a Landmark Skyscraper Puts Spain on the Map of Chinese Investors”. New York Times. https://www.nytimes.com/2014/09/23/business/international/spain-lands-on-the-map-of-chinese-investors.html 
  7. ^ http://jp.reuters.com/article/companyNews/idJPL4N0V01PC20150121 中国の大連万達、スペインのアトレチコ・マドリードに20%出資
  8. ^ http://www.nikkei.com/article/DGXMZO83025150Q5A210C1000000/ [FT]中国企業、FIFA会長おいの会社を買収
  9. ^ http://www.nikkei.com/article/DGXMZO83025150Q5A210C1000000/ 大連万達集団、FIFAと最高位のスポンサー契約
  10. ^ 中国の大連万達、ワールド・トライアスロン買収へ-780億円で
  11. ^ IAAF ANNOUNCES WANDA GROUP IN LANDMARK TITLE SPONSORSHIP OF DIAMOND LEAGUE 国際陸連 2019年9月25日
  12. ^ http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NJJBCM6K50XY01.html 娯楽帝国の異色経営者-15歳で入隊、引退公言し世界に挑む
  13. ^ 万達集団が米AMCを買収、世界最大の映画館チェーンに―中国”. Record China (2012年9月26日). 2019年4月14日閲覧。
  14. ^ 大連万達グループがレジェダリーを35億ドルで買収 (英語)
  15. ^ 万達、米映画館チェーン1243億円で買収 米トップに”. 日本経済新聞 (2016年3月4日). 2019年4月14日閲覧。
  16. ^ 大連万達、英社買収完了 映画館の世界最大手に”. 『日本経済新聞』 (2016年12月2日). 2017年5月5日閲覧。
  17. ^ 中国観光135兆円争奪戦 上海ディズニーが契機、テーマパーク続々開業”. Sankei Biz (2016年6月2日). 2018年3月21日閲覧。
  18. ^ 中国・万達 映画館運営、広がる覇権”. 『日本経済新聞』 (2016年7月14日). 2019年4月15日閲覧。
  19. ^ 「中国に来るな」中国一の大富豪の“口撃”に、ディズニー社CEOが余裕の回答―米メディア”. Record China (2016年6月12日). 2018年3月21日閲覧。
  20. ^ [FT大連万達、激しく攻め込みすぎたハリウッド]”. 『日本経済新聞』 (2017年3月23日). 2017年11月27日閲覧。
  21. ^ 米パラマウント買収に頓挫の中国ワンダ 大失速の懸念”. フォーブス (2016年9月28日). 2017年11月27日閲覧。
  22. ^ ソニー、大連万達と映画で提携 中国の商品を作品でPR”. 『日本経済新聞』 (2016年9月24日). 2017年12月24日閲覧。
  23. ^ 中国一の富豪、「ディズニー倒す」計画頓挫 事業を1兆円で売却へ CNN(2017年7月11日)2017年7月11日閲覧
  24. ^ 十七大代表王健林:始终不忘的是社会责任”. 人民網 (2007年9月12日). 2019年2月12日閲覧。
  25. ^ 【グローバルViews】中国 存在しない「民間企業」党に逆らえない経営者『日経産業新聞』2019年1月29日(グローバル面)。

関連項目編集

外部リンク編集